ニッセイ懇話会
開催結果の概要をお知らせします
主なご意見・ご要望と当社の対応
<営業ネットワーク>
(1) 担当者とのSNSや「画面共有システム」を通じたやりとりは便利だ。引き続きフェイス・トゥ・フェイスの活動を大事にしつつ、オンラインも組み合わせて多様なニーズに応えられるように取り組んでほしい。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うテレワークの浸透等、お客様のライフスタイルやマーケット環境の変化を受け、当社は、対面にオンラインを組み合わせた「デジタル時代のフェイス・トゥ・フェイス活動」に取り組んでおります。
具体的には、デジタル装備の充実として、以下の取組を進めております。
- -2021年1月に「画面共有システム」を全店舗に配備し、営業職員用携帯端末「TASKALL」の画面とお客様のパソコンの画面を共有することで、対面でのやり取りを望まれないお客様や遠方のお客様に対しても、オンラインで同じ画面を見ながら保険のご加入や保全のお手続き等を行っております。
- -2021年8月に営業職員用スマートフォン「N-Phone」を全営業職員に配備し、メールに加え、LINE WORKSやZoomの機能を導入することで、お客様のニーズに応じた方法で、オンラインでのやり取りを行っております。
- -お客様に保険への興味・関心を持っていただくための商品説明動画や、保険料をお客様ご自身のスマートフォンでシミュレーションできるツール等、メールやSNS等で送付できるコンテンツを拡充することで、オンラインでの情報提供の充実に努めております。
こうしたオンラインの取組を進める一方で、ご加入している契約や必要な保障についての詳細な説明等については、従来どおり営業職員と対面で相談や確認をしたいというご意向を持つお客様もいらっしゃると認識しております。
引き続き、お客様の多様なニーズにお応えすべく、対面とオンラインを組み合わせ、一人ひとりのご意向に沿ったサービスを提供できるよう取り組んでまいります。
(2) 引き続き営業職員のコンサルティング力を強化し、的確な提案や情報提供をしてほしい。
当社では、お客様の価値観、ライフサイクルや家族構成、保険加入状況等に応じ、お客様一人ひとりに的確な提案や保障等の情報提供を行えるよう、営業職員のコンサルティング力の強化に向け、以下の取組を進めております。
- -コンサルティングのベースとなる知識・スキルの習得に向け、教材や研修の充実を図り、実際のお客様対応の場面をイメージしたロールプレイングに注力する等、より実践的な教育を展開しております。また、FP資格取得も推進しており、営業職員の資格保有者(※)は2022年4月時点で31,498名(営業職員の約6割)と、着実な成果が得られております。
- -営業職員一人ひとりの成長度合いに応じた、丁寧で柔軟な育成を推進しております。必要な知識・スキルや営業活動の水準を3つの段階に明確化し、検定等で育成段階を見える化するとともに、従来一律2年間であった育成期間を、成長度合いに応じて、最長5年間へと柔軟化しております。
- -AI等のデジタル技術を活用して営業職員のコンサルティング力を強化すべく、「TASKALL」に加え、2021年8月に「N-Phone」を全営業職員に配備しております。また、この「N-Phone」で視聴できる教育コンテンツを提供することで、営業職員が自学自習できる環境を整備し、教育機会の拡充や教育内容・水準の均質化を進めております。さらに、対面にオンラインも組み合わせた新たな活動の定着を進めるべく、オンラインの活動の状況やお客様の反応を把握できるマネジメントシステムを、2021年9月より導入し、つぶさな指導やフォローにつなげております。
- -お客様本位の営業活動に対する営業職員一人ひとりの意識をより高めるべく、従来の営業職員評価の仕組みに加え、お客様本位の活動状況を測る「ニッセイまごころマイスター認定制度」を2022年度より新設しております。当制度は、担当するお客様数やご契約の継続状況等の活動実績に加えて、資格・専門知識の習得状況やお客様からの声等を定性評価として組み込み、ランク認定のうえ、給与を支給するものです。
今後も引き続き、多様なお客様のニーズにお応えできるよう、コンサルティング力の強化に取り組んでまいります。
- (※)FP技能士3級以上、CFP®、AFPのいずれかの資格保有者の合計となります。
(複数の資格保有者については重複カウントなし)
(3) 企業の若手従業員向けや資産形成に役立つセミナーを、オンラインも活用して、より一層実施してほしい。
当社では、これまで、企業の若手従業員向けのセミナーや資産形成セミナー等、幅広いラインアップでお客様にとってお役に立つ情報提供に取り組んでまいりました。
【代表的なセミナー】
- ①新入社員セミナー:
ビジネスマナー、税金や社会保障制度、ライフプランニングの基礎知識をご説明 - ②ライフプランセミナー:
人生における資金計画の重要性、リスクに対する備えの必要性をご説明 - ③相続対策セミナー:
遺産分割や納税資金準備、生前贈与等、生命保険を活用した対策をご説明 - ④年金セミナー:
関心の高まる年金制度に関する基礎知識をご説明 - ⑤Dr.中川が解説!大人のためのがん教育:
がんに関する基礎知識や実体験、最新情報をご説明 - ⑥生活習慣病リスクセミナー:
生活習慣病となったときの経済的リスクに対する備えの必要性をご説明 - ⑦個人賠償リスクセミナー:
通勤時の個人賠償リスクに対する備えの必要性をご説明
一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、オンラインでの開催が中心となりつつあり、セミナーのオンライン化に加え、オンラインの利点をいかしたエンターテインメント性が高く、幅広い層にニーズのあるイベントの企画・提供にも積極的に取り組んでおります。
【代表的なオンラインイベント】
- ①若手層に人気のあるアーティスト(Novelbright・yama・Rin音)によるライブ
(2021年5月開催、13.2万名のお客様が申込み) - ②「NewsPics」(※)とコラボしたセミナー
(2021年7月開催、2.0万名のお客様が申込み) - ③歌舞伎役者の市川海老蔵による古典歌舞伎公演
(2021年10月開催、21.9万名のお客様が申込み) - ④歌手のMISIAによるライブ
(2022年2月開催、27.4万名のお客様が申込み)
引き続き、お客様のニーズを捉えた多様なセミナーやイベントをオンラインも活用しながら実施してまいります。
- (※)オリジナル記事等、国内外のニュースを配信するソーシャル経済メディアです。
<商品・サービス>
(4) 新型コロナウイルス感染症も入院給付金等の支払対象とのことだが、自宅療養や濃厚接触者等となった際も支払われるのか。
新型コロナウイルス感染症に罹患し、医療機関の事情等により、自宅またはその他病院等と同等とみなされる施設で治療を受けられる場合も、入院給付金等の支払対象となります(※1・2)。
また、濃厚接触者と指定された方が有症状となり、PCR検査等を経ずに臨床症状を踏まえて医師より罹患の確定診断を受けた場合についても、上記と同様にお支払いの対象としてお取り扱いしております。
一方で、濃厚接触者と指定されたことのみでは、お支払いの対象とはなりません。
なお、当社では、当感染症を原因とした、入院給付金を含む保険金・給付金について、2021年度は、132,962件・344億4266万円をお支払いしており、そのうち115,979件・177億9931万円が自宅等での療養によるものです(※3)。
引き続き、当感染症に関する社会情勢や政府・自治体の方針等を注視しつつ、お客様や地域・社会に寄り添えるよう、対応を実施してまいります(※4)。
- (※1)治療期間に関する保健所等発行の証明書(入院勧告書または就業制限・解除通知等)等をご提出いただく必要があります。
また、支払対象となる期間は原則、PCR検査等で陽性と診断された日から厚生労働省等の定める解除基準に該当した日(保健所等から通知された解除日)となります。 - (※2)一部の自治体において、自主検査により陽性が判明し、医療機関の診断を待たずに自主療養を行う取組が実施されていますが、この場合、自治体が発行する「療養証明書」をご提出いただくことで、お支払いの対象としております。
- (※3)2021年4月1日から2022年3月31日までにお支払いした件数・金額です。
お支払い件数は1契約につき、1回のご請求に対するお支払いごとに1件として集計しております。 - (※4)上記各種取り扱いは2022年3月31日時点のものであり、今後法令の改正等により変更する可能性があります。
(5) 「収 NEW 1」は時代・ニーズに合った良い商品だ。今後もこうした商品を期待する。
「ニッセイみらいのカタチ 入院継続時収入サポート保険 “収 NEW 1”」は、所定の入院が14日以上継続した場合、給付月額の6カ月分の収入サポート給付金を一時金でお受け取りいただける保険で、2021年7月の発売以降、ご契約件数は22万件を突破いたしました。
生命保険に関する調査によると、世帯主が入院等により就労不能となった場合に対する経済的備えについて、約7割の方が「不安」と回答(※1)しています。
また、2週間程度の入院をされた場合、約6割の方が入院前よりも収入が減少しており、その主な理由として「入院中に仕事ができない」「退院後の通院等による勤務時間の制限や欠勤」等が挙げられます(※2)。
さらに、収入が減少した方のうち、入院する前の収入に回復するまでの期間が退院後6カ月以内の方が約7割となっている等、入院が長引いてしまった時の収入減少への十分な備えが必要です(※2)。
こうした背景を踏まえ、当商品を開発いたしました。
今後も引き続き、時代・ニーズの変化に対応した、より良い商品を提供できるよう取り組んでまいります。
- (※1)生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」より。
- (※2)ニッセイ基礎研究所「2020年度 長期入院経験者に関する調査」より。
(6) 人生100年時代に対応した高齢者でも加入できる商品・サービスを充実してほしい。
日本では、まさに人生100年時代ともいえる長寿社会が到来しており、長生きに伴う老後の生活費や相続への備え、介護費等、経済的にさまざまな不安を感じられる方が増えることも想定されます。こうしたニーズに対応する商品・サービスを、当社グループ一体で提供しております。
まず、当社では、ご高齢のお客様にご加入いただける貯蓄性商品として、営業職員チャネルでは「ニッセイ長寿生存保険(低解約払戻金型)“Gran Age”」(加入年齢上限:男性86歳、女性85歳)を、金融機関窓販チャネルでは「ニッセイ予定利率変動型一時払逓増終身保険(毎年逓増型)“夢のかたちプラス”」(加入年齢上限:90歳)を販売しております。
また、認知症リスクに備えるため、認知症の保障に加え、ご加入時から保険金支払後までトータルでサポートする「ニッセイみらいのカタチ 認知症保障保険“認知症サポートプラス”」を販売しております。
さらに、グループ会社では、はなさく生命における保険ショップ等の代理店を通じた引受基準緩和型商品(※1)や、ニッセイ・ウェルス生命における銀行等の提携金融機関を通じた90歳までご加入いただける商品等を提供しております。
これらの商品提供に加え、人生100年時代を、お一人おひとりが「安心して・自分らしく」より豊かに生き、明るい長寿時代とすることをサポートすべく、『Gran Ageプロジェクト』を展開し、高齢化社会における不安やご要望に応え、生前から死後までのシニア向け有償サービス「GranAge Star」(※2)等のサービスを提供しております。
高齢化のさらなる進展を踏まえ、セカンドライフ(※3)や相続に向けた資金の準備等、ご高齢のお客様のニーズにより一層お応えできるよう、引き続きグループ一体で商品・サービスの充実に努めてまいります。
- (※1)告知項目を限定し引受基準を緩和することで、健康に不安のある方でも加入しやすい商品となっております。
- (※2)2019年4月から一部地域で開始し、2020年3月末から対象エリアを首都圏・中部圏・近畿圏へ拡大しております。このうち、「認知症サポートプラス」と親和性の高い任意後見サービスについては、全国主要エリアへ拡大しております。また、2022年4月から当社保険契約の有無に関わらず幅広くご案内しております。
- (※3)「セカンドライフ」とは「退職後の生活」を意味しています。
<情報発信>
(7) 生命保険に加入していない若い人が多い。SNS等を活用した情報発信や、若い人が加入しやすい商品の提供に一層取り組んでほしい。
当社では、若年層に生命保険への関心を高めていただくため、また、若年層のニーズを捉えた商品提供ができるよう、情報発信と商品の両面から取組を進めております。
情報発信面では、マスメディアプロモーション等に取り組んでおり、具体的には、若年層から支持を得ているタレントを起用したテレビCMの展開や、若年女性向けの雑誌等への広告出稿等を行っております。
加えて、若年層ユーザーが多いTwitter、Instagram等のSNSを活用し、普段から当社に親しみを持っていただけるよう、協賛競技(バスケットボールや野球等)や、所属アスリート(桐生祥秀選手等)に関する情報発信を行うとともに、若年層に気軽に参加いただけるキャンペーンの実施等を通じたSNSのフォロワー拡大に取り組んでおります。
こうした取組に加え、全国各地の企業の若手従業員を対象とした税金や社会保障制度等に関するセミナーを開催するとともに、子どもたちにも将来的に保険をより身近なものとして感じていただけるよう、保険について学ぶ機会(出前・受入授業等)や教材の提供等にも積極的に取り組んでおります。
今後も、当社に好意・共感を持っていただくことを通じて、若年層に生命保険への関心を高めていただけるよう、マスメディアやSNS等での情報発信、お客様との接点拡大等の取組をより一層推進してまいります。
商品面では、当社の「みらいのカタチ」の中で、ご加入いただきやすい保険料のプランをご用意しております。例えば、2022年4月に発売した「新3大疾病保障保険“3大疾病 3充マル”」の死亡保障を抑えた低廉な保険料のプランや、年金保険の月払保険料約5,000円のプラン等です。
なお、若年層は、保険ショップでの加入意向が他の世代よりも高い(※)ことを踏まえ、当社グループ会社のはなさく生命では、保険料・保障範囲の観点から若年層に訴求できる医療保険等を代理店を通じて販売しております。ご加入手続きについても、郵送通販に加えて、2021年9月からオンラインで完結できる取り扱いを開始しております。
今後も、グループ一体で、若年層をはじめ多様なお客様ニーズにきめ細やかにお応えできる商品の提供に努めてまいります。
- (※)生命保険文化センター「2021年度生命保険に関する全国実態調査」より。
(8) 「幸せを長く。」は、感動的でとても良いCMだ。一方、より具体的に商品内容をアピールするCMを展開してはどうか。
当社のCM「幸せを長く。」篇をご評価いただき、誠にありがとうございます。
今回のCMは、母親の入院をきっかけに、何気ない日常の大切さや家族の愛おしさに改めて気づく家族の姿を描き、“早期発見・早期治療”をテーマとして、保険の大切さを伝えることを企図して制作いたしました。
CMは限られた放映時間の中で、最大限に伝えるべき情報を正確にお伝えすることが重要である一方、お客様に誤解を招かない内容にすることも極めて重要であると考えております。
そのことを踏まえつつ、当社のCM展開は、
- ①商品の特徴を分かりやすく表現すること
- ②企業イメージを向上させること
- ③営業職員活動を支援すること
という3つの視点を軸に構成しております。
ご指摘いただいた商品に関するCMについては、その商品の特徴を端的に表現し、それぞれの商品がどのようなお客様のニーズにお応えするものなのかを説明することにとどめております。詳しい商品内容については、営業職員のコンサルティング活動により、お客様にご理解を深めていただくことが大切だと考えており、2020年10月からは、商品説明動画を「TASKALL」や「N-Phone」にてお届けすることを通じて、より分かりやすい商品説明に努めております。
今後も、上記の3つの視点を軸としつつ、さらに分かりやすく効果的なCMの制作に努めてまいります。
<サステナビリティ経営>
(9) CO2削減等のSDGsの活動には、引き続き取り組んでほしい。また、取組をもっとアピールしてはどうか。
当社は、SDGsが目指す安心・安全で持続可能な社会の実現に貢献すべく、以下の目指す姿を設定・公表し、重点的に取組を進めております。
- -「貧困や格差を生まない社会の実現 ~次世代を社会で育む仕組づくり~」
- -「世界に誇る健康・長寿社会の構築 ~健康寿命の延伸に資する取組~」
- -「持続可能な地球環境の実現 ~気候変動問題への取組~」
- -「SDGs達成を後押しするESG投融資 ~資金提供やスチュワードシップ活動を通じた社会・企業行動への働きかけ~」
このうち、環境問題については、緊急性が高く、社会全体での対応が求められる中、当社では、事業活動領域のCO2排出量および資産運用領域の温室効果ガス排出量の削減に向け、2050年ネットゼロを目標に設定し、取組を進めております。
<事業活動>
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- 2030年中間目標として、当社グループのCO2排出量削減△51%以上(2013年度比)を設定
- 排出量の少ない車種(EV車・PHV車等)の導入やLED化等のオフィスでの節電、再生可能エネルギーの導入、紙使用量削減を推進 等
<資産運用>
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- 2030年中間目標として、投資先(※1)の温室効果ガス排出量△45%以上(2010年度比)、インテンシティ(※2)△49%以上(2020年度比)を設定
- 全ての資産クラスの投融資判断にESG要素を組み入れる「インテグレーション」と、気候変動をはじめとするテーマについて投資先企業と建設的な対話をする「エンゲージメント」を軸に取り組み
- 社会や企業の脱炭素取組の後押しを目的として、新たに脱炭素ファイナンス枠5000億円を設定(※3) 等
また、こうしたSDGsに関する取組については、ホームページへの掲載やSNS等での発信、営業職員によるサステナビリティレポート等の配布を通じて広く発信してまいりましたが、一層の充実に向け、取り組んでおります。
- -当社がサステナビリティ経営に取り組む想いについてまとめたプロモーション動画
『お客様と「ともに」創るより良い未来』の公開 - -当社の環境問題対応を特集した「サステナビリティレポート(環境特集号)」の発行
- -当社のESG投融資に関する取組をまとめた「ESGレポート」の発行 等
さらに、2022年3月には、「コーポレートプロモーション部」を新設し、お客様や地域・社会等のステークホルダーへ、より分かりやすい情報発信等をすべく、取り組んでおります。
今後も、SDGsの達成に貢献すべく、当社の社会的役割を一層発揮するとともに、当社の取組を広くご理解いただけるよう、さまざまな媒体や場面を活用し、対外説明の充実に努めてまいります。
- (※1)資産運用ポートフォリオのうち、内外上場株式・内外社債・不動産を対象としております。
- (※2)投資1単位あたりの排出量です。
- (※3)社会や企業の脱炭素取組の後押しを目的として、イノベーション・ファイナンスやトランジション・ファイナンス、グリーンボンド等を対象としております。
<資産運用>
(10) ESG投融資は重要だと思うが、具体的な取組内容や契約者のメリットについて教えてほしい。
当社では、「共存共栄」・「相互扶助」という生命保険事業の基本精神に基づき、安全性・収益性に加え、公共性にも配慮した投融資を行ってまいりました。
ESG投融資は、こうした考え方と本質的に同根であり、当社は、生命保険会社特有の資産の長期性をいかし、社会全体の課題解決と運用収益の向上の両立を目指すことを基本スタンスとして、主に以下3つの具体取組を進めております。
<インテグレーション>
- 全ての資産クラスにESG要素を組み入れた投融資判断の実施
<エンゲージメント>
- 投資先企業との建設的な対話の実施
- -年間700社超と1,000回以上の対話を実施し、議決権行使に係る重要な論点(※1)について、過去4年間累計で約6割の論点を解消
- -2017年度より、E(環境)・S(社会)をテーマとする対話を継続的に強化しており、2018年度からは気候変動を主要テーマとする対話を開始し、「気候変動に伴う経営上のリスクと機会の定量・定性分析と開示」と「2050年ネットゼロに向けた温室効果ガス排出量削減の方向性打ち出し」の2点を働きかけ
<テーマ投融資>
- 資金使途がSDGsの達成に資する投融資の実施
- -新たに脱炭素ファイナンス枠を5000億円設定(※2)し、テーマ投融資の数量目標1.5兆円(2017年度からの7年間累計)を1.7兆円に引き上げ
- -テーマ投融資の累計実績は1兆3572億円(2022年3月末時点)
これらを支えるべく、ESG投融資に係るさまざまな国際的イニシアティブ(推進団体)に賛同することを通じ、グローバルな動向に関する情報収集や、主体的な意見発信も行っております。
今後も、ESG投融資の強化を通じた長期・安定的な収益獲得により、予定利率の確保に努め、ご契約者に対して保障責任を全うしていくとともに、安定的かつ中長期的な契約者配当の実現といったご契約者のメリットにもつなげてまいります。
- (※1)株主還元・配当性向、社外役員の出席率・独立性、収益性等です。
- (※2)社会や企業の脱炭素取組の後押しを目的として、イノベーション・ファイナンスやトランジション・ファイナンス、グリーンボンド等を対象としております。
<収益性・健全性>
(11) 保険金・給付金の支払い増加等、新型コロナウイルス感染症の影響による業績の悪化を心配している。厳しい環境下だが、配当を充実してほしい。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、2021年度決算の収支の状況については、保険金・給付金の支払い増加等に伴い、保険関係収支は対前年減少となっておりますが、マーケット環境の回復を主因とした資産運用収支のプラスにより、基礎利益は対前年増加となっております。
今後も、当感染症の影響が継続・拡大する場合は、収支が悪化する可能性があることから、引き続き、状況を注視してまいります。
次に、ご契約者への配当については、長期にわたる保障責任を全うすべく自己資本の強化等を通じて健全性の向上を図りつつ、安定的かつ中長期的に充実させることを、基本的な考え方としております。
2021年度決算における危険差益配当は、当感染症の影響により保険関係収支は減少しておりますが、死亡率の改善傾向は継続していることから、みらいのカタチの死亡保障系商品を中心に増配とする予定です。これにより、危険差益配当への増配は5年連続となります。
また、利差益配当は、運用収支等の利回りは改善しているものの、緩和的な金融政策の継続により、今後も低金利の長期化等、厳しい運用環境が継続することから、据え置きとする予定です。
なお、お客様配当性向(※)は、54%となる予定です。
今後も収益向上に努めたうえで、長期的な視点からご契約者利益の最大化を図ってまいります。
- (※)当社独自の指標で、当期の実質的な利益に対するご契約者への配当の割合です。
<事務手続き>
(12) ホームページやスマートフォンアプリの機能拡充等によりペーパーレス化を進め、利便性を向上させてほしい。
当社では、これまでお客様の利便性の向上や環境への配慮といった観点からペーパーレス化に取り組んでまいりました。
具体的には、ホームページやスマートフォンアプリの機能を順次拡充し、ご利用可能なお手続きの範囲拡大等を実施しております。
2021年9月には、一部の保険金・年金等のお支払い手続き時において、書類にてご提出いただいていたマイナンバーを、スマートフォンアプリにて簡単に登録いただけるようになりました(※)。
さらに、2022年3月には、お客様の利便性向上に向け、スマートフォンアプリについてリニューアルを実施し、ご利用の多いメニュー(契約内容の確認・各種お手続き等)やご契約者向けにご用意しているさまざまなサービスが、より一層簡単にアクセスできるようになりました。
また、ご契約者に年1回送付している「ご契約内容のお知らせ」について、2021年7月より、ご希望の方には紙での送付に替えてメールにてお知らせし、パソコンやスマートフォン等から、契約内容や登録情報をご確認いただけるサービスを開始しております。
今後も引き続き、ホームページやスマートフォンアプリの機能拡充等を通じて、お客様にとって利便性の高いお手続きの構築に努めてまいります。
- (※)スマートフォンアプリでマイナンバーを登録するサービスの提供は、生命保険業界初です。(当社調べ)
<デジタル>
(13) 各種手続きのデジタル化を推進するのは良いが、デジタルに慣れていない高齢者にも配慮してほしい。
当社では、お客様ニーズの多様化やデジタル社会の進展等の環境変化を踏まえ、各種お手続きのデジタル化を推進しております。
こうしたデジタル化の推進にあたっては、ご指摘のとおり、パソコンやスマートフォンを使い慣れていない高齢者等のお客様もいらっしゃることから、「より見やすく、分かりやすい」という視点が重要と考えております。
例えば、2019年3月に導入した「TASKALL」では、見やすい文字の大きさや、入力サポート機能等、お客様に操作いただく画面の刷新を行い、社外からも高く評価(※)いただいております。
また、2022年3月に実施したスマートフォンアプリのリニューアルにおいては、視認性や操作性の向上を目的に、画面構成やボタンデザイン等を変更し、より使いやすい仕様となりました。
さらに、お客様のご要望に応じて、紙でのお手続きも選択いただけるようにしております。
今後も引き続き、先端ITの活用や世の中の動向に応じてデジタル化を推進するとともに、高齢者等のお客様に配慮した丁寧な対応も進めてまいります。
- (※)ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会が主催する企業・団体・行政が生活者に発信するさまざまな情報を評価・表彰する取組において「生命保険分野:対面販売における契約申し込み手続き電子画面」カテゴリーにて最優秀賞を、導入に先立って2018年に受賞しております。