2023年8月24日(木)「DREAM HOOP PROJECT」第3弾を沖縄で開催!


歴史的勝利をつかみ、日本に感動を与えた、FIBAバスケットボールワールドカップ2023。
開催地である沖縄県で、元プロバスケットボール選手が中学生に夢や目標を持つことの大切さを伝える「夢授業」を行いました。沖縄の子どもたちへ夢を!そんな想いで、FIBAワールドカップ2023開催前日に行われた授業の様子を本記事にてご紹介。当日は、元プロバスケットボール選手の川村卓也さん、三好南穂さんに講師を務めていただきました。
夢について考える「DREAM HOOP PROJECT」って?
「夢」の「輪」が広がるようにと名付けられたのが「DREAM HOOP PROJECT」。
バスケットボール選手による授業として、バスケットボールリングを意味する「HOOP」をかけてこのプロジェクトの名前をつけています。アスリートが講師を務め、どんな人にでもチャンスがあるということや、夢は変わっても、夢を持ち続けることの大切さを伝えることを目的に、講師を務める選手が生徒の皆さんと一緒に夢について考えていきます。

日本生命では、2011年より全国の職員が講師となり、中高生むけに出前授業を行っています。保険やライフデザインの大切さを伝え、自分自身の将来について考えるきっかけづくりを行っています。
出前授業とは?
学生時代の夢
――講師方の、学生時代のころの夢は何でしたか?
川村:プロバスケットボールの選手になりたいとか、NBA選手になりたい、オリンピックメダリストとか、夢は色々ありました。その1つに、一軒家の生活にすごく憧れていたこともあり、「将来、プロ選手として成功して、家を建てるんだ」という夢もありました。
夢に向かっていく中で、いろんな方向性が見えてきて、そこからまた違う夢が見つかるかもしれない。1つの夢だけを考えるよりも、色々な夢を考えることが遠回りになるかもしれないけど、本当にやりたいことが見つかるという風に僕は思っているので、ちょっとジャンルを変えた夢も僕は持って生きてきました。
三好:バスケットボールに夢中になっていたので、日本代表になる、プロで活躍して有名な選手になりたいと思っていました。
他の分野だと、結婚とかをしたいなとか。好きなことが「絵を描くこと」なので、絵でお仕事できたらいいなと思っていました。自分には何が合っているのかを探すために、いろんな選択肢を持っていたいというのがありましたね。


――参加生徒の夢は?
生徒:琉球ゴールデンキングスに入って試合することです。そのために、3年後はまず高校でバスケットボールの県大会に出たいです。そして、国体の沖縄県選抜に選ばれたいです。あと、海外にも住みたいので、勉強を頑張って、英語を話せるようになりたいです。

夢をかなえるきっかけ
――プロバスケットボール選手になったプロセスや、きっかけは?
川村:中学2年生の時、全国大会で負けたことですね。それが本当に悔しかったです。同時に、全国に出たら、自分が本当ちっぽけだったことを知りました。本当に悔しかったので、「どうやったら強い相手に勝てるか」「もっとうまくなりたい」と思い、プロ選手になることを決めた気がします。
宮城県の中で、当時一番バスケットボールが強い高校に行こうかと思っていましたが、負けたことをきっかけに、考え方が変わって、強いチームを倒したいと思うようになりました。なので、僕は岩手県の盛岡にある高校に行き、そこで強いチームを倒してやりたいという意識になりました。
高校1年生からだんだん力をつけていって、高校3年生の時には東北の中では1、2を争うチームになれました。少し遠回りしたかもしれないけど、自分で選んだ道が結果的に思い描いてる形に近づけたのかなと思います。
三好:高校1年生の時ですね。1年間、バスケットボールができないというケガをしてしまいました。
強い学校に行って、スターティングメンバーに入って、優勝すると意気込んでいたのに、入学早々、ケガをして、1年間、全くチームに参加できないという経験をしました。その時に、足を動かさなくてもできるリハビリはないか、何ができるかと考えた時に、「シュートは打てる」と思い、シュートをたくさん練習するようになりました。
スリーポイントシュートをたくさん練習する中で、「自分はシュートが得意なんだ」と、自分の強みを見つけることができました。この経験が、プロに入れるようになったきっかけだったと思います。私はリオオリンピック、東京2020オリンピックと2大会連続でスリーポイントシュートのスペシャリストとして日本代表に選んでもらいました。なので、今思うと、プロになれたのも、日本代表に選ばれたのも、オリンピックに出場できたのも、あの時のケガがあったからこそだとおもいます。自分がどうしようもない状況になった時に、落ち込むだけではなく、今何ができるかを自分で考えて見つけて行動に移すことで、自分の強みやいいところが見つかっていくのかなと思います。


これからの夢について
川村:「コーチになって、日本一を目指す」「いつでも自由に使える体育館を作りたい」というのがこれからの夢です。
それから、オリジナリティのある解説者になりたいとも思っています。オリジナリティというのが大事で、小学生からおじいちゃん、おばあちゃんまでどんな人でも楽しんでもらえるような解説をしたいです。
最後に、大きな家を建てて、ゴールデンレトリバーを3匹飼って、北海道と沖縄の別荘を買う。犬が家に3匹いたら、楽しそうじゃないですか(笑)そして、やっぱり別荘。北海道と沖縄に別荘を買うというのも、やっぱり大きな夢で、 簡単には成し遂げられないとは思いますが、色々な方向の夢があると、頑張る支えになると僕は思っています。
三好:もっと、バスケットボールをメジャーなスポーツにしたいです。バスケットボールという競技を広めていくことや、バスケットボールを好きになってもらえるような活動をすることで女子の試合も観客が満員になるスポーツにしたいと思っています。
それから、あと1年後のパリ2024オリンピックで解説をやりたいです。バスケットボール以外では、結婚を少し前にしたので、子どもができたらいいなと思っています。自分の子どもがバスケットボールを好きになってくれて、子どもの試合に応援に行くことができたら本当にうれしいです。
夢を叶えるためには、準備がすごく大事だと思うので、「準備が全て」という事を自分のモットーに生きています。


<参加した先生、生徒の感想>

- 先生:選手の方が常に笑顔で子どもたちと接している光景は、非常に心温まる風景でした。私は国語の教師をしております。生徒に聞くと、国語は面白くない、どう勉強したらいいかわからない、曖昧な教科だと言われます。私のような歳になると、この先の夢というのも…とは思っていましたが、授業を通して、国語は面白いと伝え、国語に興味を持つ生徒を増やしていきたいと改めて思いました。私の夢は、生徒に国語の教師になりたいと言ってもらいたいということです。
- 生徒:「夢だったことを目標といえるようになった時が成長の証」という言葉が印象的だった。
- 生徒:今、夢と言えるものはあまりわからないけど、何事もあきらめず頑張りたい。
- 生徒:プロの選手の話を聞くことはなかなかできないので、貴重な経験となりました。また、バスケをプロの選手と楽しむことができ、うれしかったです。
川村 卓也

元プロバスケットボール選手。
2005年、日本の男子バスケットボール界で、初の高卒プロ契約選手としてデビュー。その後、2023年まで8クラブでプレー。日本代表にも選出される。
現在は、クリニック活動を通じ、子供から大人まで年齢に関係なく指導にあたる。また、Bリーグコメンテーター・バスケットボール解説者としても活動中。
三好 南穂

元バスケットボール日本代表選手。
桜花学園高等学校を卒業後、シャンソンVマジックへ入団。2017年に移籍後、昨年までトヨタ自動車アンテロープスに所属。リオオリンピックではベスト8、東京2020オリンピックでは銀メダルに輝く。第23回Wリーグでは2連覇メンバーとなり、同シーズン終了をもって現役引退。
引退後は2023年5月までトヨタ自動車アンテロープスのサポートコーチを務めた。そして2023年6月以降、トヨタ自動車(株)所属でバスケットボール教室や地域貢献活動に取り組む。