当社は、持続可能な社会の実現に向けて、2017年3月にPRIに署名しています。
2020年の活動を対象とした2021年のPRI年次評価においては、「投資ポリシーとスチュワードシップ・ポリシー」、「国債・国際機関債・準ソブリン債投資」、「社債投資」、「不動産投資」の4分野で最高評価の「5つ星」を獲得しました。また、残りの4分野においても、「4つ星」を獲得しました。
2021年7月には、当社執行役員の木村武がPRIの理事に就任しました。
また、当社はPRIが2023年10月に東京で開催する年次カンファレンス「PRI in Person」において、保険会社として世界で初めてリードスポンサーに選定されました。
ESG投融資
関連するサステナビリティ重要課題 |
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当社は創業以来、「共存共栄」「相互扶助」という生命保険事業の基本精神にもとづき、お客様の利益を最優先に考え、長期的な視点で堅実な経営に努めるとともに、資産運用においても、社会公共性に資する投融資を実施してまいりました。
環境(E:Environment)、社会(S:Social)、ガバナンス(G:Governance)の課題を考慮するESG投融資は、SDGs*達成に向けた取組みを投融資の面から後押しするものであると同時に、当社が重視してきた収益性、安全性に加え公共性にも配慮した資産運用と本質的に同根をなし、中長期的な観点から、従来の投融資判断を高度化するものだと考えております。
加えて、投融資判断において環境・社会課題を考慮することで、全ての企業の事業活動の基盤となっている地球環境・社会の持続可能性が高まるうえ、投融資先企業は、環境や社会の課題解決を目指し、社会需要に沿った収益機会を捕捉することで、企業価値を高めていくことができます。
このように、ESG投融資は持続可能な社会の実現と投融資先の企業価値向上の両立に寄与するものであり、その結果としての運用収益の向上を、保険金・給付金等の確実なお支払いやご契約者配当の安定的なお支払いといった、お客様の利益の拡大につなげてまいります。
*SDGsとは、2015年9月に国連総会で採択された、持続可能な発展のために世界が共有して取り組む17の目標と169のターゲットからなる国際目標です。
また、当社では、気候変動を資産運用上の重要なESGリスクと捉え、資金提供や対話を通じて投融資先企業の脱炭素化に向けた取組みを後押ししてまいりました。こうした中、気候変動への対応を一層強化する観点から、2050年に温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す日本政府の方針に賛同するとともに、資産運用ポートフォリオにおける排出量(※)について、2050年にネットゼロとすることを目指し、2030年の中間目標を設定しております。
- ※投資先排出量:内外上場株式・内外社債・不動産
2030年中間目標 | |
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総排出量 |
▲45%以上削減(2010年比) |
インテンシティ* |
▲49%以上削減(2020年比) |
- *投資1単位当たりの排出量、総排出量÷投資残高
このような当社のESGに関する取組みを、より詳細にステークホルダーの皆様にご報告することを目的とし、「ESGレポート」を発行しております。
ESG投融資レポート | |
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2023年 | |
2022年 | |
2021年 |
ESG投融資ガイドライン
当社は、生命保険会社としての社会的責務をふまえ、すべての資産クラスにおいて、資産特性・地域特性に応じ、中長期的な視点から、環境・社会・ガバナンスの観点(※)を考慮した資産運用を行います。生命保険事業の使命や公共性、重要な社会課題への対応の観点から、一部の企業や事業に対して投融資を行いません。投融資やスチュワードシップ活動を通じて、持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ・アウトカムの創出を目指すとともに、長期安定的な運用収益の確保に努めてまいります。
※当社が重視するESGテーマ(スチュワードシップ活動含む)
気候変動対応は、グローバルに取り組むべき優先課題の一つであり、世界各国の科学者で構成される政府間パネル(IPCC)の研究などにおいて、今後大幅な温室効果ガスの排出量の削減が必要とされています。
当社の資産運用領域では、投融資ポートフォリオの2030年排出量の削減目標、ならびに2050年までのネットゼロの実現に向けて、脱炭素取り組みに資する資金提供や主に多排出の企業への働きかけの両面で取り組みを進めていきます。
人権問題は、強制労働や差別、ハラスメントなど、すべての人が生まれながらにして持っている基本的な権利を侵害する行為を指します。2011年に国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を策定して以降、人権に配慮した企業経営を求める声が国際的に高まり、各国政府が基準の策定を進めています。日本でも2022年に政府が人権尊重のためのガイドラインを公表しており、当社の資産運用領域でも、当ガイドラインをふまえた取り組みを進めていきます。
人的資本経営とは、人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営の在り方で、業種を問わず企業価値向上に繋がる重要なテーマであると認識しています。とりわけ、企業経営において経営戦略と人材戦略を連動させることが重要との認識の下、企業の人的資本経営に関連する取り組みを後押ししていきます。
その他、自然資本、ウェル・ビーイング、ダイバーシティ、地域社会、役員報酬、少数株主利益、買収防衛策、取締役の独立性などのテーマに取り組んでおり、当社「ESG投融資レポート」やウェブサイトなどに随時更新いたします。
- すべての資産クラスにおける運用プロセスにESGの要素を組み込み(インテグレーション)社会課題解決に資する資金提供に取り組んでまいります。具体的には、すべての資産クラスに対して当社独自のESG評価(ESGレーティングの付与)を行い、個別投融資の判断に活用してまいります。
- 株式、社債、融資、不動産については、ポートフォリオにおけるESGレーティング別の残高占率ルールを設定し、ESG取り組みの優れた投融資先に優先的に資金を提供するとともに、ESG取り組みに改善の余地があると考えられる投融資先には、対話などを通じてESG取り組みを後押しすることで、投融資先全体のESG取り組みの進展に貢献してまいります。
- 資金使途がSDGsのテーマなどにつながるテーマ投融資において、提供した資金によって世の中に生み出されるサステナビリティ・アウトカムを特に重視し、社会課題の解決に貢献してまいります。
- 投融資先企業との建設的な対話(エンゲージメント)において、ESGの観点も含む非財務情報の開示充実を求め、当社が重要と考えるESGをテーマとする対話を行うとともに、適切なスチュワードシップ活動を実施することで、ESG課題の解決をサポートし、投融資先企業の持続可能な成長ならびにサステナビリティ・アウトカムの創出を後押ししてまいります。また、国内外のイニシアティブへの参加も含め、協働エンゲージメントも実施し、投融資先企業への働きかけに取り組んでまいります。複数年に亘る対話を通じての働きかけにも関わらず、投融資先の取り組みに改善が期待できない場合、「議決権行使精査要領」に従った議決権行使における反対や投融資方針の見直し、保有資産の売却などを検討します。
- 短期的・画一的ではなく、中長期かつ国・業種・企業ごとの多様性を尊重したESG投融資を基本としますが、生命保険事業の使命や公共性、重要な社会課題への対応の観点から、一部の企業や事業に対しては投融資を行いません(ネガティブ・スクリーニング)。なお、国際条約の動向や国内外のイニシアティブが策定する基準などをふまえながら、継続的に対象範囲を見直し、当社「ESG投融資レポート」やウェブサイトなどに随時更新してまいります。
- 投融資先に対するエンゲージメントに加えて、お客様本位の業務運営の取り組みの一環として、最終受益者としてのお客様(ご契約者)に対するエンゲージメントを通じてESGに関する認識・価値観を把握し、意向をふまえながらESG投融資に取り組むことで、信頼関係の構築につなげてまいります。
- ESGに関する国内外のイニシアティブや各省庁が主催する勉強会、検討会への参加を通じて、日本の地域事情に応じた意見発信を行ってまいります。また、気候変動対応や人権重視などの、当社が目指すサステナビリティ・アウトカムの創出と整合するよう、政策決定に大きな影響を及ぼす国・政策当局へのポリシーエンゲージメントも実施してまいります。
- 国内外の金融機関、政府、地域・社会の幅広いステークホルダーとの関係構築を図りながらESG投融資に関する活動内容について積極的な発信を行い、ESG投融資の普及ひいては金融市場の健全な発展に貢献してまいります。
- グループ全体でESG投融資の推進・強化を図るべく、相互にESG投融資に関するノウハウや課題を共有することにより、シナジーを創出しながら、グループ一体でESG投融資の高度化を図ってまいります。
- 利益相反防止の観点から、営業部門と資産運用部門の組織を分離し、取引関係の有無などに関わらず資産運用部門が独立して投融資判断を行う体制構築に取り組んでまいります。また、当社の投融資先に対する議決権行使についても、投融資先企業との保険取引関係の有無などに関わらず、資産運用部門が独立して判断を行ってまいります。
主なESG投融資手法
当社では、「ESG投融資の取組方針」のもと、資産特性や地域特性に応じ、ひとつの手法に偏ることなくさまざまな手法をバランスよく活用することで、「収益性の確保」「持続可能な社会の実現」を両立し、お客様利益の拡大に努めています。
<日本生命のESG投融資>
■インテグレーション
当社は、全ての資産クラスでESGの要素を投融資プロセスに組み込むインテグレーションを実施しています。
具体的には、資産特性に応じた方法で投融資先のESG取り組みを評価したうえで、財務分析などの従来の分析に、企業価値や信用力への影響などの観点でESG評価を加味し、投融資判断を行っています。
ESG評価を行う際には、例えば株式や社債への投資では、企業との対話から得た情報や、10年以上にわたりESG評価を行っているグループ会社のニッセイアセットマネジメントからの情報に加えて、統合報告書などの開示情報やESGベンダーの情報など、さまざまな情報をバランスよく活用しています。
さらに、ESG評価によって特定した投融資先の重要課題については、対話を通じて状況を確認するとともに取り組みの後押しを行っていきます。このようにインテグレーションとエンゲージメントを連動させた取り組みを行うことで、投融資先の企業価値の向上を通じた、ポートフォリオのリスクの低減とリターンの向上を目指しています。
<株式>
- 投資先企業との対話を通じて得た情報やESG評価機関の情報等を基に、投資先企業のESG取組みを評価します。
- 企業分析における定性評価に、投資先企業の企業価値に影響を与えるかという観点でESG評価を加味し、収益予測やバリュエーションの定量評価と合わせて投資判断を行います。
<融資>
- 融資先の企業訪問を通じて得た情報等を基に、融資先企業のESG取組みを評価します。
- 企業分析における定性評価に、融資先企業の信用力に影響を与えるかという観点でESG評価を加味し、財務分析等の定量評価と合わせて案件審査を行います。
- プロジェクトファイナンスにおいては、赤道原則も踏まえ、環境・社会リスクにも留意した案件審査を行います。ESGの要素も踏まえて社内格付を付与するほか、個別の案件審査においてもESG要素を考慮します。
<国債>
- 国際統計やESG評価機関の情報等を基に、投資先のESG取組みを評価します。
- 投資対象の分析における定性評価に、投資先の信用力に影響を与えるかという観点でESG評価を加味し、経済・財政分析や金利水準等の定量評価と合わせて投資判断を行います。
<社債>
- 投資先企業との対話を通じて得た情報等を基に、投資先企業のESG取組みを評価します。
- 企業分析における定性評価に、投資先の返済能力に影響を与えるかという観点でESG評価を加味し、財務分析や金利水準等の定量評価と合わせて投資判断を行います。
<不動産>
- 環境に配慮した建築基準を設けるとともに、省エネ・CO2削減に向けた機器導入等を進め、投資不動産における環境・社会認証を積極的に取得します。
- 不動産施工会社の選定にあたっては、工事実施や資材調達における環境・社会配慮の取組み状況を確認します。
- ※外部委託については、運用戦略や資産特性も踏まえつつ、委託先のESGに関する方針やESGインテグレーションなどの取り組み状況について確認し、投資判断において考慮します。
■テーマ投融資
2015年の国連サミットにおいて、グローバルな社会課題を解決し持続可能な世界を実現するための国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、2030年を達成期限として「17の目標」と「169のターゲット」が定められました。世界中の企業は、SDGsを経営に組み込み、2030年までに達成すべき共通のゴールを目指して取り組みを進めており、当社の資産運用においても、資金提供などを通じて企業の取り組みを後押しすることで、持続可能な社会の実現への貢献を目指しています。
そのため、当社は資金使途がSDGsのテーマなどにつながるESGテーマ投融資について、累計投融資実施額5兆円の目標(2017年度~2030年度)を設定しており、2023年9月末時点での累計投融資実績額は、2兆3,100億円を超えています。
また、グリーン・ファイナンスに加え、トランジションやイノベーションなどへのファイナンスを対象とする脱炭素ファイナンス枠をESGテーマ投融資の内枠として設け、3兆円の目標(2017年度~2030年度)を設定しています。
今後も、社会課題の解決と、資産運用リスク・リターンの向上の双方に資する投融資案件の発掘を進め、ESGテーマ投融資の取り組みを進めてまいります。
<ESGテーマ投融資目標5兆円における進捗状況>
2023年9月末における内訳
<ESGテーマ投融資を通じて創出したアウトカム例>
アウトカムとは、実社会に対するポジティブなインパクトの創出、あるいはネガティブなインパクトの削減を示す成果や効果を指し、サステナビリティ・アウトカムとも呼ばれます。当社が創出したアウトカムは、投融資先企業が提供している情報をもとに、投融資額の持ち分を考慮した上で算出しています。
- (※1)供給人数は、淡水化プラント等の生活用水提供キャパシティを世界の平均年間水使用量(一人当たり)で除して年換算ベースで算出しております。
- (※2)供給人数は、一日当たりの患者数を年換算しております。
■インパクト投資
インパクト投資とは、①投資を通じて環境面・社会面のインパクトを創出する「意図」を有すること、②経済的リターンの獲得を目指す投資であること、③投資に伴う「インパクト測定・報告」を行うこと、の3点を満たす投資です。インパクトの特定にあたっては、投資によって生み出そうとするポジティブなインパクトと、緩和・管理すべきネガティブ・インパクトの両面をネットして評価・計測していく必要があります。
当社は2020年7月に、TPG社の関連会社が運用するファンドへの投資を機にインパクト投資を開始しており、2023年9月末時点で約2,300億円※の投資額を積み上げています。
投資したファンドからは、リターンに加えて投資先が創出したアウトカムなどのレポーティングを受けており、定期的にモニタリングを実施するとともに、インパクトの知見・ノウハウの吸収を図っています。
- ※インパクトファンド、サステナビリティ・リンク・ボンド/ローン、ポジティブインパクトファイナンスを対象
- ※プライベートエクイティファンドについては、コミットメント額で計算
■ネガティブ・スクリーニング
生命保険事業の使命や公共性に鑑み、クラスター弾や生物兵器、対人地雷、化学兵器、核兵器の製造を行っている企業に対する投融資を禁止しています。
加えて、その他の重要な社会課題への対応の観点から、パーム油関連企業※やタバコ関連企業にも投融資を禁止しています。
また、国連で採択されたSDGsやパリ協定などを受け、国際的に気候変動への関心が急速に高まっている状況をふまえ、石炭関連プロジェクト(1.5℃パスウェイに沿ったブラウンフィールドのプロジェクトは除く)と石油・ガス関連プロジェクトのうち、(1)グリーンフィールドの資源開発プロジェクト、(2)資源開発以外の関連プロジェクト(1.5℃パスウェイに沿ったガス関連プロジェクトは除く)への新規投融資については、国内外問わず取り組まない方針としています。
- ※RSPO認証取得率が100%の企業を除く
■エンゲージメント
長期投資を行う機関投資家として、投資先企業との環境・社会の要素も考慮に入れた建設的な対話を通じて、投資先企業の中長期的な企業価値向上につなげるとともに「安心・安全で持続可能な社会」を実現することを目指しています。
当社では、2013年度の日本版スチュワードシップ・コード制定以前から、投資先企業とは、株主還元や収益性と合わせてG(ガバナンス)を重視した対話を行ってきました。また、E(環境)・S(社会)のテーマに対する企業・投資家の意識の高まりから、2017年よりE・Sに係る対話を強化し、企業価値向上の観点から重要な対話のテーマを順次拡大しています。
なお、議決権行使の賛否判断を行う際には、定量的な基準に基づき画一的に判断するのではなく、対話を通じて把握した個別企業の状況や改善に向けた取組状況等を踏まえ、きめ細かく判断することとしております。
また、債券投資では、ESG課題をテーマとした対話に加え、投資機会の創出に向け、発行体へESG債等の発行の働きかけも行っています。
■その他
<「カーボンニュートラル実現に向けたトランジション推進のための金融支援制度」における指定金融機関への指定>
「カーボンニュートラル実現に向けたトランジション推進のための金融支援制度」における指定金融機関として、生命保険会社では初の指定を受けました。
当制度は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて着実なCO2削減の取組み(トランジション)を進める10年以上の計画を策定し、事業所管大臣の認定を受けた企業への貸付けを対象とする、成果連動型の利子補給制度等です。
当社は当制度を通じた取組みにより、企業のトランジション推進を支援し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
<CSRローン>
地球環境に配慮した取組を行っている個人や企業のお客様、子育て支援に積極的な取組を行っている企業のお客様への融資の金利を優遇することで、その支援を行っています。
<環境に配慮した不動産投資>
不動産投資では、ビルの新築時や設備更新の際にエネルギー効率の高い機器を積極的に取り入れる等、環境に配慮した投資を行っています。また、BELS*等の第三者認証の取得を通じた省エネ性能の見える化も推進しております。
*Building-Housing Energy-efficiency Labelling Systemの略称で、国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示のガイドライン」に基づき、建築物の省エネ性能を第三者機関が客観的に評価し、5段階で表示する制度です。
イニシアティブへの参加
<国連責任投資原則(PRI)への署名>
<気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同>
当社は、2018年12月に、金融安定理事会により設置されたTCFDの提言へ賛同しました。
TCFD提言が推奨する気候変動に係る「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」等の各項目に関する開示の充実を図るとともに、機関投資家(資産保有者)として、投資先に対する開示の働きかけ等を行い、持続可能な社会の形成に寄与してまいります。
<赤道原則の採択>
当社は、2019年4月に、プロジェクトファイナンス等における環境・社会配慮の国際的な枠組みである「赤道原則」をアジアの保険会社として初めて採択しました。赤道原則の採択に伴い、プロジェクトファイナンス等の意思決定のプロセスにおいて環境・社会影響の評価を行うとともに、融資実行後に遵守状況のモニタリングを行っていきます。
<ESG情報開示研究会への参加>
当社は、2020年6月に、ESG情報開示に関する研究活動を行うESG情報開示研究会へ参加しました。
<ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス(NZAOA)への加盟>
当社は、2021年10月に、気候変動に関する国際的なイニシアティブであるネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス(NZAOA)に加盟しました。
NZAOAへの加盟を通じ、国内外の投資家とも協働し、国際社会で議論されている気候変動に関する科学的分析や計測手法等について最新の情報を獲得しながら、資産運用ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量削減の取り組みを進めてまいります。
2022年5月には、当社常務執行役員の大澤晶子がNZAOA加盟機関の代表者グループであるSteering Groupのメンバーに就任しました。
<Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)への加盟>
当社は、2022年3月に、資産運用ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量の計測・開示手法を標準化することを目的としたイニシアティブであるPartnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)に加盟しました。
PCAFへの加盟を通じ、国内外の金融機関とも協働し排出量の測定ルール策定の議論に関わりながら、排出量の計測・開示手法を高度化し、資産運用ポートフォリオにおける排出量削減の取り組みを進めてまいります。
<水素バリューチェーン推進協議会への加盟>
当社は、2022年5月に、水素関連技術の社会実装化に取組む業界横断的な団体である水素バリューチェーン推進協議会に参加しました。
水素バリューチェーン推進協議会での水素技術に関する情報収集や金融面からのサポート等を通じて、脱炭素に資する水素社会の実現に向けた社会・企業の取り組みを後押ししながら、持続可能な社会の実現と運用収益向上の両立を目指してまいります。
<Climate Action 100+への加盟>
当社は、2022年7月に、温室効果ガスを多く排出する企業との対話を通じて気候変動問題の解決を目指す国際イニシアティブであるClimate Action 100+に加盟しました。
Climate Action 100+への加盟を通じ、国内外の投資家とも協働し、国際気候変動問題に関する動向について最新の情報を獲得しながら、投資先企業の気候変動リスクに配慮した取り組みを進めてまいります。
<Advanceへの加盟>
当社は、2022年12月に、企業との対話を通じて人権問題などの社会課題の解決を目指す国際的なイニシアティブであるAdvanceに加盟しました。
Advanceへの加盟を通じ、人権問題などの社会課題に関する国際動向について最新の情報を獲得しながら、投資先企業の人権リスクに配慮した取り組みを強化してまいります。
<インパクト志向金融宣言への署名>
当社は、2023年1月に、インパクト志向※を有する国内金融機関の協働イニシアティブであるインパクト志向金融宣言に署名しました。
インパクト志向金融宣言への署名を通じ、賛同する各社と知見を共有することでインパクト志向の投融資の普及・拡大に努めるとともに、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
- ※投融資先の生み出す環境・社会への影響(インパクト)を捉えて環境・社会課題を解決するという考え方
<CDPへの署名>
当社は、2023年3月に、企業や投資家に対し、環境に関する重要な情報を管理するグローバルな情報開示システムを提供している国際的なNGOであるCDPに署名しました。
機関投資家として、CDPの開示情報や知見等を活かし、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進してまいります。
<グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ(Triple I for GH)への加盟>
当社は、2023年9月に、Triple I for GHに加盟しました。Triple I for GHは、2023年5月のG7 広島サミットにおいて承認された、グローバルヘルス分野の社会課題を解決することを目的とし、インパクト投資を通じた民間資金動員の促進を呼びかけるイニシアティブです。
Triple I for GHへの参画を通じ、パートナー機関と知見を共有することで、グローバルヘルス分野でのインパクト投資の普及・拡大に努めるとともに、社会経済課題の解決に貢献していきます。
これまでの主なESG投融資事例
<インパクト投資>
<テーマ投融資> | 関係の深いSDGsゴール* |
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*SDGsのうち当社が投融資を通じて貢献につながると考える主なゴールです。
インパクト投資
脱炭素ファンドオブファンズへのインパクト投資 当社子会社であるニッセイアセットマネジメントが運用する脱炭素ファンドオブファンズに投資しました。 (2022年3月) |
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脱炭素ファンドへのインパクト投資 当社子会社であるNLGIA社が運用するファンドを通じ、TPG社が運用する脱炭素ファンドに投資しました。 (2021年11月) |
![]() 提供:TPG社 |
ソーシャル・インパクト・ボンドへの投資 株式会社ドリームインキュベータが設立したアジア最大のソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)ファンドに投資しました。 (2021年7月) |
提供:株式会社ドリームインキュベータ |
健康・医療領域のベンチャーファンドへの投資を通じたインパクト投資 当社子会社であるニッセイアセットマネジメントが運用するファンドを通じ、Grove Street社の関連会社が運用するファンドに投資しました。 (2020年9月) |
![]() 出典:Grove Street社 |
プライベートエクイティファンドを通じたインパクト投資 当社子会社であるNLGIA社が運用するファンドを通じ、インパクト投資の先進的な運用者であるTPG社の関連会社が運用するファンドに投資しました。 (2020年7月) |
![]() (イメージ図) |
テーマ投融資
ニッセイ・ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取り扱い開始 持続可能な環境・社会・経済づくりを資金提供の面から後押しすべく、「ニッセイ・ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の取り扱いを開始しました。
(2023年7月) |
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ニッセイ・サステナビリティ・リンク・ローンの取り扱い開始 持続可能な環境・社会・経済づくりを資金提供の面から後押しすべく、「ニッセイ・サステナビリティ・リンク・ローン」の取り扱いを開始しました。
(2023年6月) |
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サステナビリティ課題解決ファンドへの投資 当社子会社であるニッセイ・キャピタルが運用するサステナビリティ課題解決1号ファンドに投資しました。 (2023年5月) |
![]() 提供:ニッセイ・キャピタル株式会社 |
トランジション・ローン契約の締結 大阪ガス株式会社に対し、シンジケーション方式によるトランジション・ローン契約を締結しました。 (2023年1月) |
![]() ![]() ![]() ![]() 提供:大阪ガス株式会社 |
ブルーボンドへの投資 マルハニチロ株式会社が発行する、本邦初のブルーボンドに4億円投資しました。 (2022年10月) |
![]() ![]() ![]() 提供:マルハニチロ株式会社 |
グリーンローン契約の締結 ニチコン株式会社との間で、グリーンローン契約を締結しました。 (2022年9月) |
![]() ![]() ![]() ![]() 提供:ニチコン株式会社 |
トランジション・ローンの実行 住友化学株式会社に対し、温室効果ガス排出量削減の取り組み支援を目的としたトランジション・ローンを実行しました。 (2022年9月) |
![]() ![]() ![]() |
ニッセイ・グリーンローンの取り扱い開始 企業の脱炭素に向けた取り組みを後押しすべく、「ニッセイ・グリーンローン」の取り扱いを開始しました。
(2022年9月) |
![]() ![]() ![]() ![]() 提供:三井不動産プライベートリート投資法人 |
英独間国際連系送電線プロジェクトへの融資 英国とドイツを結ぶ国際連系送電線の建設・維持管理に係るプロジェクトへのシンジケートローンを実行しました。 (2022年7月) |
![]() ![]() ![]() Copyright © 2022 Prysmian S.p.A. All Rights Reserved. |
九州電力が発行するトランジション・ボンドへの投資 九州電力が発行するトランジション・ボンドに、26億円投資しました。 (2022年5月) |
![]() ![]() ![]() 提供:九州電力株式会社 |
豪州での鉄道保守運営プロジェクトへの融資 当社は、豪州ニューサウスウェールズ州における鉄道保守運営プロジェクトへサステナビリティ・リンク・ローンを実行しました。 (2022年3月) |
![]() ![]() 提供:Reliance Rail社 |
米国での再生可能エネルギーインフラへの投資 当社子会社であるNLGIA社を通じ、サンライフ社が主催する共同投資グループを経由して再生可能エネルギー分野に投資しました。 (2021年10月) |
![]() ![]() ![]() ![]() 提供:サンライフ社 |
サステナビリティ・リンク・ローンの実行 東京センチュリー株式会社に対し、当社にとって初めてのサステナビリティ・リンク・ローンを実行しました。 (2021年9月) |
![]() (京セラTCLソーラー合同会社が運営する太陽光発電所) |
グリーンローンの実行 日本ロジスティクスファンド投資法人および飯野海運株式会社に対し、当社にとって初めてのグリーンローンを実行しました。 (2021年8月) |
![]() ![]() ![]() 提供:日本ロジスティクスファンド投資法人 |
東京大学の「東京大学FSI債」への投資 当債券は、SDGsの達成に資するさまざまな研究教育プロジェクトFSI(Future Society Initiative:未来社会協創)に充当され、「ポストコロナ時代の新しいグローバル戦略を踏まえた研究」にかかる最先端大型研究施設の整備や、「安全、スマート、インクルーシブなキャンパスの実現」に向けたウィズコロナ・ポストコロナ社会に適したキャンパス整備等に活用されます。 (2020年10月) |
![]() ![]() ![]() 提供:東京大学TAOプロジェクト |
秋田での洋上風力発電プロジェクトへの融資 当プロジェクトは、国内初の商業用洋上風力発電プロジェクトであり、再生可能エネルギーの活用拡大を支えるものです。 (2020年2月) |
![]() ![]() ![]() (完成イメージ図) |
<インテグレーション>
ニッセイアセットマネジメントと海外現地法人が連携したインテグレーションファンドへの投資 当社は、ニッセイアセットマネジメントが当社グループの海外現地法人と連携し、運用するファンドへの投資を実施しています。当取組を通じて、グループ会社とのESG投融資におけるノウハウの共有や運用プロセスの共有・改良を実施していき、日本生命グループとして持続可能な社会の実現に貢献していきます。
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環境に配慮した不動産投資 ビルの新築や設備更新の際に省エネルギーに資する設備の導入等を積極的に行っており、日本生命丸の内ガーデンタワーが環境・社会への配慮がなされた不動産として、2014年度にDBJ Green Building認証の「five stars」*、2015年度にLEED-CS(テナントビル版)の「本認証(ゴールド)」*を獲得しています。 |
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健康・安全性に配慮した不動産投資 日本生命浜松町クレアタワーが、世界的な健康・安全性の認証である「WELL Health-Safety Rating(WELL健康安全性評価)」*を取得しました。保険会社としての当該認証の取得は初となります。
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CSRローン 環境に配慮した取組を行っている個人や企業のお客様を支援する観点から金利優遇制度を設けています。 また、子育て支援に積極的な取組を行っている中小企業のお客様を支援する観点から金利優遇制度を設けています。 |
<エンゲージメント>
日本版スチュワードシップ・コードに関する取組 当社では、スチュワードシップ活動を行う中で、投資先企業と、経営計画や事業戦略、株主還元に加え、ESGを主なテーマとする対話活動を推進しております。 |