赤ちゃんの暑さ対策。
お出かけ先や室内で暑い夏を乗り切る方法【0~2歳月齢別アドバイス】

子育て

2024.07.22

6~8月は一年でも最も暑くなる時季。赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、お出かけ先でも家の中でも注意が必要です。そこで今回は、0~2歳の月齢別に暑い夏を快適に乗り切るコツを小児科医の渡辺とよ子先生に聞きました。

0~3カ月の赤ちゃんの場合

お散歩は生後1カ月を過ぎてから
涼しい時間帯を選んで

低月齢の赤ちゃんは基本的に室内で過ごします。でも、一日中部屋にこもりっぱなしではストレスがたまりますね。生後1カ月を過ぎたら、少しずつ家の周囲のお散歩を。赤ちゃんに直射日光が当たらないように注意しながら、午前中や夕方などの涼しい時間帯に、外の空気にふれましょう。

寝ていることが多い月齢
エアコンの冷風が当たらないように

この時期は室温調節にエアコンが欠かせません。温度は26~28度を目安に、外気温との差が5度ぐらいになるように設定し、赤ちゃんに冷風が直接当たらないように注意を。短肌着+コンビ肌着の組み合わせを基本に、寒そうなら上にかけるもので調節を。とても暑い日は肌着だけで過ごしても大丈夫です。

4~6カ月の赤ちゃんの場合

遠方への外出は控えて
外出時は水分補給を忘れずに

遠方への外出はまだ控えましょう。家の周囲のお散歩や、近所の買い物の際にはベビーカーを使うことも多いですが、アスファルトの照り返しで大人の体感より暑くなっています。ほろを下ろし、できるだけ日陰を歩きましょう。抱っこひもやスリングに熱がこもることも。外出時には必ず水分を持参して。

おなかがめくれない
衣服で冷え防止を

赤ちゃんはとても汗っかき。手足がよく動くようにもなり、首のまわりや手首、足首など、くびれたところにあせもができやすくなります。エアコンなしの室内で過ごすなら、おなかがめくれないコンビ肌着など1枚で十分。汗をよく吸う綿素材のものをたくさん用意し、こまめに着替えさせましょう。

7~9カ月の赤ちゃんの場合

旅行や帰省先での
思わぬ事故に注意して

赤ちゃんが慣れていない環境だと、思わぬ事故が起きることも。とくにこの月齢では転倒や誤飲などの事故に十分注意してください。まだ遠方へのお出かけは控えたい時期ですが、お盆に帰省を予定しているなら、電車や飛行機の席を早めに押さえ、余裕のあるスケジュールで動きましょう。健康保険証と母子健康手帳などを必ず荷物に入れておいて。

おすわりが安定したら
水浴びを楽しんでも

ぐらつかずにおすわりできるなら、直射日光が当たらない場所でビニールプールを楽しんでも。水深は10cmぐらい。おふろよりぬるめのお湯をぱちゃぱちゃかけたり、じょうろで流したりし、15分程度で切り上げます。遊んでいる間は、絶対に目を離さないこと。10cmの深さでも、おぼれることがあります

10カ月~1歳の赤ちゃんの場合

少し遠出も楽しめる時期
近い距離から慣らしていくこと

そろそろ、少し遠出も楽しめる時期。いきなり遠方に出かけるのではなく、近い距離から徐々に慣らしていきましょう。子連れの外出は、準備が大切です。渋滞に巻き込まれてもあわてないように補給用の水分を多めに持つ、電車内で泣かれたとき用におやつやおもちゃを用意するなど、しっかり対策を。

食中毒が多い季節
作りおき離乳食には注意!

手づかみ食べが始まり、食べられる食材もさらに増えてくる頃。夏の野菜や果物は、離乳食に使いやすいものが多いですね。トマトやきゅうり、すいか、メロンなど、旬を味わわせてあげてください。食中毒の起きやすい季節なので、調理の際は清潔に気を配り、作りおきしたものを食べさせないこと。初めて食べるものは、一度加熱して少量から与えたほうが安心です。

1歳~1歳6カ月の赤ちゃんの場合

体つきがしっかりしても機能は未熟
脱水症や熱中症に気をつけて

1歳を過ぎると、体はずいぶんしっかりしてきます。ただし、内臓の機能はまだまだ未熟。外出の際に大人の都合で無理をさせ、脱水症や熱中症を起こさせないようにしてください。毎年、車に置き去りにされた赤ちゃんの死亡事故が報道されますが、原因は脱水症です。たとえ1分でも、赤ちゃんを車に残して離れないで

ひとりで歩きたがることも
事故や誤飲には注意して

1歳半頃にはひとり歩きが始まります。あんよが楽しくて、大人の手を振り切って歩きたがることも。道路への飛び出し事故、高いところによじ登っての転落事故などに十分注意しましょう。防虫剤、蚊取り線香、日焼け止め、制汗スプレーなど、夏ならではの雑貨は、誤飲しないよう管理をしっかりと。

1歳7カ月~2歳の赤ちゃんの場合

遠方へのお出かけは、予定外の
アクシデントに備えておいて

赤ちゃんを連れて、車や新幹線、飛行機などでの遠出の機会が増えてくる頃です。大人は無理がききますが、赤ちゃんはそうはいきません。突然の発熱や下痢など、予定外のアクシデントも起こります。おむつ替えやお昼寝、水分補給など、いつものリズムを崩さないよう、きちんと計画を立てましょう

外出する機会が増えるぶん
「夏かぜ」にも注意を

夏は発熱や口内炎を伴う「夏かぜ」といわれる感染症がはやる時期。体の抵抗力が落ちないように、規則正しい生活を心がけましょう。口内炎ができると食べるのをいやがり、脱水症を起こしやすくなります。無理に食べさせなくてもいいので、水分だけはしっかりとらせるようにしましょう。

まとめ

夏は体力を消耗しやすい季節。早寝早起きやお昼寝など、いつも以上に規則正しい生活リズムを心がけてくださいね。また、赤ちゃんは汗をかきやすいため、気づかぬうちに脱水症を起こすことも。こまめな水分補給を心がけましょう。

監修者プロフィール

わたなべ医院東松戸 新生児科

渡辺とよ子先生

都立墨東病院周産期センター新生児科(NICU周産期新生児専門医指導医)部長、内科系副院長を歴任。わたなべ医院院長を経て、2021年より現職。豊富な経験に基づいた、あたたかで的確なアドバイスが好評。『はじめてママ&パパの 0~6才 男の子の育て方』『ココだけおさえればOK!育児』(ともに主婦の友社)など、監修に携わった育児書多数。

この記事をシェアする

  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram

Copyright © 日本生命保険相互会社