スイミング、英語、ピアノ……子どもの可能性の幅を広げてあげたい!
はじめての習い事、いつから何を始める?

2024.03.07

運動能力をアップさせたい、英語や音楽にふれさせたい……。小さいうちから習い事をさせたいと考える親は多いもの。はじめての習い事、みんなは何をさせているのでしょうか?習い事にかける費用は?ママたちへの実態調査をもとに、子どものお金に詳しいファイナンシャル・プランナーの畠中雅子先生に、昨今の習い事事情について解説してもらいました。

0~2歳の習い事“三大”人気は?

はじめての習い事について、育児誌『Baby-mo(ベビモ)』の読者にアンケート調査をしたところ、0~2歳に人気の習い事は以下のとおりでした。

1位 スイミング

2位 英語

3位 リトミック

※調査の概要:2023年12月に実施。育児誌『Baby-mo』公式インスタグラム(ストーリーズ)でのアンケート、およびBaby-mo編集部による対面調査。

一番人気は「スイミング」。はじめての習い事にベビースイミングを選んだママの声を聞いてみました。

●運動能力向上のために生後7カ月から始めました。家から近く、レッスン後にプレイスペースが利用できるのも魅力。最初は水をいやがってずっと泣いていましたが、だんだん慣れて潜ったり、バタ足したり、できることが少しずつ増えています。泳ぐ力だけでなく、体幹や指先を使う、ゲームで色や言葉を知るなど、成長に必要な刺激を受けられて、家での遊びのヒントにもなっています。通っているうちに、息子も私もお友だちが増えました!(はるとくん1歳2カ月&えりこママ)

●生後7カ月からベビースイミングに通わせています。スイミングを始めてから、一日のリズムが規則的になりました。午前中にレッスンを受け、昼食後2時間はぐっすりお昼寝。私自身も休息がとれて、家事や育児が効率よくできるようになりました。また、年齢の近いお友だちもたくさんできました。小学校、中学校がいっしょになる、同い年のお友だちも数人いて、長くつき合えそうです。(JOくん1歳5カ月&こぶとりママ)

●ばあばのすすめで、生後9カ月からベビースイミングへ。そのおかげか、体の使い方がうまくなり、運動能力が上がったみたい。3歳の今は自転車、スケボー、スノボをやっています!(あきくん3歳6カ月&あすかママ)

小さいうちから「英語」にふれさせたいと考えるママも多数。

●今の時代に必要と思い、2歳から英語教室へ。通信講座と迷いましたが、アウトプットができなければ意味がないと考えて、リアルの教室を選びました。子どもがいやがったらやめようぐらいの気持ちで始めましたが、楽しんで通っています。家でもノリノリで、毎日、英語の歌を歌っています。(つむぎちゃん2歳7カ月&みさとママ)

音楽に合わせて楽しく体を動かす「リトミック」も、昔から人気です。英語とリトミックのいいとこ取りをした「英語リトミック」を選んだママも。

●生後5カ月から、リトミックにゆるく通っています。保育園や幼稚園に通っていないので、少しずつでも集団に慣れる練習になればいいなと思っています。レッスンに手遊びもとり入れていて、手先がとても器用になりました。(ハルカちゃん1歳10カ月&ミカママ)

●親子でいっしょに楽しめて、音楽ばかりでなく英語に慣れる機会にもなる!と思って、生後8カ月から英語リトミックを始めました。年齢の違う子たちとふれ合えて、息子もニコニコ楽しそう。はじめてのおもちゃや楽器に触ることもできて、おもちゃの木琴の棒を持ってじょうずに叩くことができたときは、私のほうがビックリ!(碧くん10カ月&珠美ママ)

“三大”習い事のほかには、歩けるようになるころからの体操教室も人気です。

●とにかく活発な娘には、体操教室がピッタリだと感じました。特に、寒い冬の間は体力を持て余すので、週1回でも発散できる場所がほしくて。大喜びで参加していて、スタートした1歳8カ月ごろにはできなかったことも今ではできるようになり、成長を感じています。(つむぎちゃん2歳7カ月&みさとママ)

●体操教室に1歳11カ月から通い始めました。体を動かすことが大好きな息子なので、教室では誰よりも動き回っています。年齢ごとに分かれたクラスになっているから難易度もちょうどよく、ほかの子たちとのコミュニケーションも楽しそうです。(むぎくん1歳11カ月&のりこママ)

3~5歳に人気の習い事はこの五つ!

3歳ごろになると、習い事を始める子が増えます。3~5歳に人気の習い事は以下のとおり。

1位 スイミング

2位 英語

3位 体操・ダンス

4位 ピアノ

5位 幼児教室

「スイミング」「英語」は、0~2歳に続いて活況です。体の動かし方を学ぶ「体操」やチアダンスなどの「ダンス」も人気です。音感を養う「ピアノ」や、読み書きを学ぶための「幼児教室」もランクインしました。4、5歳になると本人の興味を反映して、ボクシング、サッカー、空手などを始める子も。

こうした習い事の傾向について、畠中先生は次のように語ります。「就学前の習い事には、昔からほとんど変化がありません。変化があるのは小学校1~3年生。2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修化されたことから、プログラミング教室はどこも盛況です」

習い事費の家計負担をセーブするには?

気になるのは月々にかかる費用です。アンケートによると、月謝はスイミング3000~1万1000円、英語4400~3万3000円、リトミック1000~1万2600円。どの習い事も費用に幅があり、低額のものは1回料金の場合も。また、グループレッスンだと安くなる傾向があります。一方、マンツーマンや少人数制だと、高額になりがち。さらに、年齢が上がるにつれ高くなるのが一般的です。

習い事費は家計から捻出している人が大半ですが、費用を抑える工夫は時代とともに多様化しています。

●近くのスイミングクラブをいくつか調べて、コスパのいいクラブを選びました。入会するタイミングで「入会金0円キャンペーン」を実施していて、さらに1 カ月間の体験レッスンが通い放題1000円だったので、かなり得! 現在の月謝は8250円です。(JOくん1歳5カ月&こぶとりママ)

●通っているリトミックは1回1000円。月謝制ではなく「1回につき」なのも気に入っています。たとえば毎月5000円の出費となると、ハードルが高く感じられますが、1回1000円だと気軽に遊びに行けます♪(ハルカちゃん1歳10カ月&ミカママ)

●体操教室には、自治体から支給される子育て応援券を活用し、実質0円で通っています!(むぎくん1歳11カ月&のりこママ)

※2024年1月現在、個人の体験に基づく情報です。

自治体の子育て支援サービスは要チェック!

今、全国の自治体では、子育て支援サービスが広がっています。畠中先生によると、「2022年度から、国をあげて、妊娠時から出産・子育てまでサポートする伴走型相談支援と経済的支援を一体化する『出産・子育て応援交付金』が実施されています。この交付金は自治体が運営するため、自治体ごとに内容が異なりますが、たとえば妊娠届出時に5万円、出生届出時に5万円といった経済的支援とともに、両親学級や産前・産後ケアなどのニーズに応じた相談支援を受けられるといった内容です。経済的支援は現金ではなく、習い事などに使えるクーポン券をもらえる自治体もあります。まずはお住まいの市区町村で、どんな支援があるのか、調べましょう。特に4月と10月の年2回は必ず、自治体のウェブサイトをチェックしてください」

自治体の子育て支援サービス例

■東京都杉並区では、就学前の子どもがいる家庭に、有料の子育て支援サービスに利用できる「杉並子育て応援券」を発行。出生0歳児には一人当たり3万円分の無償応援券が交付され、「リトミック」や「ものづくり」といった親子で楽しめるサービスなどを利用できます。

■千葉県松戸市では、0~18歳の子どもを養育する家庭に、子ども一人当たり1万円の「子どもの成長応援臨時給付金」を支給しています。

■愛知県では、妊娠中の人や18歳未満の子どもの保護者に「はぐみんカード」(名古屋市は「ぴよか」)を配布。協力店舗・施設で提示すると、割引やサービスなどが受けられます。

※2024年1月現在の情報です。最新の情報は各市区町村のウェブサイトをご確認ください。

自治体のサービスだけでなく、民間のサービスも向上していると、畠中先生は語ります。「少子化のため、どの習い事でも人数を確保するために、サービスや条件を競い合っています。たとえばスイミングは昔からあるきょうだい割引だけでなく、入会金0円といったサービスもありますから、なるべくよい条件を選ぶといいですね」

子ども費は手取り収入の10%までが基本

工夫によって習い事費は抑えられそうですが、家計における子ども費はどれぐらいかけてOKなのでしょうか。

「就学前の子ども費は、習い事も含めて手取り収入の10%以内が基本です。以前は10%に収まらない家庭も多かったのですが、2019年度から始まった幼児教育・保育の無償化によって10%に収まる家庭も増えています。とはいえ、習い事を二つも三つもやるよりは、一つに留めておいたほうがいいでしょう」

特にママ友に誘われたときは要注意!と畠中先生。

「低年齢の場合、子どもの習い事は親が選ぶので、同じ習い事に通う家庭は年収や家族構成が似がち。そこで仲よしグループになって、二つ目、三つ目の習い事に誘われる可能性がありますが、すべての誘いに乗っていたら、それなりの出費になり、この時期に貯蓄ができない原因にもなってしまいます。もちろん家計に心配がなく、子どもがやる気なら、二つ目、三つ目もOKですが、想定よりも負担が大きくなるのであれば、あきらめる勇気も必要です。二つ目の習い事をしないなら、そのお金は消費に回さず積み立て、将来の受験費用や塾の夏期・冬期講習費など有意義なことに使いましょう。そのお金で将来何ができるのか、という発想を持つことがとても大切です」

また、子ども費の問題は「上しか見えないこと」と指摘します。

「習い事にお金をかけている人は目に見えるけれど、お金をかけていない人は見えづらい。だから自分がやっていないと、やっている人のことが目について焦るんですね。たとえば住宅であれば、年収500万円の人は3000万~4000万円の家を探して、7000万円の家を買おうとしないのに、子ども費になると……、身の丈をはずれてしまうのです。上を見て焦るのはやめましょう」

何よりも知ってほしいのは「0~2歳は教育費の貯め時」と、畠中先生は言います。

「0~2歳は子育て期において、最もお金のかからない時期。将来の大学資金の貯め時です。出産してから、おむつ代やミルク代、光熱費などの生活コストがじわじわと上がり始めていると思いますが、大学時代にくる大波に備えて、今から確実に貯めていきましょう」

習い事にかかる費用は、教育費の第一歩。これをきっかけに、将来にわたってかかる教育費について考えてみるといいですね。

<監修者プロフィール>
ファイナンシャル・プランナー
畠中雅子(はたなか・まさこ)先生

マネーライターを経て、1992年にファイナンシャル・プランナーに。1女2男の母。「働けない子どものお金を考える会」「子どもにかけるお金を考える会」主宰。実体験に基づくアドバイスに定評があり、新聞や雑誌など多数のメディアでの執筆やセミナー講師など幅広く活躍。

生23-5500,営業企画部
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