高血圧になるとどんな症状がある?原因や予防方法を解説

読了目安:約6分

病気/ケガ

2026.01.30

「今までは問題なかったのに、あるときの健康診断で血圧が高いと指摘された」という方もいるでしょう。もちろん、たまたま血圧が高くなっただけかもしれません。しかし、放置している間に高血圧症になり、他の病気を引き起こすリスクは避けたいものです。

この記事では、高血圧症と診断される基準や原因およびリスクについて解説しますので、高血圧症の予防や改善につなげてください。

〈この記事でわかること〉

  • 高血圧とは、診察室血圧で最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態
  • 高血圧は「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」の2種類に分類され、日本では約9割が「本態性高血圧症」
  • 「本態性高血圧症」は生活習慣病ともいわれ、遺伝的要因ほか環境要因(生活習慣)が大きく関与する
  • 高血圧は、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの合併症や心不全が起こりやすくなるリスクがある
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高血圧とは

高血圧とは、一時的ではなく常に血圧が正常より高い状態のことです。

具体的には診察室血圧(医療機関で計測する血圧)で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上の状態です。血圧は目覚めや睡眠、運動、緊張など日常のちょっとした動きで変動するため、測定時にたまたま血圧が高いこともあります。しかし何度測っても基準値より高い状態であれば、高血圧と診断されます。

そもそも血圧とは

血圧とは、心臓から送り出される血液が血管(動脈の内壁)を押す力のことです。通常は上腕部の動脈にかかる圧力を指します。

心臓は収縮・拡張を繰り返して血液を送り出すため、その収縮・拡張に応じて動脈にかかる圧力が上下します。心臓が収縮するとき、つまり血液を送り出されるときに動脈にかかる圧力が上がり、心臓が拡張するときには圧力が下がるのです。この、血圧が上下それぞれ最高に達したときの値を「最高血圧または収縮期血圧」、「最低血圧または拡張期血圧」といいます。[注1]

なお、血液の量や末梢の血管の収縮具合によって、血圧は左右されます。

[注1]国立循環器病研究センター「高血圧|病気について」

血圧のしくみ

高血圧の診断基準

高血圧の診断は、「最高血圧(収縮期血圧)」、「最低血圧(拡張期血圧)」の値をもとに行われます。診察室血圧で最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上で高血圧と診断されますが、高血圧にはいくつかの段階があります。[注2]

高血圧の治療は、該当する段階と疾病リスクの兼ね合いで医師が判断して行われます。

なお、全国健康保険協会(協会けんぽ)は、生活習慣病の重症化および合併症の発症を防ぎ、医療費適正化およびQOL(「Quality of Life」の略で、「生活の質」などと訳され、生きる上での満足度(快適さ)を表します。)の維持を図ることを目的として、生活習慣病予防健診(血圧、血糖、脂質)で要治療と判定されながら医療機関を受診していない治療放置者に対して受診勧奨を行っています。この受診勧奨をする際の基準はもともとⅠ度高血圧の基準でしたが、2024年(令和6年)4月からはII度高血圧の基準(収縮期:160mmHg以上/拡張期:100mmHg以上)に変更されました。[注3]

成人における血圧値の分類(mmHg)

分類 診察室血圧 家庭血圧
収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120-129 かつ <80 115-124 かつ <75
高値血圧 130-139 かつ/または 80-89 125-134 かつ/または 75-84
I度高血圧 140-159 かつ/または 90-99 135-144 かつ/または 85-89
II度高血圧 160-179 かつ/または 100-109 145-159 かつ/または 90-99
III度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110 ≧160 かつ/または ≧100
(孤立性)収縮期
高血圧
≧140 かつ <90 ≧135 かつ <85
  • 厚生労働省「e-ヘルスネット「高血圧」」をもとに筆者作表[注2]

[注2]厚生労働省「e-ヘルスネット「高血圧」」

[注3]全国健康保険協会「未治療者の方への受診勧奨(重症化予防事業)」

高血圧の種類

高血圧は「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」の2種類に分類されます。

「本態性高血圧症」は、血圧が高くなる直接的な原因を特定できないもので、日本では高血圧と診断される人の約9割がこのタイプであるようです。直接的な原因はわからないながらも、例えば塩分のとり過ぎや、過剰な飲酒、肥満、運動不足など生活習慣などの環境因子が関与するため生活習慣病と呼ばれます。

「二次性高血圧症」は、甲状腺や副腎など血圧上昇の原因となる病気によるものです。主因となっている病気を治療することで、高血圧も改善されるといわれています。

高血圧になる原因とは

前述したように、「本態性高血圧症」は生活習慣病ともいわれ、遺伝的要因ほか環境要因(生活習慣)が大きく関与します。高血圧の懸念がある人は次のような要素に心当たりがないか、普段の生活習慣を見直してみましょう。

  • 食生活の乱れ
  • 運動不足
  • 加齢
  • 過度の飲酒
  • 喫煙
  • ストレス
  • 肥満・過体重

高血圧のリスク

冒頭でお伝えしたように、一時的に血圧が高くなることはありますが、高血圧状態が長く続くのは大きなリスクを抱えることになってしまいます。

血管の壁は本来弾力性がありますが、血管に強い圧力がかかる状態(高血圧状態)が長く続くと、血管はいつも張りつめた状態におかれます。次第に血管の壁が厚くなり、動脈硬化が進行してしまうのです。その結果、血圧がますます高くなり、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの合併症が起こりやすくなります。

また、血液を送り出す心臓にも負担がかかるため、心臓肥大が起きることで心不全になるリスクも高まります。

高血圧自体には、特有の目立った自覚症状がありません。そのため、早期発見・早期対処ができるように定期的に健康診断を受けたり、家庭で血圧を測定する習慣をつけると良いでしょう。

合併症が起こった場合の入院や手術に備える保険に加入することもおすすめです。持病がある方や、過去に入院・手術をされた方もお申込みいただきやすい保険もあるためご検討ください。

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高血圧の予防・軽減方法

高血圧を予防・軽減するために、以下の習慣を心がけましょう。

減塩をする

規則正しい食生活は生活習慣病を予防するための基本ですが、高血圧予防にはとくに食塩摂取量の制限が欠かせません。

厚生労働省が国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針とする「健康日本21(第二次)」では、食塩摂取の目標を8g未満としています。[注4]

なお、高血圧患者に対しては、日本高血圧学会が食塩摂取量を1日6g未満にすることを目標としています。[注5]

減塩への心がけは調理時の味付けだけでなく、食事をする際の習慣も大切です。減塩に有効とされる食行動の例をまとめましたので参考にしてください。

減塩に有効とされる食行動の例

漬け物は控える 自家製浅漬けにして、少量に
麺類の汁は残す 全部残せば2~3g減塩できる
新鮮な食材を用いる 食材の持ち味で薄味の調理
具だくさんのみそ汁にする 同じ味付けでも減塩できる
むやみに調味料を使わない 味付けを確かめて使う
低ナトリウムの調味料を使う 酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する
香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる
外食や加工食品を控える 目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する
  • 厚生労働省「e-ヘルスネット「高血圧」」をもとに筆者作表[注6]

[注4]厚生労働省「健康日本21(第二次)」

[注5]日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編)「高血圧治療ガイドライン2019」

[注6]厚生労働省「e-ヘルスネット「高血圧」」

定期的に運動を行う

散歩や自分のペースでのジョギング・ラジオ体操・自転車に乗るなどの軽い運動は、血管を広げて血液の流れを良くし、血圧を下げる効果があります。また、運動をして汗を流すことで、体内の余分な塩分を排泄できます。減量やストレス解消にもよいため、高血圧の予防や改善に運動は欠かせません。

ただし、運動の許容度には個人差があります。すでに高血圧の懸念がある場合には、医師に相談してから行いましょう。

肥満を予防する

肥満は、血圧上昇や心臓への負担、動脈硬化の進行などのリスクを高めてしまいます。食事や運動などで肥満予防に努めましょう。

男女ともに、国際標準指標であるBMI(BodyMassIndex)が25以上であれば肥満といわれています。

BMI=体重(kg)÷身長(m)2

なお、BMIが25以上である場合は減量を行う必要性がありますが、最適な減量方法には個人差があります。無理に体重を減らすのではなく、医師に相談しながら取り組んでください。

ストレス解消・軽減をする

精神的ストレスは血管を収縮して、血圧が上昇しやすくなります。慢性化すると自覚症状が薄れるので、趣味や軽い運動など気分転換になることをして、ストレス解消に取り組みましょう。

また、すべてを一人で抱え込む性格の方はストレスを抱えやすく、高血圧につながることがあります。悩みがあるとき、適度に発散する方法を見つけておくとよいでしょう。

睡眠と休養をとる

過労や緊張は心身ともにストレスのもととなります。日頃から充分な睡眠と定期的な休養をとることで、心身の緊張や疲れを残さないようにしましょう。

睡眠不足で蓄積する「睡眠負債」の状況にある方は、睡眠障害かもしれません。早めに医師に相談しましょう。

禁煙をする

喫煙すると血管が収縮して、血圧を上昇させます。また、血液の流れを悪くし、血液が凝固しやすくなり、動脈硬化の原因となります。喫煙している人は、本数を少なくすることや禁煙に努めましょう。なかなか禁煙をするのが難しい場合は、禁煙外来など専門的な指導・治療を受けることをおすすめします。

まとめ

高血圧は、診察室血圧で最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続く状態です。目立った自覚症状がないため、ほとんどの場合は血圧測定をして初めて高血圧であると診断されます。高血圧は遺伝的な要因もありますが、主に食生活の乱れや運動不足、喫煙などの生活習慣が大きく影響します。高血圧の状態が長く続くと動脈硬化が進行し、脳や腎臓、心臓、網膜などの疾患につながるため注意が必要です。定期的な検診を受けるとともに、日頃の生活習慣を見直して高血圧の予防に努めましょう。高血圧と診断された場合でも、医師の指導やアドバイスのもと生活習慣の改善や適切な治療を受けることで、改善が期待できます。

監修者プロフィール

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士

柴田充輝

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険だけでなく民間保険、家計相談などの実務を担当。
FP1級と社会保険労務士資格を活かして、家計や生活・保険の見直し、資産運用に関するアドバイスを行っている。保険関連全般や資産運用メディアへの執筆記事多数。

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