ニッセイサステナ通信 Photo by 福山雅治 「責任投融資」篇

CMに登場した「責任投融資」について、今回のCMの舞台となったユーラス河津ウインドファームに投資を決めたという責任投融資推進室室長の宮本さんにお話を伺った。


お客様の未来を守るために、地球の未来を守っている。

日本生命は、お客様から預かった保険料を、さまざまな企業に投資・運用することで、お金を増やして最終的にお客様に還元できるようにしています。その額は、約85兆円。

大きな額を扱っているからこそ、地球の未来につながる企業に投資することで、誰もが安心して暮らせる未来につなげたいと考えています。

そのような、サステナビリティにつながる投融資を、「責任投融資」と呼びます。

利益を得るための投融資から、解決するための投融資へ。

実は責任投融資は、最近進化をしているんです。

これまで、サステナビリティの観点でこの先成長が見込め、利益を得られそうな企業への投資を行うのがスタンダードでした。

しかし、長期の投融資が可能な日本生命だからこそ、その先の『社会課題を積極的に自分たちで解決していくこと』を大切にしています。

利益を得られるからやる、だけではなく、もっと大きな社会課題の解決につなげる、というところに変わってきている。

それこそが、誰もが安心して暮らせる社会につながると思うんです。

日本生命が、風力発電に投融資する理由。

投融資先は多数ありますが、その中でも私たちが特に重点を置いているのは、「気候変動」「自然資本」です。ちょっと難しいのですが、“プラネタリーバウンダリー”という、地球の環境に変化が加わっても元の状態に戻り、地球環境が安定した状態を保てる限界の範囲を示したものがあります。

そんな、“一定のラインを超えると、現在の穏やかな地球環境にもう戻れなくなってしまう境界線”において、「気候変動」「自然資本」は、ギリギリのラインにあります。

今回のCMに登場した風力発電は、発電過程でCO2が発生しない、再生可能エネルギーです。

つまり、気候変動の改善に直結するため、私たちがとても大切にしている投資先になります。

土地は安全か。ちゃんと風が吹きそうか。設備への不安はないか…など、実際に現地に行って、目で見て、話して、投資先を決めることを大切にしています。

昔、バイオマス発電への投資を決めたときは、インドネシアの奥地まで実際に行ってきました。

大切なのは、数字ではなく、ゴール。

“CO2の数値がこれくらい減るんです”というだけの報告は、僕は好きじゃないんです。

その先の、世の中への影響こそが大切。その数値によって、結果気温上昇をどのくらい抑えることができるのか。最終ゴールに対してどれくらい寄与するのか。

そこまで考えている企業に投資したいと思うし、自分たちも気をつけるようにしています。

未来への指針を作り、仲間を作る。

実は、投融資をするだけでなく、自分たちで脱炭素社会に貢献できるような指針をまとめて、さまざまな場所で発表を行なったりもしています。

その指針が、国内外の多くの方から賛同を得られた時は嬉しかったです。

最初はやっぱり自分たちの考えを大きく公表することはリスクだ、という意見もあったんですが、おなじ考えの仲間ができて、未来への大きな流れの一つを作れたのではと自信になりました。


数値をゼロにしよう、ではなく、安心できる暮らしを守るために、政府・企業・そして一人ひとりが意識することが大事だという宮本さん。

投融資先を決め、運用するのはもちろん、未来への大きな流れを作り出すために活動している。

風力発電所の前。未来について語る宮本さんには、いい風が吹いていた。

インタビューされた人

日本生命 財務企画部 責任投融資推進室 室長
宮本 泰俊さん

資産運用の仕事にこれまで20年以上関わり、さまざまなお客様やプロジェクトへの投融資に携わってきました。現在は、社会課題の解決へ貢献する、責任投融資の取り組みを推進する役割を担い、新たな方針の企画や、積極的な情報発信を行っています。

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