中期経営計画
「全・進 -next stage-」
(2017-2020)の概要
2017年度からの4カ年では、「人生100年時代をリードする日本生命グループに成る」をスローガンに掲げ、「超低金利下での収益性向上」を実現しつつ、人口減少等の長期的な経営課題への対応をグループの総力をあげて実行し、長期にわたるNo.1プレゼンスを確固たるものにすることを目指してまいります。
具体的には、「超低金利下での収益性向上」「日本生命グループの社会的役割の拡大」「グループ事業の着実な収益拡大」を成長戦略として掲げ、これらの取組を支える「ERM*」「先端IT活用」「人材育成」の3領域を重要な経営基盤と位置付け、生命保険業界をリードする取組を展開してまいります。
*ERM : エンタープライズ・リスク・マネジメント

数量目標




*1 ニッセイ・ウェルス生命を含む数値です。
*2 ニッセイ・ウェルス生命および、はなさく生命が新たに当社グループの一員となったことをふまえ、今後見直す予定です。
*3 グループ事業純利益は、海外保険事業、アセットマネジメント事業、国内生命保険マーケット深耕に資する事業等を営む子会社等の当期純利益に、一部費用の調整等を実施したうえで、持ち分比率を乗じた利益総額です。
成長戦略
超低金利下での収益性向上
相場環境によらない収益力の獲得に向け、各領域で取組を進めてまいります。
- 商品ポートの改善を通じて、金利(資産運用)環境に左右されない収益力を獲得
- 品質は維持しつつ、業務工程の見直しや先端IT・外部委託の活用により、抜本的にコスト構造を改革
- 超低金利の長期化も睨み、資産デュレーションを長期化する等のリスク対応を実施
- 「順ざや確保」「経済価値ベースのリスク圧縮」を両立
日本生命グループの社会的役割拡大
グループの成長とともに、社会的に果たしていく役割も大きくしてまいります。
- 「増やす」「生きる」ニーズに対応した商品を各チャネルで投入しながら、グループ会社で商品を相互供給
- 個人のお客様や企業の従業員方の健康増進をサポートする付帯・関連サービスを展開
- 「子育て支援」「ヘルスケア」「高齢社会対応」を中心とした、国民的課題に対し社会貢献活動も含め対応することで保険+αの価値を創造
- 「いつでも・どこでも」可能で「簡単な」お客様手続き・サービスを提供
・お客様対応端末をリニューアル
・ホームページやコールセンターの機能を拡充
・ご高齢者をサポートするお手続き・サービスの展開
・社外提携も活用した遠隔地域へのサービス体制の構築
グループ事業の着実な収益拡大
いかなる環境においても長期にわたりお客様に商品・サービスを提供し続けるため、グループ事業の拡大を通じた事業基盤の分散化・安定化、収益機会の拡大に取組んでいます。当社事業との親和性が高い国内保険・海外保険・アセットマネジメント事業を重点取組領域とし、2020年度にグループ事業純利益700億円達成を目指しています。
相互会社としてグループ事業を拡大するうえで、グループ会社から受け取る配当を通じて、グループ経営の成果を当社のお客様に還元していくことも重要です。当社では、「グループ会社に求める資本・配当の基本的な考え方」を定め、グループ会社に対して、グループ会社自身の健全性やそのステークホルダーへの配当とのバランスをふまえた配当還元を要請し、「お客様利益の最大化」を図ってまいります。なお、大樹生命は当社との経営統合以降、商品相互供給や信用力・運用利回りの向上に取組み、2018年度決算においては、健全性の回復等を背景に、個人保険・個人年金保険の契約者配当および株主配当を11年ぶりに実施しました。
- 国内保険事業においては、当社に大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命、はなさく生命を含めた4社で一体的な商品供給体制を構築し、多様化するニーズに迅速に応え、お客様により高い付加価値を提供
- 海外保険事業においては、既存事業の強化に加え、成長し続ける事業基盤を構築するためのフロンティア市場への進出や、収益基盤の分散に向けた欧米保険会社への出資を検討
- アセットマネジメント事業においては、国内・海外の資産形成ニーズを取込むべく、既存事業の強化に加え、出資比率引上げや新たな出資も検討
- グループ事業の拡大に際しては、出資先に対するガバナンスの強化や当社の財務基盤の一層の向上といった、新たに取込む事業リスクへの対応を推進
国内保険事業
超低金利下でもお客様のご要望にお応えしていく商品・サービス開発に加え、生命保険だけではカバーできない国民的課題にも対応していくため、保険の域を超えた「保険+α」の価値をグループトータルで提供してまいります。
商品 ラインアップ |
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幅広い サポート |
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グループ会社 |
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チャネル展開 |
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商品 ラインアップ |
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サービス |
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お客様サービス
お申込みからお支払いまでのアフターサービスの充実や、お客様のライフスタイル等にあわせたコンタクトラインの充実に取組んでまいります。
- ご契約内容のお知らせによるご加入契約の状況の提供
- 保険金・給付金のご請求・ご案内やお受取り手続きのサポート
- コールセンターやインターネットによる各種手続き
- 高齢者向けの専用ダイヤルの設置やご契約情報家族連絡サービスの提供
- 「お客様本位の業務運営に係る方針」および「お客様本位の業務運営に係る取組内容」を作成しています。
- お客様に対する長期にわたる保障責任を全うし続けるため、あらゆる業務がお客様へつながっていくという価値観のもと、すべての業務運営において、お客様本位で行動するよう努めてまいります。
資産運用
低金利が長期化した場合でも、長期安定的な資産運用収益を確保すべく、前3カ年経営計画「全・進」で一定成果を得た「成長・新規領域への投融資」等、運用力強化に向けた取組を加速してまいります。
- 海外プロジェクトファイナンスへの本格取組等、成長・新規領域への投融資2兆円
- 国連責任投資原則への署名に伴う、各種取組等を通じたESG債等への投融資*7,000億円
*グリーンボンド、ソーシャルボンド、再生可能エネルギー関連事業への投融資 等
- 人材育成、組織体制・システム基盤整備をスピード感を上げてグループ一体で実施
海外事業
今後の中長期的な収益機会の拡大を図るため、「既存事業の業績伸長」に軸足を置いて、経営管理・支援、事業シナジー創出に取組みつつ、「新規・追加出資」「経営基盤強化・充実」等に取組みます。
- きめ細やかな経営管理・支援による出資先の収益力最大化や、出資先間の協業取組・ノウハウ共有の推進によるシナジーを創出
- 中長期的な事業規模の拡大に備え、人材育成・安全管理・総務領域等、あらゆる領域で体制を整備・強化
経営基盤
ERM
- グループベースのリスク選好
- 保険子会社・領域ごとに経済価値指標を用いたPDCAを実施
- 販売・資産運用・事業投資の各領域でリスク・リターン効率向上に資する取組を強化
- 安定的なお客様への配当還元を行いつつ、健全性向上に向けた自己資本積立を実施
(中長期目標)
先端IT活用
- RPAや画像認識技術の活用による事務処理の自動化・効率化
- 専管体制確立やシリコンバレーへの人材派遣による知見集約
- オープンイノベーション取組による社外の知見・ソリューション活用
- デジタルマーケティング・査定領域等、ITの加速度的な進化により、活用度合いが変化・拡大する分野について、経営への組込みを加速
・新契約・支払査定領域における人工知能の活用
・ビッグデータ解析を活用した投資判断の高度化 等
(2019年度-2023年度)
- デジタルを活用した販売手法やお客様サービス、商品等が普及し、より高いレベルの「利便性」「即時性」「対価性」がお客様から評価される傾向が強まる中、2019年度から新たに「日本生命デジタル5カ年計画」を始動しました。
人材育成
多様な人材の多彩な活躍を推進することで、将来の事業展開を支え、業界をリードする組織を構築していきます。
- スピードとコミュニケーションを従来以上に意識・実践することによる、個々人の能力伸長と業務効率化の両立
- システムインフラ面での対応も含めた労働環境の整備⇒ワークとライフの好循環を主体的に生み出すワークライフマネジメントの実践
- 計画的な能力開発により、将来の事業展開をリードするプロフェッショナル人材を育成
- 女性管理職占率「2020年度始20%以上・2020年代30%」の実現に向け、領域ごとの特性に応じた育成・きめ細やかなフォローを実施
- 豊富な知見を有したシニア層の活躍促進に資する体系を構築
- 職種横断での初期育成強化により、全層の基礎能力を底上げ
- 生命保険業を営む者として、高い健康増進意識を醸成
- 「共存共栄」「相互扶助」の精神のもと、「ACTION CSR-V~7万人の社会貢献活動~」を継続展開