総代会・総代懇談会
第76回定時総代会議事録
2023年7月4日(火曜日)、午前10時30分から、大阪市北区中之島五丁目3番68号、リーガロイヤルホテルにおいて、第76回定時総代会を開催した。
総代数 | 200名 |
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出席総代数 | 200名(うち、委任状による出席36名) |
なお、委任状による出席総代のうち、27名については、自宅または勤務先等にて、Web会議ツールを通じ参加していた。
- ※開会後、報告事項中に総代1名が退出したため、議案の決議における出席総代数は199名に変更。
- 出席者
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- 取締役(監査等委員である者を除く。)【17名中、出席17名(全員)】
- 筒井義信、清水博(議長 兼 議事録作成者)、三笠裕司、藤本宣人、朝日智司、赤堀直樹、佐藤和夫、岸淵和也、大澤晶子、木村稔、鬼頭誠司、松永陽介、牛島信、今井和男、三浦惺、冨田哲郎、濱田純一
- 監査等委員である取締役【5名中、出席5名(全員)】
- 小林一生、今井敬、豊泉貫太郎、但木敬一、佐藤良二
定刻、社長清水博は、定款第18条の規定により議長となり、定時総代会の開会を宣言した。
まず、議長から、定時総代会の位置付けとともに、総代の定数およびその定数を適正とする理由、総代の選出方法、社員全体および総代の構成について説明し、定時総代会が適正に運営されている旨言及のうえ、本日の出席総代数を報告し、この出席総代数は本日の全議案の決議に必要な定足数を満たしている旨を告げた。
続いて、議長から、監査等委員会に監査報告を求めたところ、常勤監査等委員小林一生から、監査等委員会の監査報告書に記載のとおり、事業報告およびその附属明細書、取締役の職務の執行ならびに内部統制システムのいずれについても指摘すべき事項はない旨、計算書類およびその附属明細書ならびに連結計算書類については、会計監査人の監査報告書に記載のとおり適正に表示している旨の報告を受けており、会計監査人の監査の方法および結果は相当であると認められる旨、また当定時総代会に提出されている議案および書類は法令および定款に適合しており、指摘すべき事項はない旨、監査等委員を除く取締役の選任にかかる議案および報酬等に関しても妥当である旨の発言があり、その後議事に入った。
A.報告事項
- 1.2022年度事業報告、貸借対照表、損益計算書、基金等変動計算書、連結貸借対照表、連結損益計算書および連結基金等変動計算書報告の件
議長から、2022年度事業報告、貸借対照表、損益計算書、基金等変動計算書、連結貸借対照表、連結損益計算書および連結基金等変動計算書について、その内容を報告した。あわせて、連結計算書類に係る監査結果について、前記の監査等委員会からの監査報告のとおりである旨を報告した。
なお、当社の管理職であった元営業部長が、金銭を不正に詐取していた事案や法令違反を伴う不正契約を多件数取り扱っていた事案について、総代をはじめとするご契約者等にお詫びを行った。今後も、管理職層に対するコンプライアンス教育の強化と徹底や、不祥事案の未然防止に向けた取組等の再発防止策とともに、コンプライアンス態勢の一層の強化に努める旨の説明を行った。 - 2.評議員会に対する諮問事項およびニッセイ懇話会開催結果報告の件
議長から、2022年度に開催した各評議員会に対する諮問事項および2022年度のニッセイ懇話会開催結果を報告した。
続いて、総代からの書面等による事前質問に対し、全ての質問・要望に対する回答を資料として配付しており、以下の質問・要望については、テーマごとにまとめて回答する旨説明のうえ、議長および担当役員から回答を行った。
- 2022年度を「販売改革元年」と位置付け、営業職員のコンサルティング力の向上に注力したとのことだが、営業職員のリスキリングの視点からの取組について教えてほしい。
- 2022年度に導入した「ニッセイまごころマイスター認定制度」に期待している。意欲がある営業職員に対し、お客様の声はどのように反映されたのか、状況を教えてほしい。
- 生命保険協会の「営業職員チャネルのコンプライアンス・リスク管理態勢の更なる高度化にかかる着眼点」を踏まえた日本生命の取組状況は堅実であり、「ニッセイまごころマイスター認定制度」における新契約以外の指標の評価項目への追加は大きな変化であると考える。一方で、未だに営業職員による不祥事案も起きており、職員が2~3年で入れ替わり、成績が優秀な職員に依存しがちであることが不祥事案の背景という考え方もある。そのため、継続的な取組が必要だと思うが、営業職員の定着に向けた対応について教えてほしい。
- 世界的なインフレやロシア・ウクライナ情勢の長期化、欧米の金融機関の業績悪化等、先が見通しづらい金融・経済環境にあるが、日本生命の資産運用に与える影響と運用方針について変更があるのか、教えてほしい。
- 米国の政策金利であるフェデラル・ファンド金利の年間5%以上の上昇により、多額の有価証券売却損を計上しているが、資産と負債を総合的に把握・管理するALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)上の教訓と2023年度の対策について教えてほしい。また、2022年度末の有価証券評価損益の状況についても教えてほしい。
- プライム市場ではPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る企業に対して、収益力強化を求める動きがあるが、相互会社である日本生命はどのように考えているのか。
- 日本生命はPBR1倍割れの投資先企業に対してどのような対応を取っていくのか。また、日本生命自体も上場企業に準ずるパブリックカンパニーであると思うが、PBR1倍割れ問題への対応方針はどうか。
- 政府から示された「女性版骨太の方針2023」で、2030年までに女性役員の比率を30%以上とする目標が掲げられたが、日本生命は女性役員(社外取締役を含む)について、将来のビジョンをどのように考えているのか教えてほしい。
- 政府が2030年までに女性役員の比率30%以上を目指す中、欧州諸国は40%超、OECD(経済協力開発機構)平均は29.6%、日本は15.5%である。一方、日本生命は1割にも満たず、新任の女性取締役候補もいない等、女性を登用する意思が感じられず残念だ。従業員の9割を女性が占める、業界のリーダーにもかかわらず女性管理職層の育成・強化等の歩みが遅いと感じざるを得ない。女性のライフイベントを見据えた前倒しのキャリア形成支援をお願いしたい。
- 監査等委員会設置会社に移行して1年を迎えるが、以下の点について教えてほしい。
- ①迅速・果断な業務執行という当初の狙いは実現できているのか
- ②監督機能の重要な役割を担う指名・報酬諮問委員会において、最終的な報酬額の決定に際し、業績をどのように評価したのか
- ③当移行により達成を目指した機能のさらなる高度化に向けて、どのような課題を認識しているか
- ChatGPTが話題となっているが、ライフ・ワーク・バランスを重視する傾向や今後の労働人口減少を見据えれば、人工知能(AI)等の活用は企業にとって必須課題であると思う。現在の日本生命での人工知能の活用状況と、今後活用していくうえでのリスクと将来的な活用計画等について教えてほしい。
- ChatGPTの活用について、現状および今後の予定を教えてほしい。
- 現在、日本にとって最大の課題である少子化については政府も対策に動き出しているが、産業界等も含め幅広い取組が必要だと思う。命の大切さを仕事とする日本生命でも、こども保険や出産サポート給付金等さまざまな取組をしていると思うが、「結婚する」「生まれる」「育てる」の各場面に寄り添う商品や活動等により一層取り組んでほしい。
- 2022年度の合計特殊出生率・出生数の発表があったが、現在、日本の人口問題において重要局面にあると思う。日本生命における出産・子育て支援に関する以下の点について教えてほしい。
- ①どのような考えのもと、取組を行い、効果検証を行っているのか
- ②上記取組の利用状況と利用者からの要望により、改善が進められている事例はあるのか
- ③合計特殊出生率が地域によって大きく異なる中、地域の実態に応じた取組の拡充を、支社の裁量で一定程度柔軟にできる組織・制度となっているか
- 多くの自治体と連携協定を締結しているが、その目的と事業上のメリットについて教えてほしい。
- 地元で開催された卓球の試合を観戦したが、ニッセイ懇話会でも日本生命と地域の協力についてご契約者からご意見があり、地域活性化への強い期待を感じた。告知方法の工夫や試合に合わせたイベントの企画等により、さらなる地域活性化につなげてほしい。
以上の他、以下の質問・要望については、配付資料にて回答を行った。
- 保険加入者向けの講演会やセミナーはあるが、未加入の方や若年層向けのイベントがあると、保険加入のきっかけや日本生命のファンづくりにつながるのではないか。
- 総代会の関係資料は、例年、紙媒体で送付されるが、CO2排出量の削減や環境保全を考慮し、希望に応じてメールでの送付やインターネットでの閲覧も可能とする等、ペーパーレス化を検討してほしい。
- 基礎利益の減少要因として、新型コロナウイルス感染症に係る給付金の支払増加が挙げられているが、2022年度および2022年度までの累計支払額と、支払漏れを防ぐための取組について教えてほしい。
- 発症から相当期間を経過した場合や後遺症を認めない旨の診断書等がある場合でも、過去の病歴等を原因として新たな保険に加入できない場合があると思うが、加入可否の基準について定期的な見直しや検討の機会はあるのか。
- 外貨建保険販売資格の試験ならびに登録制度の日本生命における運用状況と効果について教えてほしい。
- 健康で長生きすることへのニーズも高まっており、長く保険に加入している契約者向けに人間ドック等のサービスがあれば有難い。
- 加入している保険の内容・金額等の把握のためにいただく法人の契約一覧について、月々の払込や年間・累計の保険料、解約時の受取金額は確認できるが、解約時の益金は確認できない。決算時には計上される益金の把握が重要なため、記載してほしい。
- 犯罪被害者の立場が弱い中、来日した外国人観光客が日本国内で犯罪に巻き込まれた時に特化した保険を開発してほしい。
B.決議事項
第1号議案 2022年度剰余金処分案承認の件
第2号議案 2022年度決算に基づく社員配当金割当の件
議長から、2022年度剰余金処分案、2022年度決算に基づく社員配当金割当について一括して説明を行った後、第1号議案、第2号議案一括で承認を求めたところ、満場異議なく、両議案は原案どおり承認決定された。
第3号議案 評議員選任の件
議長から、現任評議員が当定時総代会終結の時をもって任期満了となるので、定款第25条の規定に基づき、次期評議員21名の選任、すなわち飯島彰己、伊東信一郎、内山田竹志、大竹文雄、大坪文雄、小川英治、尾崎裕、ゲアハルト・ヴィースホイ、桜井恵理子、白波瀬佐和子、洲崎博史、手代木功、藤原健嗣、村木厚子、村田啓子の15氏の再選任、沖原隆宗、神作裕之、北山禎介、此本臣吾、武田洋子、柳川範之の6氏の選任について、各候補者の選考基準は、当社経営課題に関連する分野について専門知識を有していること、または、経営実務等に携わり当社経営上の重要事項について意見が期待できることとしている旨の説明を行ったうえで諮ったところ、満場異議なく、本議案は原案どおり承認決定された。
第4号議案 総代候補者選考委員選任の件
議長から、現任総代候補者選考委員が当定時総代会終結の時をもって任期満了となるので、定款第24条の規定に基づき、次期総代候補者選考委員11名の選任、すなわち大石美奈子、大塚紀男、黒田清行、桑野和泉、古賀信行、後藤元、竹濵修、安井香一の8氏の再選任、小山かほる、恩藏三穂、森内彩子の3氏の選任について、各候補者の選考基準は、生命保険事業および相互会社運営について深い関心と理解を持ち、選考委員として相応しい見識を有していること、公正・公平な観点から総代候補者を選考し、社員投票の管理を行うことができることとしている旨の説明を行ったうえで諮ったところ、満場異議なく、本議案は原案どおり承認決定された。
第5号議案 取締役(監査等委員である者を除く。)16名選任の件
議長から、現在の取締役(監査等委員である者を除く。)17名全員は当定時総代会終結の時をもって任期満了となるので、これに対し取締役(監査等委員である者を除く。)16名の選任、すなわち筒井義信、清水博、三笠裕司、藤本宣人、朝日智司、赤堀直樹、佐藤和夫、岸淵和也、大澤晶子、木村稔、牛島信、三浦惺、冨田哲郎、濱田純一の14氏の再選任、大野英樹、中村吉隆の2氏の選任について、各候補者の選出に際しては、その適格性に関し、法令等で要請される事項について確認している旨、および本議案が監査等委員会から妥当である旨の意見をいただいている旨の説明を行ったうえで諮ったところ、満場異議なく、本議案は原案どおり承認決定され、全員就任を承諾した。
第6号議案 監査等委員である取締役1名選任の件
議長から、監査等委員である取締役小林一生氏は当定時総代会終結の時をもって任期途中で退任するので、これに対し監査等委員である取締役1名の選任、すなわち松永陽介氏の選任について、候補者の選出に際しては、その適格性に関し、法令等で要請される事項について確認している旨、および本議案が監査等委員会の同意を得ている旨の説明を行ったうえで諮ったところ、満場異議なく、本議案は原案どおり承認決定され、同氏は就任を承諾した。
以上、議案の審議終了後、議長から当会社の経営についての質問・要望等を求めたところ、総代中から以下のとおり質問・要望があり、議長および担当役員から回答を行った。
- 日本生命では「人は力、人が全て」と掲げ、人材育成に注力しているが、今までの価値観と異なる価値観を持つZ世代も入社する中、当該新しい世代と経営層がお互いに意見を交換するような場はあるのか。
- 女性役員について社内からの登用を進めようとしている点は評価できるが、現状、取締役の多くが男性であり、アンコンシャス・バイアスによって女性管理職等の育成が上手くいかない面もあるのではないか。また、健康経営®(※)に力を入れる企業が多い中、日本生命でもさまざまなサービスを提供していると思うが、大企業向けが多いと感じており、中小企業向けの健康経営関連のサービスはあるか。
(※)『健康経営®』は特定非営利活動法人 健康経営研究会の登録商標。 - 海外保険事業について、インドネシア・中国・インド等のアジアを中心に展開しており、今後は、先進国市場への積極展開を検討しているとのことだが、具体的にどのエリアを検討しているのか。また、日本国内のマーケットが将来的に縮小していく中、海外事業全体の今後のビジョンについて教えてほしい。
- 日本生命は営業職員による対面での活動を大切にしているが、若い世代の中には、自身の家族構成や資産状況等の情報を他人に対面で伝えることに抵抗がある方もいると思う。例えば、AIを活用し自身で情報を入力することで、想定されるリスクに対する保険商品を提案するサービス等が開発されるとよいと思う。
- ESG投融資について、日本生命ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言へ賛同し、CO2の具体的な削減目標を設定しているとのことだが、特にスコープ3のサプライチェーンについては、排出量が最も多く、多くの投資先企業とともに取り組む必要があるため、ハードルが高い領域だと思う。複数年にわたる対話を通じて行動変容を促すと説明があったが、具体的にどのように対応しているのか。
- サステナビリティ経営について、2022年にプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が施行され、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に加えてリニューアブル(再生可能資源への代替)の考えが法律に導入された。日本生命でもクリアファイル等にバイオプラスチックを活用することも検討してはどうか。
- 日本生命は、2025年の大阪・関西万博において、子どもから大人まで楽しみながらヘルスケアを体験できるプログラムを検討しているとのことだが、多くの子ども達に来場してもらえるよう、楽しみながら学べるプログラムを作ってほしい。
また、11月30日に500日前を迎える中、未だ全国的には認知度が低いため、チケットの活用も含めて、日本生命のネットワークをいかして機運の醸成に力強く取り組んでほしい。
以上の後、午後0時13分議長は閉会を宣言した。
以上の経過および結果を明確にするため、この議事録を作成する。
2023年7月4日 日本生命保険相互会社
代表取締役社長 | 清水 博 |
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