人的資本
規約型企業年金の運用におけるアセットオーナー・プリンシプルの取組方針
2024年11月15日
日本生命保険相互会社
Ⅰ. アセットオーナー・プリンシプルの受入れ
日本生命保険相互会社(以下「当社」)は、2024年9月19日に、アセットオーナー・プリンシプル(以下、「当プリンシプル」)を受け入れる旨を表明しており、引き続き、ご契約者の最善の利益を追求する中で、アセットオーナーとしての責任を果たしていくことに努めております。
また、当社は、従業員の企業年金として規約型の確定給付型企業年金を実施しており、最終受益者である加入者・受給者等(以下「加入者等」)に対する給付の支払いを将来にわたり確実に行うため、資産運用に取組んでいます。今般、当社規約型企業年金としても、当プリンシプルの趣旨に賛同し、受け入れることを表明するとともに、引き続き、加入者等の最善の利益を追求するなかで、アセットオーナーとしての責任を果たしていくことに努めてまいります。
<アセットオーナー・プリンシプルとは>
当プリンシプルは、2023年12月に公表された「資産運用立国実現プラン」の中で、アセットオーナーシップの改革のための取組の1つとして、策定が掲げられたものです。当プリンシプルでは、公的年金、共済組合、企業年金、保険会社、大学ファンド等のアセットオーナーが、受益者等の最善の利益を勘案して、その資産を運用する責任を果たしていくうえで有用と考えられる共通の諸原則が定められています。
Ⅱ. 各原則への対応
原則1 | アセットオーナーは、受益者等の最善の利益を勘案し、何のために運用を行うのかという運用目的を定め、適切な手続に基づく意思決定の下、経済・金融環境等を踏まえつつ、運用目的に合った運用目標及び運用方針を定めるべきである。また、これらは状況変化に応じて適切に見直すべきである。 |
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当社規約型企業年金は、確定給付企業年金法等に基づき、運用の目的、運用目標、および基本ポートフォリオ等を定めた運用基本方針を策定しています。これに基づき、加入者等に対する給付の支払いを将来にわたり確実に行うため、許容されるリスクの下で、必要とされる総合収益を長期的に確保することを目指し、資産運用に取組んでいます。
この運用基本方針は、社会・経済・金融環境の変化や年金制度の改正等の動きも踏まえつつ、定期的な検証、見直し等を行っています。
また、運用基本方針や運用目標、基本ポートフォリオ等の策定および見直し等にあたっては、人事企画部が主計部・総合企画部と定期的に協議を実施し、運用コンサルティングを委託している株式会社ニッセイ基礎研究所の専門的意見を踏まえ決定する等、適切な手続き基づく意思決定を行っています。なお、各所属の権限は、社内規程において明確化しています。
原則2 | 受益者等の最善の利益を追求する上では、アセットオーナーにおいて専門的知見に基づいて行動することが求められる。そこで、アセットオーナーは、原則1の運用目標・運用方針に照らして必要な人材確保などの体制整備を行い、その体制を適切に機能させるとともに、知見の補充・充実のために必要な場合には、外部知見の活用や外部委託を検討すべきである。 |
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当社規約型企業年金は、加入者等の最善の利益のため、原則1のとおり意思決定プロセスを整えるとともに、適切な人事ローテーションを通じて必要な人材確保に努める等の体制整備を行っています。また、株式会社ニッセイ基礎研究所へ運用コンサルティングを委託し、その専門的知見の活用も行っています。
原則3 | アセットオーナーは、運用目標の実現のため、運用方針に基づき、自己又は第三者ではなく受益者等の利益の観点から運用方法の選択を適切に行うほか、投資先の分散をはじめとするリスク管理を適切に行うべきである。特に、運用を金融機関等に委託する場合は、利益相反を適切に管理しつつ最適な運用委託先を選定するとともに、定期的な見直しを行うべきである。 |
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当社規約型企業年金は、その資産運用において、直接に株式等を保有せずに運用機関に資産運用を委託しています。
運用機関や運用方法の選択、リスク管理、および利益相反の適切な管理にあたっては、原則1のとおり意思決定プロセスを整えるとともに、運用コンサルティングを委託している株式会社ニッセイ基礎研究所の専門的意見を踏まえ、客観的指標に基づく基本ポートフォリオの策定・見直し、運用機関の選定・モニタリング、運用実績の確認等を行っています(当社ホールセール部門・資産運用部門等から分離した意思決定プロセスを整備しています)。
原則4 | アセットオーナーは、ステークホルダーへの説明責任を果たすため、運用状況についての情報提供(「見える化」)を行い、ステークホルダーとの対話に役立てるべきである。 |
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当社規約型企業年金は、運用状況、財政状況、委託先運用機関との対話状況等について、加入者へ年1回の情報開示を実施しています。また、加入者一人ひとりのサステナビリティ意識向上・理解浸透を図るため、年金制度やESG投融資に関する研修やアンケートを実施しています。
引き続き、運用状況等についての情報提供内容の充実に努めてまいります。
原則5 | アセットオーナーは、受益者等のために運用目標の実現を図るに当たり、自ら又は運用委託先の行動を通じてスチュワードシップ活動を実施するなど、投資先企業の持続的成長に資するよう必要な工夫をすべきである。 |
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当社規約型企業年金は、2022年7月11日に日本版スチュワードシップ・コードを受け入れ、各原則に則って適切にスチュワードシップ活動に取組んでいます。