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3分でわかる　新社会人のための経済学コラム

第111回　日本の祝日は世界でも有数の16日（2019年は17日）

2019年4月26日

2019年のゴールデンウィークはなぜ10連休？

　晴れてこの春から新社会人となった皆さん、そろそろ新生活にも慣れてきたでしょうか。社会人となって初のゴールデンウィークを満喫される方もいらっしゃると思います。

　ところで、2019年のゴールデンウィークはなぜ10連休となっているのかご存知でしょうか。これは、「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」によって、天皇の即位の日である2019年5月1日が祝日の扱いとなるためです（※1）。また、4月30日及び5月2日は前日と翌日の両方を国民の祝日に挟まれた平日であることから（※2）、5月6日はいわゆる振替休日で（※3）、休日となるためです（図表1）。

図表1：2019年のゴールデンウィーク（10連休）
（資料）内閣府HP「国民の祝日について」をもとに筆者作成

  • ※15月1日に加えて、「即位礼正殿の儀」が行われる10月22日も祝日の扱いとなります。
  • ※2その前日及び翌日が「国民の祝日」である日（「国民の祝日」でない日に限る。）は、休日とする（「国民の祝日に関する法律」第3条第3項）。
  • ※3「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする（「国民の祝日に関する法律」第3条第2項）。

祝日が例年より1日多いその訳とは

　2019年は、5月1日と10月22日が祝日に追加される一方で、天皇誕生日であった12月23日が平日となるため（※4）、祝日が例年より1日多い17日となります（図表2）。また、2020年は東京オリンピック・パラリンピックの開催年であるため、特例として、体育の日（スポーツの日（※5））が開催期間中の7月24日になります（※6）。

  • ※42020年以降は、2月23日が天皇誕生日となります。
  • ※52020年以降は、「体育の日」の名称が「スポーツの日」に改められます。
  • ※6その他にも、2020年に限って「海の日」は7月23日に、「山の日」は8月10日になります。

図表2：2019年及び2020年の国民の祝日
（資料）内閣府HP「国民の祝日について」をもとに筆者作成

主要先進国の年間休日数

　一般的には、日本は休日が少なく、労働時間が長いというイメージがあるかと思いますが、法定祝日に限れば、日本の16日というのは主要先進国の中でも最多になります（図表3）。一方で、日本は年次有給休暇取得日数が少ないため、年間休日の合計では他国並みとなっています。

図表3：主要先進国の年間休日数
（資料）労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2018」をもとに筆者作成

　祝日によって休日数が増えるのは喜ばしいことですが、祝日はどこへ行っても混み合っていますし、需要が集中するため、交通費や宿泊費が高くなります。また、不定休の業界や業種では祝日の恩恵を享受しづらいといった課題もあり、各々の労働者が休みたい時に休める有給休暇の取得推進が望まれます。
2019年4月から「働き方改革関連法」が順次施行され、全ての企業に対して、労働者に年5日の年次有給休暇を取得させることが義務付けられるようになりました（※7）。今後は、企業側にも制度の整備に加えて、AIやIoTによる業務効率化等によって休みやすい環境の整備がますます求められていくでしょう。

  • ※7年10日以上有給休暇の権利がある労働者が対象となります。

（ニッセイ基礎研究所　経済研究部　神戸 雄堂）


筆者紹介

神戸 雄堂（かんべ ゆうどう）

株式会社ニッセイ基礎研究所、経済研究部 研究員
研究・専門分野：財政

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