2024年6月21日(金)「DREAM HOOP PROJECT」第6弾を北海道で開催!



バスケ選手が講師となり、これまでの経験を伝えることで、夢や目標の大切さや自分の未来について考えるきっかけづくりを行っています。
6回目となる今回は、札幌市立北野台中学校の2年生に向けて開催しました。
地元国内男子プロバスケチーム『レバンガ北海道』の折茂 武彦社長、桜井 良太選手、菊地 広人選手の3名方に講師を務めてもらいました。
当日開催したイベントの様子を本記事にて紹介します。
2年1組 桜井 良太選手
「諦める理由を探さずにシンプルに目標を目指すこと、色んな意見を取り入れて実行することで新しい扉が開ける」
――バスケを始めたきっかけは何ですか?
小学校3年生の時、当時はJリーグが発足した年でサッカーがすごく流行っていたので、ぼくもサッカー部に入ったんですね。でも人数が多すぎて試合に出られなくて、3カ月で辞めてしまったんです。その後、バスケをやっていた姉から「バスケなら男子は人数が少ないから試合にすぐ出れるよ」と言われて始めたのがきっかけでした。
――当時の将来の夢は何でしたか?
姉がきっかけで始めたバスケでしたが、とにかく落ちてくるボールをたくさん取っていたら、「リバウンド凄い取るね」と褒められたのが嬉しくて、どんどん楽しくなっていって。当時はバスケのプロリーグは無かったですけど、小学校5年生の時には、「将来バスケの選手になりたいな」と漠然と思っていました。
――プロリーグがないのになりたいと思うのは凄いですね
確かにそうですね。でも、逆に先のことを考えすぎなかったのが良かったんじゃないかなと思います。
できない理由を探すんじゃなくて、「きっと自分が大人になる頃にはできているだろう」と思って頑張っていました。
――夢があってよかったと思うことありますか?
前向きに生きることの道しるべになったことです。プロのバスケ選手になりたい、という想いがあったから、「バスケ選手になる為にするべきこと」を考えるようになりました。例えば、練習のシャトルランで苦しくなった最後の2本くらいで、「手を抜きたい」と思っても「ここで頑張らないとプロになれない」と思って頑張りました。人としてという意味でも、家族や周りの友人に胸を張れる生き方をしようと心がけました。
――挫折を感じたり、続けること自体が苦しくなったときにどうやって乗り越えましたか?
初めて日本代表に入った時に、今までは身長が大きかったり、身長の割に動けたりしていたのが、自分より大きくてもっと上手な選手がいて、全然思い通りにできないと悩んだことがありました。そんな時は、同期で親友の選手に話を聞いてもらったりアドバイスを貰ったりしていました。悩んでネガティブな感情のままだと、考えが堂々めぐりしてしまうけれど、親友に相談したら、外から見たポジティブな意見を貰えたんですよね。そのアドバイスはとても些細なことだったけれど、その時の自分にはとても大きな気づきになりました。苦しい時は、自分の信頼のおける家族や親友に相談して、自分とは違う角度の意見を貰うことで、いい扉が開く時があるんだなと思います。
――桜井さんの次の目標やこれからやってみたいことはありますか?
僕は、自分が中心のチームを、リーグでトップに押し上げていこうという想いを持って北海道に来たんですが、その夢は叶ったかと言われると叶わず現役を終えることになりました。でも、次はGMという立場で、選手の時には叶わなかった「レバンガをリーグの中の強豪チームにする」という夢を叶えたいと思っています。
――夢は何歳になっても持ち続けられるものですね
そうですね。GMになるなんて僕はつい何カ月前までには考えられなかったわけですし。夢は急にいろんな形で出てくると思います。「あ、これ頑張れる」「これを夢にしたい」と思った時に頑張れるのが大事。だからこそ集中した時に100%頑張る癖をつけることが大切で、そうしておくと、いざ自分の夢ができたとき、普段から100%でやれていると、夢なら120%で頑張れるようになるはずです。
――皆さんに一言お願いします
今日3人の講師が来ているけど、みんな話していることは違うし、みんなの受け止め方も一人ひとり違うと思います。だから、色んな人の話を聞いて色んな考えを取り込んで、夢に向かって頑張ってほしいと思います。


2年2組 菊地 広人選手
「夢に向かって自分が出来ることは何かを一生懸命考えて取り組むことが、次につながる」
――バスケを始めたきっかけは何ですか?
父も母もバスケ経験者で、小さい頃から父がバスケを教えている中学の部活に連れて行ってもらったり、母の所属しているチームの練習に連れて行ってもらったりと、バスケが周りにある環境だったので、自然とバスケをするようになりました。
――小学生の頃の夢は何ですか?
小学生の頃からプロバスケ選手になりたいと思っていました。当時は今のBリーグのようなものは無かったのですが、実業団のようなトップリーグがあったので、そこでプレーしたいなと思ってました。
――高校は静岡に行かれたと聞いたのですが、どうしてその選択をしたんですか?
僕は北海道の北見市出身で、周りに学校自体が少ないことに加え、北海道以外の学校と試合をする機会が少なかったんです。なので、本州の方が強いチームとも沢山試合ができますし、その方が自分の成長に繋がるんじゃないかと思って決断しました。
――道外の学校へ行くことの不安はなかったですか?
不安はありましたが、周りの先輩で同じように高校から北海道を離れて頑張っている人たちがいたので、自分も頑張ろうと思えましたし、同期にも同じ考えの子がいたから、不安も和らぎました。
――早いころから夢を持つことは大切だと思いますか?
必ずしも夢をちゃんと持った方がいいとは思わないけれど、夢でなくてもなんでもいいから何か一つ近くの目標を持って「ここまで頑張りたい」と思うことが大事だと思います。
――今まだ自分の夢を見つけられていない子へのアドバイスありますか?
まずは自分のやりたいことを素直に考えることが良いのかなと思います。一つに絞らなくてもいいので、「こういうのに興味があるな」というのを思い浮かべてみて、全部やってもいいし、その中から選んでもいいので、自分興味のある物を考え、取り組んでみると良いと思います。
――夢をかなえるために大事にしてきたものは何ですか?
「最初にやりたいと思った気持ちを忘れないこと」 「何事も一生懸命やること」 「自分で考えて動くこと」の3つです。辛いことがあっても「最初にやりたいと思った気持ち」に立ち返ることでくじけずにできるし、何を目指していても一生懸命やらないと結果はついてきません。でも、ただ一生懸命やるだけでなく、自分に何が必要かを考えて動くのが大切だと思います。その選択の結果がたとえ上手くいかなかったとしても、自分で選択したことで、経験として身に付く。反対に、自分で考えて選択しないと、その経験も得ることができないと思いますね。
――挫折を感じたり、続けること自体が苦しくなったときにどうやって乗り越えましたか?
自分より身長もあって技術もある選手が周りにたくさんいて、なかなか試合に出られず悩んだ時期がありました。でも、なんで出られないのか?を考えた時に、身長がある人と同じことをしては勝てないと思いました。自分は何で勝負できるのかを考えたら、大柄な選手よりディフェンスで動き回って相手を止めることや、シュートの精度を上げること、周りより声を出してチームをまとめることだなと思って、とにかくひたすら練習して継続することで自分の強みをのばしていきました。
――菊地さんの次の目標やこれからやってみたいことはありますか?
時間とかを気にせず、バスケをやりたい人がやりたいだけできるような環境を作ることです。
僕の地元は田舎で、なかなか高校から市外、ましてや道外に出ることがあまりない地域でした。だから、結構バスケが強い中学校なのに、高校の選択肢があまりないような状況だったんです。
やはり自分はバスケに打ち込める環境があったから強くなれたと思うので、外になかなか出れなかったとしてもバスケが上手くなれる環境を作ったり、もしくは僕みたいに外に出たいと思った時にそれを後押しできるような活動をしたいです。例えば、自分が道外に出て高いレベルでやってきた経験を今の小中学生に話してあげることで、少しでも地元の小学生が「ぼくでも挑戦できるのかな」とか「こういうふうにプロになる道もあるんだな」と思ってもらえるような活動を今後できればいいなと思っています。
――皆さんに一言お願いします
どんな些細な目標でも、そして目標は何個あってもいいと思うので、ぜひそれに向かって頑張ってください。


2年3組 折茂武彦社長
「行動すること、継続すること、挑戦すること」
――バスケを始めたきっかけは何ですか?
兄がバスケをしていたことがきっかけで、中学生からバスケを始めました。
それまでは、興味のあるスポーツをいろいろやっていたので、バスケを始めたころは、レベルの差どころではなく、中学2年生まではひたすら応援と練習のみでした。
――どうやってバスケはうまくなりましたか?
とにかくひたすら練習しました。努力するしかないし、練習するしかないと思います。結果はすぐについてこないけれど、毎日毎日の積み重ねと、ひたすら「どうすればうまくなるか」考えながら練習することが大切だと思います。
――練習しても、うまくいかない時はどうしたらいいですか?
それでも練習するしかないと思います。方法はそれしかないですね。思い通りにいくことや、成功することの方が少なくて、むしろ、失敗することや挫折することの方が多いです。だけど、その現実と向き合っていかなければいけません。失敗することは悪いことでもなんでもなく、当たり前のことですから。大切なのは、そこから何を学ぶかということ。努力も毎日続けて、習慣にし、自分の当たり前になるまでやり続けることが大切だと思います。
――続けたからと言って叶うわけではないですよね?
そうですね。でも、そこで辞めてしまったら次はないので、その中で続けることを自分で決められるかどうかだと思います。重要なのは自分で決めることです。
――折茂さんが続ける選択をしたのはなぜですか?
「自分がバスケを好きだから」それだけです。自分はバスケを続けようと思う覚悟がありました。
――小さい頃から夢を持つことは大切ですか?
夢が今なくても悪いことではないと思います。今夢を持っている人も、今後変わるかもしれないですしね。夢ってどんどん変わっていくものなので、まずは、色々なことにチャレンジする行動が大切だと思います。そのことが、自分の可能性を広げることにつながるから、その為に「行動すること」「継続すること」「挑戦すること」が大切だと思いますね。失敗挫折を恐れてほしくないし、逃げてほしくないです。
――夢を実現するために大切なことは何ですか?
とにかく継続することです。それは何でもいいし、今日からできることは沢山あるはず。
自分は無理だと思ったらそこで夢は叶わないものになってしまうから。時々、「才能がある」という言葉を聞くけれど、僕自身、才能なんてものはなくて、それでも日本代表になれた。それは、毎日努力し続けたからだと思っています。才能という言葉を何かをあきらめる言い訳にしないでほしいです。才能は、結果を出せば誰でも言われることで、後からついてくる言葉だから。やろうと思って取り掛かることに間違いはないです。
――折茂さんのこれからの夢は何ですか?
バスケに恩返しをしたいです。そのために、北海道中にバスケリングを設置して、誰もがいつでもバスケとなじめる場所を創ることです。
――皆さんに一言お願いします
君たちの可能性は無限大だから、自分が選択して決断することが大切。人に言われて決めた道は、いつか壁にぶつかった時、人のせいにするようになるけれど、自分が決めた人生は必ず踏ん張れるから、自分で決める人生を送ってほしい。


<参加した生徒の感想>
- 夢を諦めない大切さを改めて感じた。くじけても自分にできることを考えて行動するのが大切なのがわかりました。
- 夢について考える機会になって、とても自分のためになった貴重な時間でした。
- 夢を持つことの大切さや、どんなに小さいことでも夢への1歩になるということが心に残りました 。
- 講師としてお越しいただいた選手の方々と夢について考えることができ、新たな発見や気付かされることがたくさんありました。また、バスケ体験ではあまり経験したことのなかったバスケの楽しさを実感することができました。
- 夢は今決まっていなくてもいいし絶対無理と思わないで挑戦することが大切だと学ぶことができました。また、バスケの体験を通して仲間と一緒にスポーツをする楽しさも感じることができました。
- 自分が発表した夢に対して、深く考えてもらえたり自分なりにも考えることができて楽しい時間になりました。
- 人を魅了してる人でも私と変わらず必死で生きているんだなと心に残りました。
- 自分の夢についてあまり考えたことはなかったけれど、今回の授業で、こんな道もあるんだなと実感できました。
- 夢は一つだけに絞らなくてもいいと知ることができてよかったです。
<講師を務めたアスリートの感想>
- 桜井 良太選手
最初は子どもたちに固い雰囲気があったのですが、一緒にバスケをプレーしたら顔がほぐれていって、夢授業では沢山の意見を僕の発言にもらえたので僕もすごく楽しかったです。
夢を発表する際に、いくつもの夢をあげている子がいて、「夢って一つじゃなくていいんだな」と改めて思いましたし、授業を通して僕自身も気づかされることがたくさんありました。 - 菊地 広人選手
今回のイベントは自分としても貴重な体験だったなと思います。体験会も授業も逆に生徒からいろんなことを教えてもらえたし、打ち解けた雰囲気で活動ができてよかったです。
自分はバスケばかりやっていたので、色んな子たちが色んなものに興味を持って、やりたいことがあるのを夢授業を通して実感しました。 - 折茂 武彦社長
バスケ教室も夢授業も子どもたちが笑顔だったのが本当に良かったです。僕らは子どもたちに笑顔を届けるバスケという競技をしているので、今回のイベントを通してたくさんの笑顔を届けられたんじゃないかなと思います。
特に、最初は緊張していた子が、最後にはフランクに話していたので、やはり、コミュニケーションの大切さに気付かされました。
「DREAM HOOP PROJECT」って?
「夢」は「輪」のように終わりがなく無限だということを伝えていきたいという想いを込めたプロジェクトです。バスケットボール選手による授業であることから、バスケットボールのリング「HOOP」とかけて、このプロジェクト名としました。
バスケットボール選手にこれまでの人生の選択やその選択に至った想いを話してもらうことで、夢や目標を持つきっかけづくりとなってほしいと考えています。
当社は、これからもバスケットボール界と共に、このプロジェクトを全国各地で開催していきます。