その他 当社出向者による不適切な手段での情報取得事案に係る金融庁への報告について

日本生命保険相互会社

2025年09月12日(初掲)
    11月18日(更新)

日本生命保険相互会社(社長:朝日智司、以下「当社」)は、本年7月16日に公表しました当社から銀行への出向者による不適切な手段での情報取得事案※1につきまして、7月18日に金融庁より報告徴求命令を受領※2し、これまで全容の解明に向けた調査を進めてきました。本日、調査によって判明した事実関係、発生原因、再発防止策等について金融庁に報告しましたので、以下のとおりお知らせします。

  • ※1
    当社に関する一部報道について
  • ※2
    金融庁による報告徴求命令の受領について

お客様をはじめとした関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしていますことを深くお詫び申し上げます。このような事案を発生させたことを重く受け止め、発生原因を踏まえた再発防止策に全社を挙げて取り組むことで、皆さまからの信頼回復に努めてまいります。

1.調査および調査結果の全体像

事案の全容解明に向けて、銀行等の代理店への出向者、ならびに出向元所属および管理組織の関係者へのヒアリングや質問票、メール等のフォレンジック調査、資料共有サーバーの確認等を実施しました。この結果、以下の事実関係が判明しました。

当社から銀行等への出向者による不適切な手段での情報取得の状況

対象代理店数 7代理店
件数 600件 [9月12日時点:604件]
情報の内容 銀行等の保険販売に係る業績や執行方針、行員の業績評価基準、他の生命保険会社の商品情報等
主な目的 銀行等に対して適切な支援を行い、ひいては窓販業績を拡大するために、銀行等が目指している方針や行員に求められていることなどを理解するため
発生時期 2019年5月から2025年3月 [9月12日時点:2019年5月から2025年2月]

今般の調査によって判明した、不適切な手段によって情報を取得した出向者および情報を受領した銀行本部窓口担当者等の行為は、不正競争防止法における営業秘密保護の趣旨に照らして適切ではなかったものと考えています。
なお、出向者による不適切な手段での情報取得に関し、当社関係者による明示的な指示は認められませんでした。また、現時点では顧客情報の取得および当社から当社グループ会社以外の第三者への共有は確認されていません。

2.銀行窓販支援を担当する出向者を派遣している銀行事案

(1) 事案概要

2019年5月から2025年3月にかけて、当社から銀行への出向者が、銀行の生命保険販売推進や業績評価体系等に係る内部情報を上司等の許可を得ずに、私用スマートフォンのメッセージアプリや郵送等の手段によって持ち出し、当社の銀行本部窓口担当者と共有していました。また、銀行の内部情報に係る画像データ等を受け取った銀行本部窓口担当者は、当該画像データ等を加工・転記、またはそのままの画像に逆流厳禁の文言を付すなどして資料を作成し、所属する金融法人部門の役職員等に広く共有していました。
出向者は、当社への情報提供によって、全国で銀行の各支店を担当している当社職員が、「銀行が目指している方針」および「銀行で保険募集を担う行員に求められていることや行員の知識や提案スキル」等を理解したうえで、各支店に対し、より一層寄り添った販売支援・サポートを行うことができるようになると認識していました。
こうした認識のもと、出向者には、銀行の本店・支店への一貫した質の高い対応を通じて、当社に対する出向先からの評価を向上させたいとの想いが根底にあったことを確認しています。また、銀行が期待する販売支援・サポートの充実を行うことで、行員の当社商品への理解が深まることなどを通じた銀行の窓販業績の拡大、ひいては当社窓販業績の拡大、そして出向者自身の定性的な評価にも繋がるとの期待があったことを確認しています。

(2) 発生原因

本件事案が発生した主な原因は、

  • 銀行に対する販売支援の質の向上を目指す中、銀行の情報を収集することを重視していたことで、出向者・銀行本部窓口担当者ともに、自らの定性評価に繋がることも期待し、不適切な手段とは認識しながらも、容易に取得できる出向者からの情報に頼ってしまったこと
  • 第1.5線※3・第2線組織において、出向者による不適切な情報提供のリスクに対する想像力を欠き、結果として、不正競争防止法等の関連法令の教育・指導や早期検知ができなかったこと

であると考えています。詳細は以下のとおりです。

  • ※3
    いわゆる「第3線(スリーライン)ディフェンス」(金融機関の内部統制とリスク管理を、①事業部門(第1線)、②コンプライアンス・リスク管理部門(第2線)、③内部監査部門(第3線)の3つの役割に分類し、それぞれに責任と機能を分担させる考え方)における、①事業部門(第1線)内のコンプライアンス・リスク管理機能。

①情報取扱等のルールや法令等の周知・教育不足

銀行窓販領域においては、金利や為替、株価等の市場環境によりお客様ニーズが変化し、それに応じて商品ラインアップも変わっていく特性がある中、出向者・銀行本部窓口担当者ともに、タイムリーかつ正確な情報収集が活動成果の一環として捉えられるようになったと考えています。これを踏まえると、銀行と当社間における情報取扱等の具体的な対応ルールを出向者に十分に示せていなかったこと、また、留意すべき法令等の知識教育や、金融法人部門の職員として求められる倫理観の教育が不足していたものと認識しています。

②出向者の出向先・当社への貢献意欲等

出向者は、自らのミッションの一つとの認識の下で積極的な情報収集を行っており、これによって出向先・当社双方の保険業績に貢献し、自身の定性的な評価も得ることができるという意識がありました。

③情報受領者等のコンプライアンス意識の低さ、管理・指導の不足等

出向者から情報を受領していた銀行本部窓口担当者については、出向者によって出向先の情報を入手し易い状況にあり、出向者を通じた情報収集が日常的となっていました。また、銀行本部窓口担当者の上司は、担当銀行との日々のやりとりを同担当者に大きく委ねており、情報提供方法等の実態確認や適切な指導、第1.5線組織への相談等をしていませんでした。

④第1.5線組織による異常事象の検知の遅れ等

金融法人部門のミドル組織である金融法人業務部においては、金利や為替、株価等の市場環境によりお客様ニーズが目まぐるしく変化する銀行窓販固有のマーケット特性がある中、市場環境や銀行動向等のタイムリーな情報を取得し、部門全体で対応していくことが重要と認識していました。そうした中、金融法人業務部における第1.5線組織である金融法人管理グループは、出向者がもたらす情報について、その提供プロセスに関して想像力を欠いており、本来果たすべき異常事象の早期検知やフロント組織への牽制ができていませんでした。

⑤第2線・第3線組織による教育・牽制等の不十分さ

第2線・第3線組織においても、拡大してきた銀行窓販マーケットに対して、マーケット特性や業務運営の実態を踏まえたリスクの洗い出し、およびそれを踏まえた教育・牽制等の態勢が不十分でした。

3.上記以外の代理店事案

銀行窓販支援を担当する出向者を派遣している銀行以外で、出向者を派遣し、かつ、生命保険販売を委託している代理店についても調査を実施しました。その結果、複数の代理店において、出向者による不適切な手段での情報取得事案が判明しています。事案の概要および発生原因は、概ね、銀行窓販支援を担当する出向者を派遣している銀行事案と同様と考えています。

4.再発防止策

営業部門への出向は行わないようにするとともに、銀行等からの情報収集に関する取扱ルールを策定・徹底します。また、金融法人部門および第2線・第3線組織において、コンプライアンス徹底のために態勢を強化することに加え、全役職員のコンプライアンス意識の醸成を図ってまいります。具体的な再発防止策は以下のとおりです。

①出向制度の見直し

  • 銀行等における営業フロント職務および営業企画・支援(企画・執行・教育等)職務に従事する出向を行わないこととする予定。[2026年4月を目途]
  • 出向者に対する不正競争防止法等の遵守に関する教育・研修の実施。[2025年9月~]

②代理店からの情報取得・取扱ルールの整備・徹底

  • 銀行等との情報のやりとりについて、取得時、情報保存・管理・共有時のルールを明確化し、当該ルールに沿った取り扱いを徹底。また、第1線・第1.5線組織による定期的な点検等により、当該ルールの遵守状況を確認。[2025年9月~]
  • 不正競争防止法等も含め、役職員一人ひとりが法令・ルールの背景や趣旨を理解し、適切な情報取扱を徹底できるよう、定期的な研修・発信を強化。また、情報セキュリティに関する研修等のほか、情報取扱に関する基本的事項や不適切事例の配信等を実施。[2025年9月~]

③第1.5線機能の取組強化

  • 金融法人部門内における法令等遵守に対する支援・牽制をより明確に金融法人管理グループの職責とすることで、これまでの取組に加え、当部門内でのコンプライアンスの徹底に向けた取組を強化。また、第2線組織との協働を通じて、部門の業務実態を把握しながら牽制機能を発揮する態勢を早急に構築。[2025年10月~]
  • 潜在的リスクの早期把握とリスク感度の強化を企図し、金融法人管理グループによるフロント組織に対する研修を強化。[2025年10月~]

④第2線組織による第1線・第1.5線組織への関与や牽制の強化

  • 第2線組織の体制を強化し、社会変化、チャネル・マーケットの特性や様々な法令、他社・他業態のリスク事象等も踏まえ、金融法人部門の実態をこれまで以上に把握したうえで、コンプライアンスの徹底に必要な支援・牽制を実施。[2025年10月~]
  • 第1.5線・第2線組織間の定期的なミーティングを設定し、銀行窓販マーケット等の特性に応じて適切にリスクの洗い出しが行えるよう、RCSAプログラム※4運営を実効化。[2025年10月~]
  • 他社情報の取り扱いに係る遵守事項について、不正競争防止法等の背景となる法令知識も含めて定期的に研修を実施。[2025年10月~]
  • ※4
    リスク・コントロール・セルフ・アセスメント・プログラムの略称で、各部署業務におけるコンプライアンス事項について共通確認項目のみならず、環境変化や法令改正等も踏まえた各ビジネス領域におけるリスクの洗い出し、および対応状況の確認を各所属自身で実施するプログラム

⑤第3線機能の強化

  • 内部監査部門と第1線・第1.5線・第2線組織との対話を一層強化し、リスク認識のすり合わせや密な課題共有を通じた、リスクの早期発見および適切な対応を可能とする体制の構築。
  • 関係法令等の遵守にとどまらず、社会変化、チャネル・マーケットの特性や様々な法令、他社・他業態のリスク事象等も踏まえたリスク・アセスメントの強化。[2025年10月~]
  • 第3線組織の体制を強化し、銀行窓販領域に対し、リスク・アセスメントの結果や第1.5線・第2線組織による牽制状況を踏まえた立入実査やテーマ監査を検討。[2025年10月~]

⑥再発防止策の徹底に向けた委員会の設立

  • 再発防止策に特化して審議等を行う委員会を新設。[2025年9月~]

⑦コンプライアンス意識の醸成

  • 各種研修等を通じた、行動規範における「判断に迷う場合」の3つの問いかけ※5の浸透。[2025年9月~]
  • ※5
    「3つの問いかけ」:①お客様にとって最善の行動ですか?、②仲間や家族にも勧められる行動ですか?、③社会に胸を張って説明できますか?
  • より心理的ハードルが低い、気軽に職員が声を挙げることができる内部通報運営の検討。

本件に関するお問い合わせ先

日本生命保険 ニッセイコールセンター
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