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健康コラム

Vol.87 骨の健康〜カルシウムと生活習慣から〜

カルシウム摂取量と骨折

骨に関係する栄養素には、カルシウムやビタミンD、ビタミンKなどがありますが、特にカルシウムはおなじみの栄養素といえます。
さて、カルシウムの摂取量が多いと、本当に骨粗しょう症や骨折を防げるのでしょうか?

カルシウム摂取量と骨折(大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ))の関連を調べたメタアナリシス*1(欧米の7つの研究を統合、41-72歳の女性17万1千人)では、1日のカルシウム摂取量によって4グループ(最も少ないグループ:280-554mg/日、最も多いグループ1100mg/日以上)に分けて調査した結果、カルシウム摂取量と骨折に有意な関連はみられませんでした。
一方、日本で10年追跡したコホート研究*2(40-69歳の女性約4万1千人)では、摂取量と骨折(腰椎)に関連がみられています。カルシウムの摂取量によって5グループに分けた時、摂取量が最も少ないグループ(350mg/日未満)は、最も多いグループ(700mg/日以上)に比べ、約2倍も骨折が起こっていたのです。
前述の研究は、カルシウムの摂取量が280mg/日未満の集団を含まず、骨折の部位も異なるので、後述の日本の研究と比べることは難しいかもしれません。日本で推奨されている1日のカルシウム摂取量は30・40代で650mg、50代で700mgですが、現状はカルシウムの摂取量が全体として少ない(平均30代441mg/日、40代437mg/日、50代485mg/日)うえに、摂取量が特に少ない人たちがいます。まずは推奨されているカルシウム量の摂取を目指すことが、骨粗しょう症や骨折予防に役立つでしょう。

  • *1文献を系統的に収集し複数の研究データを統合し解析する研究
  • *2集団を追跡しその後どのようになっていくかを調べる研究

骨の健康のカギは生活習慣?

これまでの研究から、カルシウム以外にも体重や喫煙、過度な飲酒、運動などの生活習慣が骨粗しょう症や骨折に関係するといわれています。体重は「やせ(BMI18.5未満)」の人で骨折しやすくなる報告があります。喫煙は、骨密度を維持するエストロゲン(ホルモンの一種。女性ホルモンとも呼ばれます)の作用を阻害します。また飲酒は尿へのカルシウムの排出促進作用によって、さらに喫煙・飲酒ともに腸管のカルシウム吸収抑制によって、骨折リスクを増加させます。一方、運動や通勤・家事など生活の中で動く身体活動は、骨折を予防する効果があります。骨の健康は、日頃の生活習慣がキーとなりそうです。

骨に関する情報は、こちらの健康コラムもご参照ください。
「Vol.24 骨粗しょう症予防のための食事とは(前編)」
「Vol.29 骨粗しょう症予防のための食事とは(後編)」
「Vol.34 骨粗しょう症予防のための運動とは」
「Vol.84 食事や運動で骨粗しょう症を予防しましょう」

管理栄養士 社会健康医学修士(専門職) 鬼頭 久美子
京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野 中山健夫教授研究室
提供元:NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会、株式会社ライフケアパートナーズ

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