【よくわかる「がん」のメカニズム】
③早期発見のために重要な検査や診断とは

2024.08.30

がんの早期発見のために

がんとの闘いのカギを握るのは早期発見。
症状のないうちから発見に努めることが重要です。
がんの検査や診断についてみていきます。

早期発見助かる命

がんは進行度(ステージ)が低いほど生存率が高く、とりわけ、がんが筋層にとどまり、リンパ節に転移していないステージⅠの段階では、多くのがんで生存率が9割を超えているため、いかに早い段階で発見できるかが重要です。
ステージ別5年生存率
ステージ別5年生存率
ステージ別5年生存率

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」2013-2014年5年相対生存率

国際的にも低い日本の検診受診率

そこで早期発見の武器となるのががん検診ですが、日本ではまだ多くのがん検診で受診率が過半数にも届いていない状況です。子宮頸がんの例をみても、諸外国に比べて低水準にとどまっています。厚生労働省の「国民生活基礎調査」で直近の2022年と2019年のがん検診受診率を比較してもおおむね横ばいとなっており、顕著な改善傾向は見られません。
がん検診の受診割合(2022年実績)
がん検診の受診割合(2022年実績)

出典:厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」

※ 入院者は含まない。※ 算定年齢対象40歳から69歳(胃がん検診の受診者は50歳から69歳。子宮がん(子宮頸がん)検診の受診者は20歳から69歳。)※過去1年間の受診率(胃がん検診・子宮がん(子宮頸がん)検診・乳がん検診は過去2年間の受診率)

子宮頸がん検診(20〜69歳)受診率(%)
子宮頸がん検診(20〜69歳)受診率(%)

出典:(公財)がん研究振興財団「がんの統計2023」がん検診受診率の国際比較

資料:OECD, OECD Health Statistics 2022.
(http://stats.oecd.org/index.aspx?DataSetCode=HEALTH_PROC)
OECD,OECD Health Statistics 2022 Definitions,Sources and Methods.
(http://stats.oecd.org/wbos/fileview2.aspx?IDFile=839106ea-625f-4ff4-87a8-1201a8647af5)

※ 入院者は含まない。※日本は「2年に1度」の受診が推奨されているため、当該年とその前年の検診受診者数の合計(2年分)に基づく受診率

国も検診受診率向上に取り組んでいます

国は、以下に記載の5つのがん検診について「死亡率の減少に効果あり」として受診を推奨しています。
お住まいの市町村で無料、または一部の自己負担で受診できるほか、職場で受けられる場合もあります。
市町村や勤務する会社の担当部署にお尋ねのうえ、定期的な受診をおすすめします。
国の指針で定めるがん検診の内容
(2024年1月現在)
国の指針で定めるがん検診の内容

出典:厚生労働省「がん検診」より作成

* 当分の間、胃部エックス線検査については、40歳以上を対象に1年に1回実施可

がん検診、正しい理解のために

がん検診の受診には、一般に以下のようなメリットとデメリットがあるとされています。
国が推奨している上記のがん検診については、検診によるメリットが確認され、デメリットがもっとも小さくなることが考慮されています。 がん検診に対する理解を深め、健康と安心のために適切に利用してください。
期待されるメリット
懸念されるデメリット

* 「偽陰性」とはがんが見つけにくい場所や形をしている場合に発見できないこと、「偽陽性」とは検診でがんを疑われ精密検査を行ったが、がんが発見されないこと、「過剰診断」とは命を脅かさないがんを発見すること。

もし、がんと疑われたら

がんの検査、診断は以下のように慎重に段階を経て行われます。
主ながんの検査項目
主ながんの検査項目
監修:公益財団法人日本生命済生会日本生命病院
生24-3577,営業企画部
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