【よくわかる「がん」のメカニズム】
②「がん」について詳しく知りましょう
2024.08.30
「がん」の正体
「がん」とは一体、何ものなのでしょうか?
「絶対がんにならない体」を
手に入れることは不可能です
がんにかかる人は年々増え続けています。高齢化が進んだことや、不適切な食生活、喫煙、適量を超えるアルコールの摂取、運動不足などの生活習慣がそのリスクを高めているとも指摘されています。
例えば、喫煙者は非喫煙者に比べ、肺がんのリスクが4.2〜4.5倍に高まることがわかっています。
例えば、喫煙者は非喫煙者に比べ、肺がんのリスクが4.2〜4.5倍に高まることがわかっています。
出典:国立がん研究センターがん対策研究所「多目的コホート研究の成果」より作成
がんの始まりは、遺伝子の損傷
私たちの体には約60兆個の細胞が存在しています。これらの細胞は、たばこや大気汚染物質などの遺伝子を傷つける能力を持った物質にさらされており、常に遺伝子が傷つく危険性があります。約60兆個の細胞が入れ替わっていくうち、たった1個の細胞の中の、たった1個の遺伝子に異常が生じることががんの始まりです。しかし、遺伝子が損傷を受けたからといってすべての細胞ががん化するわけではありません。がん遺伝子やがん抑制遺伝子と呼ばれる特殊な遺伝子が損傷を受けた場合のみ、がん細胞になるのです。

1個の遺伝子に異常が生じた細胞は、複数の遺伝子異常が蓄積することにより、がん細胞に変わっていくと考えられます。このような経過を経るため、1個のがん細胞ががんと診断される大きさになるまで、一般的に10~20年かかるとされています。*

*出典:文部科学省「がん教育推進のための教材」
上記に加え、細菌やウイルスの感染により
がんが発生することもあります。
がんが発生することもあります。
増え続け、飛び火し、
栄養を吸い尽くすがん
さらに怖いのは、がんは一度発生すると、どんどん増殖を繰り返し、周囲へしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火したり(転移)することです。
がんは正常な細胞の分まで体内の栄養をどんどん吸い尽くしていきます。がんになった人がやせていくのはこのためです。また、進行したがんが神経に障がいを与えると体の痛みを引き起こしたりもします。
がんは正常な細胞の分まで体内の栄養をどんどん吸い尽くしていきます。がんになった人がやせていくのはこのためです。また、進行したがんが神経に障がいを与えると体の痛みを引き起こしたりもします。

がんのステージとは?
がんの大きさや他の臓器への広がり方などでがんを分類し、進行の程度を判定するための基準を「ステージ」、または「病期」と呼びます。
様々な分類がありますが、一例として、国際対がん連合の「TNM分類」では、がんの大きさ(T因子)、周辺のリンパ節への転移の有無(N因子)、他の臓器への転移の有無(M因子)から、ステージ0~Ⅳの5つに分類しています。ステージ0に近いほどがんが小さくとどまっている状態、ステージⅣに近いほどがんが広がっている状態です。ステージに応じて治療法も変わることがあります。
様々な分類がありますが、一例として、国際対がん連合の「TNM分類」では、がんの大きさ(T因子)、周辺のリンパ節への転移の有無(N因子)、他の臓器への転移の有無(M因子)から、ステージ0~Ⅳの5つに分類しています。ステージ0に近いほどがんが小さくとどまっている状態、ステージⅣに近いほどがんが広がっている状態です。ステージに応じて治療法も変わることがあります。

※ 上記の分類の説明は目安であり、実際はがんの種類によって内容が異なり、また、さらに細かく分類されていることもあります。
*1上皮内がん(上皮内新生物)とは
がん細胞が、臓器の表面を覆う上皮内にとどまっている「上皮内がん(上皮内新生物)」と呼ばれるものもあり、切除すればほとんどが治ります。この上皮内がんがよく見つかるのは、子宮頸部です。

*2 がんの種類によっては、基底膜を越えても転移しない場合があります。
監修:公益財団法人日本生命済生会日本生命病院
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