日本生命 統合報告書 2022 menu

資産運用

環境認識・基本戦略

インフレ高進を受けた各国中央銀行による金融引き締めや地政学リスクの高まりなどを背景に、各資産価格が大きく変動するなど、先行きの不透明な運用環境が続いています。

当社は、そのような中でも、ご契約者にお約束した利回りを安定的に確保し、将来の保険金・給付金等を確実にお支払いすることを使命として、資産運用に取り組んでまいりました。

具体的には、生命保険商品という超長期の負債特性を反映し、資産と負債を総合的に把握・管理するALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)の考え方に基づき、資産・国・通貨等の分散に留意したバランスの取れたポートフォリオの構築や、中長期的な相場循環を捉えた売買の実施を通じて、安定的な収益力の向上に努めています。

また、低金利の継続が見込まれることから、円金利資産である公社債等の資産運用を中心としつつ、相対的に利回りの高い社債や海外不動産・インフラへの投融資などにも注力しています。

このような取り組みを進めて行くうえでは、厳格なリスク管理が重要です。きめ細かな投資案件の選別や、潜在的なリスク懸念事象の把握、リスク顕在化時に備えた対応策の検討など、一層の態勢強化に努めています。

なお、投資にあたっては、中長期的な視点でご契約者の利益となることを重視し、安全性・収益性・流動性に加えて、公共性にも配慮した資産運用を行っています。

環境認識・基本戦略

振り返り

2021年度の利差益は、世界的な企業業績の回復による株式配当金や投資信託分配金の増加を主因として増益となり、12年連続の順ざやを確保しました。

低金利環境が継続する中でも、安定的に利差益を確保すべく、引き続き収益力の向上とリスク管理の強化に取り組んでまいります。

振り返り

重点取組

当社は、低金利の厳しい環境下でも、保障責任を全うするため、資産運用の強化・高度化を通じて収益・健全性の向上に努めてきました。

2021年度から2023年度の中期経営計画においては、低成長・低金利環境が長期化する蓋然性の高まりや、コロナ禍に起因する社会環境・産業構造の変化も見据えつつ、①ポートフォリオの変革、②ESG投融資の強化、の二点に注力しています。

①ポートフォリオの変革については、円金利資産の長期化による金利リスクの圧縮や、海外を中心としたクレジット資産の積み増し、オルタナティブ資産等への国際分散投資の推進を通じて、長期安定的な運用収益の確保とリスク削減の両立を目指します。

②ESG投融資の強化については、コロナ禍も一因となり、ESG要素が中長期の企業価値に与える影響が強まっている潮流も踏まえ、収益向上に資するESG投融資の取り組みを強化していきます。2021年度は、全ての資産クラスの投融資プロセスにESG要素を組み込むとともに、資産運用ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量の2050年度ネットゼロの目標達成に向けて、2030年度の中間目標を設定しました。引き続き、さまざまなESG投融資手法を組み合わせ、収益性の確保とともに持続可能な社会の実現に努めていきます。

さらに、これらの資産運用戦略を支えるべく、グローバルな投資体制や、高度な専門性を有する人材の育成、システム開発など、「基盤構築」もグループ一体で推進します。2022年3月には、グループの運用機能・人材を結集し、運用利回り向上に向けた取り組みを進めるため、当社に続き大樹生命のクレジット・オルタナティブ投資の機能を、資産運用子会社であるニッセイアセットマネジメントへ移管しました。今後も、ご契約者利益に貢献すべく、当社グループのリソースを有効に活用し、資産運用に取り組んでまいります。

重点取組
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