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健康コラム

Vol.89 大きなストレスと小さなストレス

現代はストレス社会です。ストレスは精神疾患だけでなく、生活習慣病の発症とも関連しています。過度のストレスが健康によくないことは、1930年代から動物を用いた実験でわかっていました。ストレスに対する緊急反応として、副腎からアドレナリンというホルモンが出されます。動物でも同じなのですが、敵がやってきた時にどうするか。「戦うか、それとも逃げるか」(fight-or-flight response)ですね。それには気持ちや身体を奮い立たせるアドレナリンが関係しています。

配偶者や家族の死、リストラなど人生の中での大きなストレス(ライフイベント)では、食欲が低下し、夜は眠れない状態となります。これが続いて上手に適応できないと、精神的・肉体的に破たんしてしまいます。家族が亡くなった後に調子が悪くなるのはこの状態です。
それに対して、仕事や家庭での日常のいらだち事は健康に悪さをします。大きなストレスでは食欲が低下するのに対し、日常のいらだち事に対しては食べることでストレス解消している人も多くいます。

ちなみに、ストレスの症状は3つに分かれます。

  • ・精神的な症状…イライラしたり、落ち込んだり、眠れなくなったりする
  • ・身体的な症状…頭痛や胃痛など
  • ・行動面の症状…タバコの本数やアルコール量が増えたり、買い物をし過ぎたりする など

できれば、食べ過ぎたり飲み過ぎたりすること以外に、健康に良いストレス解消法があるといいですね。運動や瞑想、読書やカラオケなどがそれに当たります。自分に合った健康的なストレス解消法を見つけてみてください。
また、仕事や家庭での出来事など、ストレスの元になるようなことを取り除けると良いのですが、簡単にできないことも多いですね。その場合には、可能な限り時間的・空間的に離れます。距離をおくことで、ストレス症状が軽減します。

ストレスの受け止め方もさまざまです。プラスに受け止める人もあればマイナスに受け止める人もあります。「人間万事塞翁が馬(さいおうがうま)」という故事があります。大昔、中国に住んでいたある老人の飼っていた馬が、どこかに逃げてしまった。しかし、その数カ月後、足の速い駿馬を連れて戻ってきた。その馬に老人の子が乗ったところ、運悪く落馬して足の骨を折ってしまった。そのおかげで兵役を免れ命が助かったという話。この故事のように不幸と思ったことが幸に転じることがあります。また、「吉凶禍福は糾える(あざなえる)縄の如し」とあるように、不幸と幸福は交互にやってくるものです。
「長い人生の中で見れば、いろいろなことがある」、「不幸だけが続くことはない。今度はきっといいことがある」などとプラス思考で考えるようにして、ストレスを出来るだけ軽減したいものですね。

臨床予防医学 坂根 直樹
(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室室長)
提供元:NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会、株式会社ライフケアパートナーズ