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健康コラム

Vol.111 認知症の種類と予防

「最近、芸能人の名前が出てこない」「あれ取って」(物の名前がすぐに出てこない)、「鍵は閉めたっけ」など、物忘れが気になっている人も多いかもしれません。以前は、「物忘れを自覚できているうちは大丈夫」と言われてきましたが、物忘れは将来の認知症のリスクのひとつであり、物忘れを自覚し始めたら、認知症予防にすぐに取り組んだ方がよいでしょう。

認知症は、物忘れ(記憶障がい)など認知機能の障がいによって社会生活が困難になる状態で、代表的なのがアルツハイマー型認知症です。これは、アミロイドβという物質が脳に異常に蓄積して起こる病気です。
最初のうち、日常の会話は普通にできるのですが、年月日がわからなくなります(見当識障がい)。さらに進むと、冬に夏服を着るなど季節に合った服を選べなくなります。お洒落な服を着ていた患者さんが、服装を気にしなくなるのを外来でも経験することがあります。料理や買い物が億劫になり、細かい計算が面倒になってきます。千円札や1万円札で勘定をするため、小銭が増えてきます。やがて、今いる場所がわからなくなり、道に迷ったりします。

アルツハイマー型以外にも、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型認知症(ピック病)など、さまざまなタイプの認知症があり、必要な対応も若干異なります。

認知症の分類

アルツハイマー型の場合、「ご飯を食べていない」と言う患者さんに「さっき食べたじゃない!」と間違いを指摘すると、嫌な感情が残ります。「今、食事の支度をしますね」と言って話題を変えるなどして、プライドを傷つけないよう穏やかに対応するようにしましょう。
物忘れ(記憶障がい)より、幻視の症状が先に現れるのが、レビー小体型認知症です。「何もいないよ!」と頭から否定すると患者さんは混乱し、症状が悪化するので「何がいるの?」と尋ねてみましょう。
脳血管性では、症状がまだらで、感情の起伏が激しいので「少しすれば元に戻る」と考えて落ち着いて対応します。
中には、手術でよくなる特発性正常圧水頭症などもあります。気になる家族や知人がいる人は、物忘れ外来などを受診してみてはいかがでしょう。

我々の研究室では脳神経内科と共同して、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβを取り除くことに注目した「ストップ認知症プロジェクト」を立ち上げています。アミロイドβの脳への蓄積は、認知症発症の20年以上前から起こっていると考えられています。70歳で発症する人なら50歳頃からたまり始めています。脳の血管が柔らかくて、よい拍動をしている人は、アミロイドβが取り除かれやすいことがわかっています。そのため、中年期から動脈硬化を進めてしまうメタボへの対策が、認知症予防につながります。

認知症については、こちらの健康コラムもご参照ください。
「Vol.28 歩き方が健康寿命を変える」

臨床予防医学 坂根 直樹
(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室室長)
提供元:NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会、株式会社ライフケアパートナーズ

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