60代で保険は必要?おすすめの生命保険や選ぶ際に見るべきポイント・注意点
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保険
2026.06.08
60代は、定年や働き方の変化とともに、医療費や介護、そして万一のときの備えを現実的に見直すタイミングです。一方で「今さら保険は必要?」「保険料が高くなるのでは?」と迷う方も少なくありません。
この記事では、60代で保険を検討すべき代表的な目的を整理し、優先順位のつけ方と選び方の注意点をわかりやすく解説します。
〈この記事でわかること〉
- ・健康リスクや葬儀費用の準備のために生命保険の加入を検討することが重要である
- ・60代は、医療保険やがん保険を優先して考えると良い
- ・目的に合わせて保障額や保障期間を考えることが大事
- ※記事中で言及している保険に関して、当社が提供する保険と保障内容が異なる商品もあります。
- ※本記事は2025年12月時点の当社取扱商品を記載しております。
60代からの生命保険は本当に必要?
60代からの生命保険加入には、医療費への備えや葬儀費用の準備など、さまざまな目的があります。
- ・病気やケガなどで医療費が増えるリスクが高まる
- ・死後の費用をスムーズに用意するうえで死亡保険は効果的な手段の一つ
- ・資産を保有している方は相続対策にもなる
ご自身の状況に合わせて、必要な保障を見極めることが大切です。
病気などの健康リスクが高まる年代のため
60代以降は、医療機関を受診する機会が増える年代です。厚生労働省の「令和5年(2023)患者調査の概況」によると、65歳以上から受療率(人口10万人あたりの患者数)が大きく上昇します。[注1]
入院や手術を必要とする病気のリスクも上がり、治療期間が長期化するケースも少なくありません。
また、令和6年の人口動態統計によると、死亡率も55歳から増加する傾向にあります。治療費だけでなく、死亡リスクにも備える必要性が高まる年代といえるでしょう。[注2]
葬儀費用やお墓代を準備するため
人生の最期を迎える際には、葬儀費用やお墓代など、まとまった支出が発生します。
葬儀費用は方法や規模によって異なりますが、一般的に数十万円から200万円程度かかるとされ、お墓や納骨堂の費用を含めるとさらに高額になる可能性もあるでしょう。貯蓄で備えていたとしても、金融機関が死亡を把握(連絡を受けるなど)すると口座は凍結されるため、すぐに引き出せない場合があります。
また、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」という制度はありますが、引き出せる金額は口座ごとに「相続開始時の預金額×1/3×自身の法定相続分」であり、同一金融機関全体では150万円が上限です。金額が不十分である可能性があるうえに、手続きも煩雑であるため、比較的速やかに保険金が受け取れる生命保険で準備する方法を検討すると良いでしょう。
配偶者の負担を減らすため
配偶者が残される場合、遺族年金や貯蓄だけでは生活費が不足する可能性があります。特に夫婦の一方が亡くなると、世帯収入が減少するため、経済的な不安が生じるかもしれません。
遺族年金の支給額は、亡くなった方の年金加入状況や配偶者の年齢によって異なります。一般的には、現役時代の収入と比べて減少するため、生活水準を維持するには追加の資金が必要です。そこで生命保険の死亡保障があれば、配偶者の生活費を補填できます。
相続対策をするため
一定以上の資産がある場合、相続税が発生する可能性があります。生命保険を活用し、相続税の負担を軽減することが可能です。
生命保険の死亡保険金には、「500万円×法定相続人の数」という非課税枠が設けられています。たとえば、法定相続人が3人いれば1,500万円まで非課税となり、相続税の課税対象に計上されません。
さらに、生命保険金は受取人を指定できるため、資産を受け取ってほしい人に確実にお金を渡せます。相続税が発生する場合でも、現金を準備しておけば納税資金を確保でき、スムーズな納税も可能です。
60代の生命保険の加入率や保険料はどれくらい?
生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、60歳代の生命保険加入率は男性が86.7%、女性が88.5%でした。また、60歳代の年間払込保険料は、男性で21.2万円、女性で15.9万円でした。[注3]
保険料については、年齢が上がるほど高額になる傾向があります。60代で新たに保険に加入する場合、同じ保障内容でも30代や40代より負担が大きくなることが一般的です。必要以上に手厚い保障をつけると、保険料負担が家計を圧迫する可能性があるため、保障内容と保険料のバランスをしっかりと見極めることが重要です。
60代におすすめの生命保険
60代の方が生命保険を選ぶ際には、健康リスクの高まりや老後の生活設計に合わせた保障を選ぶことが大切です。
- ・入院や手術に備えたい場合は医療保険やがん保険の加入がおすすめ
- ・遺族の生活保障が必要なら死亡保険の加入を検討しよう
- ・持病がある方は引受基準緩和型保険の活用も選択肢の一つ
ご自身の状況に合った保険を選びましょう。
医療保険
医療保険は、入院や手術をした際に給付金を受け取れる保険です。60代は病気のリスクが高まる年代であるため、治療費への備えとして医療保険の重要性が増します。
差額ベッド代(個室や少人数部屋を希望して利用した際の費用)、通院時の交通費、入院中の食事代の一部、先進医療の技術代などは公的保険の対象外です。これらの費用を補うために、医療保険が役立つ可能性があります。
定期型は、10年間や65歳までなど、保障期間が限定されているタイプです。終身型と比較すると保険料を安く抑えられ、特定の期間だけ保障を得られます。
一方で、終身型は保障が一生涯続くタイプです。加入時の保険料が一定で変わらないため、長期的な家計管理がしやすくなります。
がん保険・三大疾病保険
がん保険は、がんと診断された際の一時金やがんで入院・通院・手術をした場合の給付金など、がんに特化した保障が充実しています。治療が長期化する場合でも、給付金があることで経済的な不安を軽減し、治療を継続しやすくなります。
一方、三大疾病保険は日本人の死因の上位を占める「がん(悪性新生物)」「心疾患(急性心筋梗塞)」「脳血管疾患(脳卒中)」に備えるための保険です。
部位にもよりますが、一般的に、年齢が高まるほどがんの罹患率は高まります。また、抗がん剤治療や放射線治療など、がん治療には高額な費用がかかる傾向にあります。がん保険があれば、家計への影響を軽減しつつ、治療の選択肢を広げられるでしょう。
これらの病気は、治療費が高額になるだけでなく、後遺症が現れる可能性や長期的な介護が必要になるケースもあります。保障内容次第では、所定の状態になった際にまとまった一時金が受け取れるため、医療費だけでなく収入減少や介護費用など幅広い支出に対応できます。
死亡保険
死亡保険は、被保険者が亡くなった際に、あらかじめ指定しておいた受取人に保険金が支払われる保険です。遺族の生活を守ったり、葬儀費用を用意したりする目的で活用できます。
定期保険は、10年間や80歳までなど、一定期間のみ保障されるタイプです。保険料が比較的安く、期間限定で保障を手厚くしたい場合に適しています。
終身保険は、一生涯の保障が続くタイプです。いつ亡くなっても必ず保険金が支払われるため、葬儀費用の準備や相続対策に適しています。
介護保険
介護保険は、公的な介護保険制度だけではカバーしきれない経済的な負担に備えるための保険です。保険会社が定める所定の要介護状態になった場合、一時金や年金を受け取れます。
公的介護保険制度では、要介護認定を受けることで介護サービスを1~3割の自己負担で利用できます。しかし、施設入所時の居住費や食費、日常生活費などは全額自己負担です。
特に有料老人ホームへの入居を希望する場合、入居一時金として数百万円から数千万円、月々の費用として15万円から30万円程度が必要になることもあります。公的介護保険だけでは、こうした費用を賄うのは困難です。
民間の介護保険に加入しておけば、介護が必要になった際にまとまった資金を確保でき、利用する介護サービスの選択肢を広げられます。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、持病や過去の病歴(既往歴)がある方でも、加入しやすいように設計された保険です。告知項目が簡素化されており、3つ~5つ程度の質問に答えるだけで加入できる商品が一般的です。
60代になると、高血圧や糖尿病、過去の入院歴などで通常の保険への加入が制限されるケースが増えます。こうした場合でも、引受基準緩和型保険であれば加入できる可能性があります。
ただし、通常の保険と比べて保険料が割高になる点や、加入後一定期間(商品によるが1年程度)は保障額が削減される商品もある点には注意が必要です。また、保障内容も通常の保険と比べて制限される場合があります。
60代で生命保険の加入を検討する際に見るべきポイントや注意点
60代で生命保険に加入する際には、現役世代とは異なる視点での検討が必要です。特に、次のような点に注意しましょう。
- ・必要以上に生命保険に入らないようにする
- ・保険料が家計の負担にならないようにする
- ・健康状態次第では希望の保険に加入できない可能性がある
以下で、60代で生命保険を選ぶ際に押さえておくべきポイントと注意点を解説します。
保険の目的を明確にしておく
生命保険に加入する前に、まず「何のために保険が必要なのか」を明確にしましょう。目的がはっきりしていないと、不要な保障をつけてしまい、過度な保険料の支払いにつながります。
たとえば、医療費への備えが目的であれば医療保険やがん保険、葬儀費用の準備なら終身保険、配偶者の生活保障なら死亡保険という具合に、目的によって最適な保険商品は変わります。
複数の目的がある場合は、それぞれに優先順位をつけると良いでしょう。すべてを保険でカバーしようとすると保険料が高額になるため、貯蓄で対応できる部分と保険が必要な部分を整理することが大切です。
目的に合わせて保障額・保障期間を検討する
保険に加入する目的が明確になったら、次に保障額と保障期間を具体的に考えましょう。必要な保障額は、目的や現在の資産状況によって異なります。
たとえば、配偶者の生活費を保障する場合は、配偶者の今後の生活費や遺族年金の受給額などを総合的に考える必要があります。
保障期間については、目的に応じて選びましょう。葬儀費用や相続対策など、いつか必ず訪れるときに必要となる資金の場合は、終身(一生涯)の保障が適しています。一方、定期保険は、特定の期間だけ遺族の生活費を上乗せしたい場合などに適しています。
保険料を払い続けられるか考える
60代以降は収入が年金中心となり、現役時代と比べて減少するのが一般的です。一方で、医療費や介護費、住宅の修繕費など支出が増える可能性もあります。
このため、保険料を固定費として払い続けられるかどうかを慎重に検討する必要があります。家計全体のバランスを見ながら、無理のない保険料設定を心がけましょう。
本当に必要な保障額なのか、貯蓄で備えるのとどちらが合理的か、きちんと比較することが重要です。年金収入や貯蓄の取り崩し計画、今後予想される支出などを総合的に考慮しましょう。
健康状態による制限に注意が必要
生命保険に加入する際には、原則として健康状態について告知する義務があります。持病や既往歴があると加入できない場合や、特定の病気が保障対象外となる可能性があります。
高血圧や糖尿病、過去5年以内の入院歴や手術歴などがあると、通常の保険には加入できないかもしれません。また、加入できたとしても「特定疾病不担保(特定の病気については保障の対象外とする条件)」という条件がつくことがあります。
まとめ
60代からの生命保険は、現役世代とは異なる視点での検討が必要です。健康リスクが高まる年代であるため、医療費への備えや葬儀費用の準備、配偶者の生活保障など、明確な目的を持って保険を選ぶことが重要です。
また、60代以降は収入が年金中心となるため、保険料を無理なく払い続けられるかを慎重に判断する必要があります。貯蓄で対応できる部分と保険が必要な部分を整理し、バランスの取れた選択を心がけましょう。
監修者プロフィール

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士
柴田充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。







