ANNUAL REPORT 2020 menu

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環境認識・基本戦略

資産運用を巡る環境は、世界的な超低金利の継続に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をはじめとする、金融経済環境の不確実性の高まりを背景に、当面厳しい状態が続くと想定されます。

当社は、そのような中でも、ご契約者にお約束した利回りを安定的に確保し、将来の保険金・給付金等を確実にお支払いすることを使命として、資産運用に取り組んでまいりました。

具体的には、生命保険商品という超長期の負債特性を反映し、資産と負債を総合的に把握・管理するALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)の考え方に基づき、資産・国・通貨等の分散に留意したバランスの取れたポートフォリオの構築や、中長期的な相場循環を捉えた売買の実施を通じて、安定的な収益力の向上に努めています。

また、超低金利の継続が見込まれることから、円金利資産である公社債等の資産運用を中心としつつ、相対的に利回りの高い社債や海外不動産・インフラへの投融資等にも注力しています。

このような取り組みを進めて行くうえでは、厳格なリスク管理が重要です。きめ細やかな投資案件の選別や、潜在的なリスク懸念事象の把握、リスク顕在化時に備えた対応策の検討等、一段の態勢強化に努めています。

なお、投資にあたっては、中長期的な視点でご契約者の利益となることを重視し、安全性・収益性・流動性に加えて、公共性にも配慮した資産運用を行っています。

一般勘定資産の構成

振り返り

2019年度の利差益は、円高の影響等により外国債券からの利息収入が減少したこと等を主因として、減益となりましたが、10年連続の順ざやを確保しました。

超低金利環境が継続するもとでも、安定的に利差益を確保すべく、引き続き収益力の向上とリスク管理の強化に取り組んでまいります。

利差益の推移

重点取組

当社は、超低金利の厳しい環境下でも、保障責任を全うするため、①長期安定的な運用収益の確保、②リスク対応力の強化、③強固な運用基盤の構築、に努めています。

①「長期安定的な運用収益の確保」に向けては、ESG投融資を含む「成長・新規領域*」への投融資を強化しています。

②「リスク対応力の強化」については、潜在的なリスク懸念事象を洗い出し、対応策を検討・実施するフォワードルッキングなリスク管理に取り組んでいます。

③「強固な運用基盤の構築」に関しては、アセットマネジメント会社をはじめグループ各社が専門性を生かし、グループ一体の運用体制を確立するとともに、スチュワードシップ活動などの機関投資家としての社会的責任を果たすことで、強固な運用基盤の構築に注力しています。

*成長・新規領域への投融資

当社では、市場の成長性や相対的に高い利回りが見込まれ、新たに注力している領域を「成長・新規領域」と定義し、取り組みを強化しています。

具体的には、インフラファンド投資やプロジェクトファイナンス、新興国向け投融資、ベンチャー投資などが該当し、ESG投融資も「成長・新規領域」の一つです。

長期にわたり安定的に運用収益を確保していくため、引き続き「成長・新規領域」への投融資に注力してまいります。

<主な成長・新規領域>
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