2024トップメッセージ

今日と未来を、つなぐ。~誰もが、ずっと、暮らせる社会を目指して~

サステナビリティ経営 人・地域社会・地球環境に貢献し、持続的な成長につなげる

日本生命は、創業来135年間、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティの両立に取り組んできました。それはすなわち、企業活動を行ううえで土台となる社会を大切にし、その社会課題の解決を通じて、地域や日本全体の持続的な成長に貢献することであり、ひいては日本生命グループの成長・発展につながっていくということです。目指すは、より高度なサステナビリティ経営。そう強く認識しています。
そういった中で、昨年度、サステナビリティ経営の高度化の一環として、サステナビリティ重要課題を見直しました。以前はSDGsの採択等を踏まえ、幅広く18項目を設定していたことで、逆にサステナビリティ経営の焦点がぼやけていると感じていたことも一因です。見直す際に意識したのは、担い手となる役員・職員が理解・共感できることを第一に考えることで、貢献すべき領域を、個人としての「人」、その人々で構成される「地域社会」、地域社会が集まった「地球環境」の3つにまとめました。つまり、人からコミュニティ、グローバルへと視野を広げていくイメージです。
今後、日本生命グループは、生命保険等の商品・サービス提供者としての立場と機関投資家としての立場の両面から「人・地域社会・地球環境」への貢献を積み重ねていきます。そして、そのことを通じて『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』の実現を目指します。また、目指す社会を掲げただけで終わらないよう、今般サステナビリティ重要課題に紐づくアウトカム目標を定めました。アウトカム目標として定量目標を設定し、各部門のKPIや取り組みを緊密にリンクさせることで、進捗を検証するとともに、さまざまなステークホルダーからお声を頂きながら、着実に前に進めていきたいと思います。

人と地域社会への貢献

人と地域社会における重要テーマの一つは「健康寿命」です。より健康な状態での長生きを可能にするには、例えば軽症の段階で早期に適切な治療を受けられるような仕組みづくりが大切だと考えています。リスクへの備えと軽減を企図した商品・サービスの開発・提供を進めていくとともに、全国約1,500の営業拠点、約5万名の営業職員が、生命保険の提供に加えて、がん検診・成人病検診等の呼びかけなどを行い、それぞれの地域に暮らすお客様に安心をお届けしています。これらの取り組みに、企業への健康経営支援、当社従業員の健康増進を加えた4テーマを軸として、健康寿命延伸への貢献を推進していきます。
2023年度、新たなヘルスケアサービスも立ち上げました。糖尿病予防プログラムを皮切りに糖尿病以外のメニューも拡充し、ヘルスケア事業の推進により健康寿命の延伸に貢献していく計画です。
今後の課題として、地域社会への貢献メニューをさらに拡充していく必要を感じています。その取り組みを進める際は、各自治体との連携はもとより、地場の企業やNPOなど民間の仲間づくりを進めることで、地域社会に密着した課題解決の道を探っていきたいと思います。

地球環境への貢献

当社では、地球環境は人が安心して暮らすための、かけがえのない大切な生活基盤と捉え、事業者としての立場だけでなく、機関投資家としての立場からも地球環境の保全に努めています。また、当社では、脱炭素社会の実現に向けて自社のポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測するとともに、その削減に取り組んでいます。
投資家の中には温室効果ガスを多く排出する企業の株式を持たなければ、あるいは売ってしまえば、自らのポートフォリオに問題はなくなると考える人もいるかもしれません。ですが、株式を売れば他の誰かが買うわけで、全体としては変わりません。自社のポートフォリオだけキレイにすれば良い、いわば、自分の庭先だけをキレイにすれば良いといった戦略は、地球環境にとって正しいことではないと私は思います。
当社には、内部留保をはじめとした資本の蓄積があり、リスク耐性の強いポートフォリオを背景に、幅広い業種、多様な企業の株式等を長期間保有することが可能です。従って、温室効果ガスを多く排出する企業に対しても短期的な視点に陥らず、粘り強くエンゲージメントを行っていくことで、企業の取り組みを後押しすることができます。すなわち「長期的な視点で持ち続ける、そして働きかけていく」。これこそが保険業界としての使命であり、機関投資家としてあるべき役割であると考えています。

長期的に目指す企業像と目指す社会について

この度、新中期経営計画とあわせて、日本生命グループが長期的に目指す企業像として、「生命保険を中心にアセットマネジメント・ヘルスケア・介護・保育等の様々な安心を提供する“安心の多面体”」を新たに掲げました。その際、強く意識したのは、日本生命グループとしての「社会に提供する価値の拡大」と「当社グループの成長」です。新中期経営計画は「安心の多面体」を実現するための第一歩であり、重要な取り組みと位置付けています。
長期的に目指す企業像が、生命保険を中心とした、幅広い暮らしの安心を提供する「安心の多面体」であること。そして、グループ一丸となった取り組みを通じて『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』の実現に貢献していくこと。この考え方を従業員一人ひとりが真に理解し、自分の仕事がどう関わり、どう貢献していくのかを考え、主体的に行動していくことで取り組みを進めていきたいと考えています。
社長就任以来、私は「人は力、人が全て」と言い続けてきましたが、それは、チームで仕事を進めることの価値を極大化するためです。この言葉自体はかなり浸透してきましたが、その本質を日々の仕事の中で具体化していくことは道半ばだと感じています。「人は力、人が全て」のさらなる浸透を図り、チーム力、組織力、企業力の向上を図っていきたいと思います。

安心の生活基盤づくりから、活力あふれる社会づくりまで

お客様一人ひとりの人生が、そして日本の社会全体が、これからもっと良くなっていくためには、現状を維持するための努力だけでなく、笑顔あふれる未来を拓くための挑戦を続けなくてはならないと思います。そして、その挑戦を支えるためにも、まず、何より安心できる生活基盤を整えること。これが、日本社会の将来に向けた一人ひとりの挑戦につながる確かな礎になると思います。
日本生命グループは、これからもお客様の安心の生活基盤を支えるとともに、活力ある地域社会の発展、美しい地球環境の保全につながる貢献を続けていきます。そして、安心の生活基盤を提供することの先に、よりアグレッシブに挑戦できる未来づくりに貢献していきます。

2024年12月 代表取締役社長 社長執行役員 清水 博

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