生命保険料控除とは?
対象者・申請方法について解説
税制
2024.11.13

生命保険に加入している方は、生命保険料控除を受けられます。生命保険料控除とは税負担を抑えるための制度で、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類があります。
会社員や公務員の方は勤務先を通じて、自営業者やフリーランスの方は確定申告を通じて生命保険料控除の手続きを行いましょう。
この記事では、生命保険料控除の仕組みや対象者、申請方法について解説します。
目次
生命保険料控除とは
生命保険料控除とは、税金の負担を軽減する仕組みのひとつです。生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った年について、支払った保険料額に応じて一定金額の所得控除を受けられます。[※1]
税額の計算は、収入から控除を差し引いた課税所得をベースに行います。生命保険料控除を受けることで課税所得が減るため、税額を抑えられる仕組みです。
- ※1国税庁「No.1140 生命保険料控除」
生命保険料控除の対象となる保険の範囲
具体的に、どのような保険が生命保険料控除の対象になるのでしょうか。

一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の対象となる保障内容と主な保険商品の例は以下の通りです。
保険料控除の種類 | 保障内容 | 商品例 |
---|---|---|
一般生命保険料控除 | 生存または死亡にともない一定額の保険金が支払われる保険契約 | 終身保険、定期保険、学資保険等 |
介護医療保険料控除 | 病気やケガで医療費を支払うことによって、保険金等が支払われる保険契約 | 医療保険、介護保険等 |
個人年金保険料控除 | 個人年金保険料税制適格特約が付加された保険契約 | 個人年金保険等 |
- ※保険期間が5年未満の貯蓄保険や貯蓄共済、外国の生命保険会社や外国損害保険会社と日本国外で締結した保険契約などは対象外
- ※契約日が2012年1月1日以降の場合
参考:国税庁「No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等」
どの生命保険料控除の対象であるかは、保険会社から送付される生命保険料控除証明書で確認することができます。不安がある場合は、事前にホームページやパンフレットを確認して、控除の対象となるか確認するとよいでしょう。
生命保険料控除の申請方法と手続きの流れ
実際に、生命保険料控除を受ける際の申請方法や手続きの流れを解説します。

会社員などの給与取得者
会社員や公務員の方(給与所得者)は、勤務先での年末調整を通じて保険料控除の申告を行います。
勤務先から渡される「給与所得者の保険料控除等申告書」に必要事項を記入し、支払った保険料の額を証明する書類(生命保険会社から届くはがき)を給与の支払者へ提出しましょう。本人が税務署で行う手続きはありません。[※2]
ただし、会社員でも年間の収入が2,000万円を超えている方は年末調整を受けられないため、自分で確定申告を行う必要があります。
- ※2国税庁「A2-3 給与所得者の保険料控除の申告」
自営業者
自営業者の方は年末調整がないため、確定申告の際に自分自身で生命保険料控除の手続きを行う必要があります。
翌年2月16日から3月15日までのあいだに、保険料を支払ったことを証明する書類を確定申告書に添付し、控除を受ける流れです。なお、e-Taxで確定申告する場合は証明書の添付を省略できます。
会社員等の方でも自営業者の方でも、それぞれの方法できちんと自分で手続きしないと生命保険料控除を受けられないため、注意しましょう。
生命保険料控除の申請方法についてのよくある質問
最後に、生命保険料控除の申請方法についてよくある質問を紹介します。
生命保険料控除の手続きを忘れてしまった・間に合わなかった場合はどうすればいい?
生命保険料控除の手続きを忘れてしまった場合でも、5年以内であれば税務署で生命保険料控除の手続きをすることで、税金の還付を受けられます。なお、手続きには保険料を支払ったことを証明する書類(保険料控除証明書等)が必要です。[※3]
- ※3国税庁「【確定申告・還付申告】」
生命保険料控除証明書を紛失してしまった場合はどうすればいい?
生命保険料控除証明書を紛失してしまった場合でも、契約している保険会社へ電話またはインターネットなどで再発行を依頼できます。
参照:日本生命オフィシャルサイト「生命保険料控除証明書の再発行」
生命保険料控除の申請を忘れずに
生命保険料控除の適用を受ければ、税金を抑えられます。
契約している生命保険がある方は、忘れずに控除の申請を行いましょう。
税金の負担を抑えるためにも、生命保険料控除の仕組みを理解しておきましょう。
監修者プロフィール
續恵美子(つづき・えみこ)
ファイナンシャルプランナー(CFP®、ファイナンシャル・プランニング技能士)
生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。
渡仏後は2年の自己投資期間を取り、地元の大学で経営学修士号を取得。地元企業で約7年半の会社員生活を送ったあと、フリーランスとして念願のファイナンシャルプランナーに。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
- ※当資料に記載の内容は、2024年8月現在の税制・関係法令等に基づき税務の取扱等について記載しております。
今後、税務の取扱等が変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。個別の税務の取扱等については(顧問)税理士や所轄の国税局・税務署等にご確認ください。
【控除区分別】日本生命が取り扱う保険商品
生命保険料控除の対象となる商品を控除区分別にご紹介します!
- ※ご紹介の商品は一例となります。
一般生命保険料控除の対象となる商品
介護医療保険料控除の対象となる商品
個人年金保険料控除の対象となる商品
- ※個人年金保険料税制適格特約が付加されている場合に限ります。