ある料理教室での出来事です。生徒のAさんはふとしたはずみに大皿を割ってしまいました。
Aさんは、皿代3,000円を弁償しましたが、その時、料理教室の講師の話では、「1年間に10枚くらい割れるんですよ。」ということでした。
そこでAさんは考えました。
「私でなくとも、また、いつか誰かがお皿を割ってしまう。でも、1年に3,000円のお皿が10枚割れるとしたら、30,000円。これを料理教室の会員100名で分担すると年間1人300円ね。これくらいの出費なら誰でも負担にならないんじゃないかな?」
そして、Aさんは会員のみんなを説得してまわり、お皿を割ってしまう可能性に備え、ひとり年間300円を出し合う賛同を得たのです。会員のあいだには、「これで安心してお皿が割れる」と冗談さえも飛び出しました。
実は、このAさんの考え方が保険の仕組みそのものなのです。
言ってみれば、みんなで出し合う300円が保険料(掛け金)、割れた皿の代金が保険会社から支払われる保険金にあたるわけです。