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3分でわかる 新社会人のための経済学コラム

第122回 2019年の訪日客数は3,188万人。2020年の政府目標4,000万人だが・・・

2020年4月8日

2019年の訪日客数は3,188万人。前年比2.2%とかろうじて前年比プラスを維持

 日本を訪れる外国人の数は年々増加していますが、その増加ペースは鈍化傾向にあります。2019年の訪日客数は3,188万人と過去最高の水準を更新したものの、2018年からの伸び率は前年比2.2%となり、東日本大震災後の2012年以降、最も低い伸びにとどまっています。

 2019年はラグビーワールドカップの開催が追い風となり、ラグビーが盛んな欧州やオセアニアからの訪日客が増加しました。しかし、日韓関係の悪化により、全体の4分の1程度を占める韓国からの訪日客が前年比▲25.9%と大きく減少したことを主因として、2019年の訪日客数は伸び悩む結果となりました。

 一方で、韓国以外の訪日客数の伸びは前年比11.2%の高い伸びを維持しており、韓国を除いたインバウンドの勢いは衰えていないという見方もできます。

図表1 訪日客の推移

2020年の目標4,000万人だが・・・

 政府は2016年の日本再興戦略において、訪日客数を2020年に4,000万人、2030年に6,000万人に引上げるという目標を掲げました。訪日客数は順調に増加してきましたが、4,000万人の大台を突破するには、2019年比で25%の増加が必要となります。ここ数年の伸び率を考慮すると、目標の達成に向けて雲行きが怪しくなっています。

 さらに、2020年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大により世界中で旅行を控える動きが広がっています。日本政府が一部の国・地域に対して入国制限を実施したこともあり、訪日客数も大幅に減少することが見込まれるため、4,000万人の目標達成は困難となると考えられます。

求められる取組み

 再び訪日客を増やすには、まずは新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めることが急務であり、世界中で再び旅行者が行き交うムードを取戻さなければなりません。

 そのうえで、世界中から観光客を呼込むには、日本の魅力を世界に発信することに加え、観光地の多言語対応やWi-Fi環境の整備といった外国人観光客のためのインフラ環境を整えるなど、ソフトとハードの両面から様々な政策を推進することが求められます。他にも、訪日客の8割以上がアジアからであることを考慮すると、アジアの幅広い層をターゲットにしたマーケティングを継続することに加えて、欧米豪などから新たな需要を掘り起こすためのプロモーションを展開する必要があるでしょう。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、日本の観光産業に逆風が吹いています。外国人観光客を日本に呼込み、観光立国としての地位を盤石なものとできるか。今後の動きに注目です。

(ニッセイ基礎研究所 藤原 光汰)


筆者紹介

藤原 光汰(ふじわら こうた)

経済研究部 研究員
研究・専門分野:日本経済