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健康コラム

Vol.54 インフルエンザにご用心

インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、ふしぶしが痛い(関節痛、筋肉痛)などの症状が突然現れるウィルス感染です。普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状もみられることもあります。インフルエンザは、流行期間中に上記の様な経過の症状などを元に診断されますが、咽頭のインフルエンザ濾胞(ろほう:体組織、特に内分泌腺の組織でできた袋状の構造物。中に分泌物がたまる)も参考となります。典型的なインフルエンザは潜伏期間が1〜3日間ほどで、約1週間以内に軽快します。高齢者は2次的に細菌による肺炎や気管支炎を併発することもあります。子どもでは中耳炎や気管支喘息を併発することもあります。以前は、インフルエンザは発症してから12時間以上たたないと、十分なウィルス量がないために判定ができないとされていましたが、今では3時間程度で判定できる迅速診断キットも出てきました。以上の様に、インフルエンザの診断は、検査だけでなく発症様式、症状などから総合的に行われます。
学校保健安全法では、インフルエンザ感染の拡大を予防するために、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」が出席停止期間と原則的に定められています。これらの経過を知って、家族で対処する必要があります。

インフルエンザの予防には、流行前の予防接種が有効です。「インフルエンザワクチンを受けたのにインフルエンザにかかった」と嘆く人がいますが、ワクチンによるインフルエンザの予防接種の意義は、発症予防だけでなく、重症化予防にあります。さらに、高齢者がワクチンを接種すると、肺炎やインフルエンザによる入院が27%、死亡によるリスクが48%減少するとの報告もあります。
生活習慣病との関係で言えば、糖尿病の人はインフルエンザにかかるリスクが高いことが知られています。特に血糖コントロールが悪いと免疫機能が低下して、重症化しやすくなっています。カナダにおける調査によると、インフルエンザで入院する危険性は、糖尿病でない人よりも6%高かったとも報告されています。

ところが、ワクチンの国内での接種率は、全体で38.6%(小児で59.2%、一般成人で28.6%、高齢者で58.5%)にすぎません。
インフルエンザにかからないためには、流行前のワクチン接種に加え、咳エチケット、外出後の手洗い、適度な湿度(50〜60%)の部屋環境、抵抗力をつける(良い睡眠、バランスのとれた食生活、適度な運動、血糖コントロールなど)、むやみな外出(人混みや繁華街)を控えること等を心がけておくといいですね。咳やくしゃみをする際に、何もしないのはもちろんいけませんが、手で抑えたりしてもいけません。マスクを着用し、ティシュで口や鼻を覆って、すぐにゴミ箱に捨てましょう。そして、インフルエンザになったら無理をせずに休むことが大切です。

臨床予防医学 坂根 直樹
(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室室長)
提供元:NPO法人EBH推進協議会、株式会社ライフケアパートナーズ