日本生命 統合報告書 2022 menu

海外事業

環境認識・基本戦略

当社は、相互会社として、いかなる環境変化の中でも「ご契約者利益を最大化する」という使命を果たし続けるべく、海外ビジネスに取り組んでいます。

新型コロナウイルス感染症の長期化や、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まりなど、海外事業を取り巻く環境は、先行き不透明な状況ではあるものの、①国内と異なる成長機会を確保し、長期安定的に収益を獲得すること、②地域や事業の分散等によりリスクをコントロールし当社グループの経営の安定化を図ること、を目指して海外事業の展開・各種取り組みを進めています。

社会・経済の状況が変化し、お客様ニーズが一層多様化している中、各国・地域において、お客様のご期待に応える保険・資産運用サービス等の提供に向けて継続的に取り組んでまいります。

環境認識・基本戦略

振り返り

当社は、米国、欧州、アジア・太平洋地域における保険・アセットマネジメント事業を通じ、長期安定的な収益の獲得に向けて取り組んでいます。

保険事業は、オーストラリアのMLCの収支改善を主因として、対前年大幅増益となりました。MLCは、業界全体で課題となっていた所得補償保険の収支改善や事業費の効率化等に取り組み、3期ぶりに黒字となりました。

アセットマネジメント事業は、一部事業費が増加したものの、好調な市況を背景に預かり資産が拡大、収入増となったことから、昨年度と同水準の利益を確保しました。

結果として、2021年度の海外事業のグループ基礎利益は大幅に増加し、238億円と過去最高益を記録しました。

振り返り

* 海外保険事業および海外アセットマネジメント事業の子会社・関連会社の税引前純利益に、持分比率、金利変動要因の除外等の調整を行い算出

重点取組

2022年度も引き続き、「海外ガバナンス態勢の高度化」と「事業ポートフォリオの強化・改善」に重点を置き、着実に前進させてまいります。

また、「サステナビリティ経営」と「お客様本位の業務運営」を基盤とした事業展開に向け、各社とも理念を共有し、成長し続ける収益基盤の確立と長期安定的な収益の獲得を目指してまいります。



海外ガバナンス態勢の高度化

当社は、海外事業を行うに際して、日本とは異なる政治体制や規制・商習慣等に伴う複合的なリスクに対応するため、全社を挙げてガバナンス態勢を高度化させています。

具体的には、国際的な規制強化も見据えて、専門部署も参加する委員会等によるサポート態勢を整備しているほか、2021年度には、事業投資・経営管理の指針も策定しました。また、地域統括拠点の機能強化・態勢整備にも取り組んでいます。

海外事業を支える人材の育成にも力を入れており、語学力に加え専門性を兼ね備えた人材を育成すべく、さまざまなプログラムを設けており、オンラインも活用して受講できる態勢を整えています。



事業ポートフォリオの強化・改善

既存出資先の安定成長に最優先で取り組むとともに、新たな出資機会も検討し、事業ポートフォリオの強化・改善を推進しています。

MLCは2021年度、3期ぶりに黒字となりましたが、引き続き、3カ年計画の遂行等を通じた安定的な収益の獲得・拡大に向けた取り組みを進めてまいります。

中国の長生人寿保険有限公司およびインドのリライアンス・ニッポンライフ・インシュアランスでは、パートナーによる持分売却等が予定されており、当社は、安定的な事業の継続のため、パートナー変更に向けた対応を進めています。

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