申請しないともらえない!出産後の「給付金」「助成金」。
必要な手続きとは?

子育て

2024.07.22

子どもが生まれるともらえるお金にはさまざまなものがあります。ただし、これらは自分で申請しないと受け取ることができません。「知らなかった!」と後悔しないためにしっかりチェックしておきましょう。

※本記事は2024年5月時点の制度内容に基づいて作成しています。制度内容は変更になる場合があります。

出産・育児で国からもらえるお金と申請方法

出産育児一時金

赤ちゃんが生まれたら、子ども1人あたり最大50万円の出産育児一時金が、加入する健康保険から受け取れます。

受取方法 ①直接支払制度、②受取代理制度、③産後申請の3パターン
対象者 健康保険に加入するすべての人
申請期限 健康保険から産院に直接支払われる。自分で申請する場合は出産翌日から2年以内
申請場所 出産する病院の窓口、自分で申請する場合は加入する健康保険の担当窓口
申請書類 健康保険証、医療機関発行の合意文書など

手続きに多少の違いはありますが、①②の方法であれば、健康保険から産院に最大50万円が直接支払われるため、退院時の支払いは差額分だけでOK。50万円に満たない場合、②では差額が自動で振り込まれます。①については、差額がある場合は別途請求が必要です。③の制度を利用する場合は、病院の窓口で一旦費用は立て替えて、健康保険に出産育児一時金の給付を直接請求します。

出産手当金

産休中に給料が出ない働くママは、勤務先の健康保険または共済組合から、給料の約2/3の手当金がもらえます(国民健康保険加入の自営業ママは対象外)。申請から1~2か月後に振り込まれます。対象期間は出産日以前42日から出産日後56日目まで。

対象者 産休中の会社員、公務員
申請期限 2年
申請場所 勤務先の健康保険の窓口など
申請書類 医師や助産師の証明が記入された申請書

育児休業給付金

育児休業を取得した働くパパ&ママは、子どもが1歳になるまで(特定の理由があれば2歳まで)、雇用保険から育児休業給付金が受け取れます。金額は、育休開始から180日までは月給の67%、181日目からは50%、2か月に一度指定口座に振り込まれます。

対象者 雇用保険の加入条件を満たし、育休を取得した父母
申請期限 育休開始日から4か月を経過する日に属する月の末日まで
申請方法 たいていの場合、勤務先が代理で申請(管轄のハローワークへ)
申請書類 記入済み申請書、雇用の事実や賃金などを確認できる書類(会社が用意)

児童手当

0~15歳(中学校卒業まで)の子どもを育てる家庭が受け取れる手当。0~2歳は月1万5000円、3歳~小学生は月1万円(※第3子以降は月1万5000円)。中学生は月1万円。すべて貯めれば約200万円に。

ただし、親の収入が所得制限を超えると、一律5000円や支給停止に。申請月の翌月分から支給されますが、さかのぼってもらうことはできないため、出生届提出と同時に手続きがベスト。

対象者 中学校卒業までの児童を養育している人(所得により金額変動あり)
申請期限 出産日の翌日から15日以内
申請場所 市区町村役場の担当窓口(公務員は勤務先)
申請書類 記入済み認定請求書、本人確認書類など

児童手当の金額が2024年10月から拡充されます

現行の児童手当は、中学生までが対象ですが、高校生まで引き上げられ、月1万円を支給されます。さらに第3子以降の支給額が月1万5000円から3万円に倍増。所得制限もなくなるため、親の所得額にかかわらずすべての子どもを養育する人がもらえるようになります(支給開始日は2024年12月予定※2024年5月現在)。

児童扶養手当

母子家庭や父子家庭など、ひとり親世帯に支給される手当。児童手当と合わせて受け取ることができます。所得により、全部支給、一部支給、支給対象外があり、全部支給の場合は、第1子が4万4140円、第2子が1万420円、第3子以降は6250円。2か月に一度振り込まれます。

対象者 18歳に達する日以後の3月31日までの間にある子どもの父または母、もしくは養育者
申請場所 市区町村役場の担当窓口(福祉課、子育て支援課など)
申請書類 申請者および児童の戸籍謄本、年金証明書、本人確認書類など

赤ちゃんが病気になったら…?乳幼児の医療費助成を活用して

赤ちゃんにかかる医療費の一部あるいは全額を自治体がサポートしてくれる制度。「18歳までの医療費が無料」「高校生以上は1回につき200円を上限とする自己負担あり」など、対象年齢や助成金額は自治体によって異なります。所得制限のある自治体も。あらかじめ、お住まいの自治体の制度をチェックしておきましょう。

なお、助成を受けるには「乳幼児医療証」が必要。出生届を提出する際に、自治体の窓口で確認しておくとスムーズです。

「高額療養費」もチェック!

医療費が多くかかった場合、自己負担額を超えた分が戻ってくる制度。たとえば出産時の帝王切開などで入院・手術になった場合は、公的医療保険制度が適用され、医療という扱いになります(正常分娩は現時点では公的医療保険制度の対象外)。加入する健康保険に請求しましょう。原則として2年以内に申請する必要があるので、お忘れなく。

給付金や助成金の使い道は?

「出産育児一時金」は出産費用、「出産手当金」や「育児休業給付金」は、産休・育休の間のお給料の代わりとなるもの。忘れずに申請しておきたいものですね。

また、今後まとまったお金が必要になるのが教育費用です。例えば、「児童手当」は0~15歳まで全額貯めておけば、トータルで200万円程度になります。これで大学入学費用や1年目の学費にも充てられます。習い事や食費などに回さないよう、別口座を作って貯蓄しておくのも手です。

預貯金以外にも、非課税・長期運用ができるためコツコツ資産を増やすのにおすすめの「新NISA」制度や、教育資金を計画的に準備することができる「学資保険」など、様々な資産形成の方法があります。目的や生活スタイルに合わせて検討してみてください。

※本記事は2024年5月時点の制度内容に基づいて作成しています。制度内容は変更になる場合があります。

監修者プロフィール

風呂内 亜矢さん

1級ファイナンシャル・プランニング技能士。わかりやすいマネートークに定評があり、テレビや雑誌などで活躍中。『誰でもできるNISAの教科書』(ナツメ社)などの書籍のほか、YouTube「FUROUCHI vlog」でもお金に関する情報を発信している。

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