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ステークホルダー・ダイアログ(2018年12月)

開催日:2018年12月6日(木)

テーマ:日本生命のSDGs達成に向けた取組について

日本生命は世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の採択やパリ協定発効を受けて、2018年にCSR重要課題を改定し、18項目のサステナビリティ重要課題を特定しました。併せて、国連関連機関が発行するSDGsの企業行動指針「SDG Compass」に則り、SDGs達成に向けた取組も推進していることから、今年度はその一環としてCSRや金融に卓越した知見をお持ちの有識者と意見交換を行いました。


有識者

足達 英一郎 様

株式会社日本総合研究所 理事

企業の社会的責任の観点からの産業調査、企業評価を手掛ける。2005年3月〜2009年5月にISO26000規格化作業部会日本国エクスパート、2017年度に環境省「環境情報と企業価値に関する検討会」委員を歴任。著書にESGやSDGsに関するものが多数ある。

黒田 かをり 様

CSOネットワーク事務局長・理事/
SDGs市民社会ネットワーク代表理事

日本のNGO代表としてISO26000の策定に参加。現在、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会「持続可能な調達コード」ワーキンググループ委員、SDGs推進円卓会議構成員、SDGs市民社会ネットワーク代表理事を務める。


ファシリテーター

福島 隆史 様
(サステナビリティ会計事務所 代表取締役)

日本生命保険相互会社出席者

藤本 宣人(取締役常務執行役員)
山内 千鶴(執行役員CSR推進部長)
岩ア 裕彦(執行役員営業企画部長)
秋山 直紀(財務企画部長)

※出席者の所属・役職はダイアログを開催した当時のものです。

有識者からの提言要旨

 足達 英一郎 様
株式会社日本総合研究所 理事

SDGsに取組む意義を生命保険会社ならではのストーリーで語る
日本生命のSDGs達成に向けた取組は明確なプロセスを踏まれており、非常に丁寧に取組まれていると理解できます。しかしながら、本業である生命保険業とSDGsとの関係性についてはもう少し補足が必要ではないでしょうか。例えば、生命保険業というビジネスモデルが脅かされるとすれば、そこにはいかなる社会課題があるのか――このような視点で考えると多様なステークホルダーにとって納得のいく説明ができると思います。
「相互扶助」の精神に基づく生命保険業においては、想定以上の保険金の支払の増加は、会社の安定ひいては保険契約者の安心を脅かすことになります。言い換えれば、保険契約者の健康寿命が延びることは、日本生命の事業の健全性を担保することにもなるのです。さらに言えば、気候変動を漠然と社会問題と捉えるのではなく、人々の健康や寿命を脅かすものと捉えているからこそ、生命保険会社として地球温暖化の防止に取組むのだと伝えていくことも必要だと思います。このように、SDGsに取組むことが事業に直結するというストーリーで語ることが大切ではないでしょうか。
深刻な社会課題への危機感を前提とした取組を
SDGsというと、日本では17のゴールばかりに注目が集まりがちですが、その前文には“Transforming our world”という重要な表現があります。“Transforming” とは単なる「変化」ではなく「変容」であり、そこには「根本的に何かを変えなければならない」という意識が前提にあります。日本生命では、注力すべきSDGsとして10のゴールを特定していますが、目標に向かって進んでいけば世の中は良くなるという楽観的な考え方ではなく、深刻な社会課題への危機感をしっかりと認識し、日本をリードしていくような存在を目指していただければと思います。

 黒田 かをり 様
CSOネットワーク
事務局長・理事/
SDGs市民社会
ネットワーク代表理事

理想と現実のギャップを埋めていくアプローチを
日本生命がきちんとしたプロセスを経て、SDGsの17ゴールの中から注力すべき10のゴールを選定されたことは、高く評価されるべきことだと思います。とりわけ、既存の事業や取組の範囲にとどまらず、世界の課題やニーズに応える形で新たなチャレンジを志向する「アウトサイドイン」のアプローチを強く意識されている点は素晴らしいと感じました。このアプローチの実践には、すでに社会課題に貢献する商品・サービスを展開する中で、会社としてどこまで貢献していきたいのかを考え、そのギャップを測るというプロセスが有効です。
たとえば御社であれば、生活習慣病に備える保険や超高齢化を支えるサービス等にすでに取組まれています。これらをSDGs的な視点で捉え直し、さらに進めるとすれば何が足りないのかを見極め、具体的に取組んでいくことが、次の重要なステップとなります。高齢化は日本特有の社会問題としてよく取り上げられますが、いずれは地球規模で直面すべき課題が先行して起きているだけのこと。健康・長寿に向けた商品・サービスの開発を通じて、高齢化にまつわる諸問題に世界に先駆けて取組んでいくことは、日本生命に課せられた重要な役割と言えるのかもしれません。
SDGsへの貢献を通じて次世代に投資
SDGsは次世代の社会のあり方を問う非常に重要なキーワードであり、日本生命の取組には、SDGsへの貢献を通じて次世代に投資しようという姿勢が見て取れます。今の若い人達は、社会貢献の視点を非常に重視する傾向にあり、SDGsに取組むことは、人材獲得の面からも有効です。取組の検討に際して自社の若手層からの意見を集約された点も本当に素晴らしいと思います。今後の進捗に期待したいと思います。

参加者の声

 秋山 直紀
財務企画部長

日本生命ならではのESG投融資でSDGsに貢献
保険会社はお預かりした保険料を蓄積して保険金として支払うだけではなく、それを運用して利殖することも本業であると考えています。当社では従来から共存共栄、相互扶助の視点で公共性に配慮した投融資を行っており、近年ではPRI(責任投資原則)署名やSDGs採択に伴って、ESG投融資を急速に進めてきました。しかしながら足達先生のご指摘のとおり、「やることはやってきた」という自負に伴うどこか“楽観的な考え方”は、私たちの中に少なからずあったかと思います。今までの延長線上では何一つ解決しない――そんな思いをもって、当社がESG投融資にいかにして取組み、インパクトの評価も含めてどのようにSDGsに貢献しているのかをメッセージとして外部に伝えていくことが、改めて重要だと実感させられました。

 岩ア 裕彦
執行役員 営業企画部長

より大きな価値を提供できるビジネスへ変革を
SDGsの真のテーマは“Transforming”であるというお話がありましたが、人類社会の持続可能性への脅威をしっかりと感じることが出発点なのだと痛感させられました。私たち自身も生命保険という相互扶助の仕組みを活かして、持続可能な社会に向けたもっと大きな価値を提供できるビジネスへと“変容”を図っていくことが、結果的にSDGsへの貢献につながるのだと思います。生命保険業は契約者の数が多ければ多いほど安定するという特徴を持っていますが、地域の営業職員の地道な活動を多くの方々に受け入れていただき、その結果としての安定した経営を、めぐりめぐって社会全体の健康・長寿や地域の活性化といった課題解決につなげることができれば、それは日本生命ならではのSDGsとなるでしょう。理想と現実の差をどのように埋めていくのか、それをしっかりと考えていきたいと思います。

 山内 千鶴
執行役員 CSR推進部長

社会課題を自分ごととして捉え、SDGsに取組んでいく
SDGsを推進していく中で非常に良かったと感じるのは、自分たちの仕事を改めて見直すきっかけとなり理念教育につながったということと、社内の幅広い意見を吸いあげながら、具体的な取組を検討していく中で「これから先も会社が発展するためには色々と変わっていかなければならない」という思いを共有できたことではないかと思います。従業員一人ひとりが社会課題を自分ごととして捉え、自分たちの仕事がSDGsにどうつながるのか、SDGsに取組むことで新たなビジネスチャンスが生まれるのではないかという発想を持つことで、広がりを見せるような推進につなげたいと思います。その一つの解決策が、同じ志を持つ企業やNPOなどとのパートナーシップではないかと考えています。

 藤本 宣人
取締役 常務執行役員

本業そのもので社会に貢献していこうという意識が必要
当社はSDGs達成に向けて大きく舵を切ったところであり、私たちが変わっていかなければならないという状況において、本日のような機会は非常に貴重だと考えています。当社は創業以来130年という歴史の中で、社会貢献という切り口で言えば、相応の取組を重ねてきたという自負はあります。しかしながら今後、SDGs達成に向けて取組む中では、本業で収益をあげ、その一部を社会に還元していくという意識から、本業そのもので社会に貢献していくという意識に進化させていく必要があります。何十年という超長期にわたる生命保険という商品には、そもそも持続可能性という視点が組み込まれています。こうした視点に立って、これまでの取組を大切にしながら、新しい取組へと発展させていきたいと考えています。