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バスケットボール

2025年6月9日(月)「DREAM HOOP PROJECT」を愛知県南知多町で開催!

バスケ選手が講師となり、これまでの経験を伝えることで、夢や希望を持つことの大切さや将来について考えるきっかけづくりを行っています。
今回は、愛知県南知多町立南知多中学校の1年生を対象に開催しました。
車いすバスケ日本代表の古澤 拓也さん、元バスケットボール日本代表の中川 聴乃さん・栗原 三佳さんに講師を務めてもらいました。
当日開催したイベントの様子を本記事にて紹介します。

1年A組 中川 聴乃さん

「自分を信じて突き抜けてほしい」

―――小・中学生のころの夢は何でしたか?

夢という夢はもったことはなかったですが、目標はすごくたくさん持っていました。
私の中で「夢」というと、とてつもなく大きくて、叶うかどうかわからない印象なのに対して、「目標」は絶対に達成すると思って決められるので、「テストで何点取る」「試合で勝つ」といった中長期的な目標を沢山立てて、達成していました。

―――当時夢中になっていたものは何ですか?

小学生の頃は、バスケットはもちろん、ピアノ・書道・バレエ・そろばんなど色々な習い事をしていて、その中でも、そろばんは相当頑張っていました。
勝ち負けが好きなので、そろばん大会で勝つことへの喜びが強くあったのと、勝ったときにもらえる賞品が欲しいがためにすごく真剣にやっていました。
また、アメリカの子どもたちにそろばんを普及しようという活動があり、優秀な人のみがそのイベントに参加できると知って、小学校2年生の頃に「絶対アメリカに行く!」という目標ができ、その目標に向かって頑張っていました。そして、小学校6年生の頃にそのイベントに行く権利を得ることができたのですが、バスケの最後の大会と日にちが重なりました。
悩みましたが、そろばんはこれで最後にし中学校からはバスケに集中すると決め、念願のそろばんイベントへの参加を選択し目標を達成しました。

―――プロのバスケットボール選手になりたいと思ったきっかけは何ですか?

実は、プロになりたいと最初から思っていたわけではなく、目の前の試合などで、目標を一つ一つクリアしていった先に、プロ選手のレールが敷かれていたようなイメージでした。
目標を決めて達成するために何をすればよいのかを設定して、目の前のことをがむしゃらに1,000%でやりきっていました。

―――壁にぶつかった時期はありましたか?

1番の挫折は、高校1年生の時の転校のタイミングです。当初長崎県で高校に進学したのですが、「バスケで日本一になりたい!」と強く思い、日本一の高校にいこうと愛知県の強豪校へ転校を決意しました。
しかし、高校バスケでは、転校したら半年間試合に出れないというルールがあり、転校先でやっと出場できた大会では、「長崎の応援してくれている人たちを喜ばせたい」「活躍しなきゃいけないから失敗できない」という思いにさいなまれ、試合に出るのが怖くなっていきました。色々なものを背負いすぎて自分で自分を苦しめ、大スランプに陥ってしまいました。

―――どのように乗り越えたのでしょうか?

当時は焦りによって、「もっと大きな目標を立てなくては」という考えから負のループになっていると気付き、1回目標を捨てて目の前の日常に目を向けることにしました。
そうすることで、先ばかり考えて焦っていたのが、目の前のことをこなすという自分の原点の考え方に徐々に戻ることができました。

―――新しい夢はありますか?

子ども達が、地元長崎県から世界へ羽ばたくプロジェクトを行いたいと思って、イベントを開催できるように動き出しています。
また、私は足のサイズが大きいのですが、女性の大きいサイズの靴は可愛いデザインのものが少ないなと感じていたので、自分で作ろうと、数年前に靴のブランドを立ち上げました。
色んな事情があって、一度そのブランドが終わってしまったので、来年に向けてまた立ち上げようと動いています。

―――皆さんに一言お願いします。

自分自身を信じることで、夢を叶えられる可能性が上がります。
周りの言葉に惑わされず、できないことなんてないと思って自分を信じて突き抜けてほしいです。

1年B組 古澤 拓也さん

「大切なのは“連続“ではなく、”継続”」

―――車いすバスケを始めたきっかけは何ですか?

僕が車いすユーザーになったのは、小学校6年生の時でした。
それまではスポーツが好きで、ずっと野球をやっていたのですが、病気をきっかけに車いすユーザーになった際に、母が車いすでもできるスポーツとして「車いすバスケ」を見つけてきてくれたのがきっかけです。
バスケ自体やったことが無かったのですが、初めて車いすバスケを見たときに、選手が格好良くて、自分もやりたいと思いました。

―――突然車いすユーザーになったことで、大変ではなかったですか?

まずは「車いすの生活を受け入れる」という事から始まるのですが、当時小学校6年生の時の担任の先生の「車いす格好いいね」という言葉に勇気をもらいました。
また、友達も「格好いい」と言ってくれて、休み時間も車いすで皆と一緒にドッジボールをするなど、それまでと変わらず生活していました。
今でも当時の小・中学生の友達と会うほどの仲ですが、困ったときに助けてくれる友人に囲まれ、僕の中で車いすは“眼鏡”のようなツールの一つとして存在しています。

―――プロになりたいと思ったきっかけは何ですか?

小学校6年生の時に、卒業文集を書く際に、先生と「パラリンピックで金メダルをとる」というのを決めたのが、夢のスタートでした。
そして、本気でプロを意識したのは、2013年の当時高校生の時に、次のオリンピック・パラリンピックが東京で開催されることになったのがきっかけです。

―――夢を叶えるために大切にしてきたことは何ですか?

一番は楽しむことです。
夢をパラリンピックでのメダル獲得と決めたときには、楽しんでその目標に向かっていくよう日々を過ごしました。

―――壁にぶつかった時期はありましたか?

東京パラリンピックでは銀メダルを取れましたが、パリパラリンピックでは予選で負けてしまって大会にすら出られなかった時は落ち込みました。

―――どのように乗り越えたのでしょうか?

僕は、「自分の心の声を聴く」というのをとても大事にしています。
パリの予選に負けたときも、「今ここで、東京パラリンピックでメダルを取ったという経歴を残してやめてしまうのは格好いいことか?」と自分に問いかけてみたら、「本当に格好いいのは、チャレンジし続けることだ」と自分の心が言っていました。
そして、チャレンジする中でまた辛くなったら、もう一度「なぜそれをやりたいか?」を思い出して、また目標に向かって動き出すという事を続けてきました。
休んでも良いので、大切なのは“連続“ではなく、”継続”だと思っています。

―――今の夢は何ですか?

次のロサンゼルスパラリンピックでメダルを取ることです。
そのために、僕の役割である3ポイントシュートを、より遠くから・より確率よく・より大事な場面で決められる選手になりたいです。

―――皆さんに一言お願いします。

大事にしている考えの一つに、むかし先輩からかけてもらった言葉で、「人生で一番大事な日は今日だ」というものがあります。
夢や目標に向かって頑張ることも大事ですが、昨日の自分を超えられるか、今日を一番大事だと思って日々を過ごしてほしいです。
そして、こうして皆で夢や目標について考えることができたことがとても嬉しいです。夢や目標を一緒に語った人は仲間です。僕の夢も応援してほしいですし、僕も皆の夢を応援しているので、またどこかで皆に会いたいです。

1年C組 栗原 三佳さん

「夢が叶うか・叶わないかよりも、夢に向かっていく過程がとても大事」

―――バスケを始めたきっかけは何ですか?

姉がバスケをしていて、とても楽しそうだったので「自分もやってみたい」と思い、小学校3年生の時に始めました。

―――そこから本格的にバスケに打ち込むようになったのはいつですか?

高校で強豪校に入ったのがきっかけです。
中学まではただ楽しくバスケをやっていたのですが、高校でバスケの強豪校に行ったら、周りは全国大会に出ていたような上手な子たちばかりで、会話で使われるバスケ用語ですらついていけないような環境にすごく焦って、追いつかなきゃと必死に練習をしました。

―――高校3年生ではキャプテンを務めていますよね。自分より上手な人ばかりの環境で辛かったこともあったと思うのですが、そこからどのように乗り越えたのでしょうか?

周りに比べて何も知らなかったので、とにかくたくさん吸収しようと毎日必死でした。
私が一番下手だったので、だれよりもたくさん注意を受けるのですが、周りの上手な子たちは自分よりレベルの高いことを言われていたので、追いつくために周りのメンバーが言われていることを聞いて、それも全部意識して、人一倍練習をしました。

―――夢に向かう中で壁にぶつかった時期はありましたか?

靭帯のけがをきっかけに、完全に試合に復帰するまで1年かかったことがあるのですが、その時は本当に苦しかったです。

―――そこからどのように乗り越えたのですか?

バスケがうまくなりたい、トップを目指したい、という思いで目の前のできることを真剣に取り組みました。特にリハビリは本当につらかったのですが、周りのチームメイトや家族に沢山支えてもらい、乗り越えることができました。

―――夢を叶えるのに大切にしていることは何ですか?

人を大切にすること、感謝することです。
辛い時もそうで無い時も、自分を支えてくれる仲間や家族に感謝をして、恩返しをしたいという思いは強かったです。
特に、自分が一番つらい時に味方になってくれるのは家族ですし、その後の嬉しい報告で喜んでくれるのも家族だと思います。日頃から仲間や家族を大切にしていると、助け合いができます。
周囲に感謝の気持ちを忘れず、その気持ちを伝えることを大切にしています。

―――皆さんに一言お願いします。

素直な気持ちで色んなことにチャレンジしてほしいです。
夢が叶うか・叶わないかよりも、夢に向かっていく過程がとても大事だと思います。
夢に向かう途中で「挫折」は誰でも経験しますが、その時にどう持ちこたえるか、努力し続けるかが成長につながります。
そうやって夢中になれるものが見つけられるように、失敗を恐れずに色んなことにチャレンジしてほしいです。チャレンジしてうまくいったら続ければいいし、うまくいかなかったらまた別のことにチャレンジすれば良いので一歩踏み出す勇気を持ってほしいです。

参加した生徒の感想

  • 今の自分だからできないではなく自分にできることを探すことを大切にし、絶対に諦めないという気持ちをもって、頑張ろうと思いました。
  • 選手たちの話を通して、今の自分のあるべき姿・夢はいくらでも持っていいということ、たとえ今描いてる夢にならなくても、別の形で本当にやりたかったことを叶えていけばいいということが知れました。
  • 自分の夢に対して改めて向き合うことができました。また、授業を通してクラスメイトの夢を知ることができ、クラスメイトの仲が深まって良かったなと思いました。

「DREAM HOOP PROJECT」って?

「夢」は「輪」のように終わりがなく無限だということを伝えていきたいという想いを込めたプロジェクトです。バスケ選手による授業であることから、バスケのリング「HOOP」とかけて、このプロジェクト名としました。
バスケ選手にこれまでの人生の選択やその選択に至った想いを話してもらうことで、
夢や目標を持つきっかけとなってほしいと考えています。
当社は、これからもバスケットボール界と共に、このプロジェクトを全国各地で開催していきます。

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