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健康コラム

Vol.59 え!?中耳炎から中耳炎になる?

耳の構造と中耳炎

耳の穴のつきあたりには鼓膜があり、鼓膜の奥にある空間と、その中の構造物をまとめて中耳といいます。中耳は、鼻の奥と耳管という細い管でつながっています。
中耳炎は、すべての世代で発症しますが、10歳くらいまでの、特に乳幼児のお子さんがかかることが多い病気です。中耳炎にはいくつかの種類がありますが、特に発症する頻度が高いのは、"急性中耳炎"と"滲出(しんしゅつ)性中耳炎"です。

急性中耳炎とは?

急性中耳炎は"急性に中耳に膿がたまる病気"で、耳痛、発熱、耳だれ(耳の穴から分泌物の出る症状)を伴います。鼻かぜや感冒などのウイルス性上気道炎の後に発症することが多いのですが、ほとんどの急性中耳炎で、鼻やのどの細菌が耳管を通じて、中耳に感染していることがわかっています。そのため、急性中耳炎では重症度に応じて、抗菌薬を投薬して治療します。しかし、薬剤耐性菌を増加させないために、軽症の急性中耳炎では抗菌薬を投与せず、慎重に経過観察することもあります。
急性中耳炎の予防には、かぜを引いた時に鼻をすすらないこと、そして鼻水が多い場合には、まめに片方ずつゆっくり鼻をかんで鼻の中をなるべくきれいにすることが大切です。お子さんが鼻をかむことができない場合には、専用の鼻水吸引器を使用するのも良いでしょう。また、小児肺炎球菌ワクチンの予防接種による、急性中耳炎の減少と軽症化が期待されています。

滲出性中耳炎とは?

滲出性中耳炎は"中耳の空間に液体が貯留し、耳痛や発熱がない中耳炎"です。滲出性中耳炎では、音を伝える中耳に液体が貯まるために聴力が低下してしまうことがあり、お子さんの日常生活や学習に影響を及ぼす恐れがあります。また、鼓膜に病的な変化が生じることがあり、その場合、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎など、より高度な治療が必要な中耳炎が発症することもあります。
原因として最も多いのが、急性中耳炎が十分に治りきらず、滲出性中耳炎に移行する場合です。また、耳管の働きが低下することや鼻すすり癖、アデノイド増殖症や上気道炎、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など、のどや鼻の病気も滲出性中耳炎に影響します。滲出性中耳炎にならないためには、急性中耳炎を予防すること、鼻すすりを習慣化しないこと、鼻の病気を治療することが大事です。
滲出性中耳炎は自然に治癒することもありますが、薬物療法や通気療法(鼻から耳に空気を送る治療法)などの保存的治療とともに、経過によっては鼓膜にチューブを挿入する手術を行うこともあります。

医師(耳鼻咽喉科専門医) 高橋吾郎
京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野 中山健夫教授研究室
提供元:NPO法人EBH推進協議会、株式会社ライフケアパートナーズ