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健康コラム

Vol.28 歩き方が健康寿命を変える

歩行速度と生存率

歩くスピードについて、2011年アメリカで発表された興味深い研究結果があります。これは、3万4485人の方を対象に、最大21年をかけて追跡調査したものです。この間に1万7528人の方がお亡くなりになったのですが、これらの人が亡くなった年齢ともっとも因果関係があったのが「歩くスピード」。つまり、歩くのが遅い人は早く亡くなり、速い人は長く生きたというデータなのです。
具体例としては、75歳の男性が85歳まで生きた割合は、歩行速度が最も速い(毎秒1.6m)グループでは87%、最も遅い(毎秒0.2m)グループでは19%でした。ふだん歩くスピードが遅い人は要注意ですね。

「第2の心臓」も大切

歩くためにはエネルギーが要ります。心臓や肺が悪い人は、歩くスピードがどうしても遅くなります。股関節を痛めた人も、歩きづらいのでスピードが出ません。腰から下の筋肉は「第2の心臓」と呼ばれています。それは、下半身の筋肉がしっかり動くことで、血液が心臓に戻るようにできているからで、グイグイ歩ける人は十分に戻ります。ところが歩くスピードが遅くなってくると、心臓に戻る血液が少なくなります。つまり、足腰が弱ると心臓も一緒に弱くなってしまうのです。そうなると、動きたくない、ちょっと疲れたら休むというような行動に変わり、いつしか動けなくなってしまいます。

歩幅を広く

東京都健康長寿医療センター研究所が70歳以上の1149人を対象に調べ、介護が必要な人や認知症が疑われた人などを除く666人を追跡した調査によると、男性で歩幅の狭いグループ(61.9cm以下)と、歩幅の広いグループ(70.6p以上)の認知機能低下が発生するリスクを調べてみたところ、歩幅の広いグループのリスクを1とすると、歩幅の狭いグループは3.4倍、女性の場合だと実に5.8倍もリスクが高いことが分かりました。ある程度歩幅を維持するために足腰や筋肉を強くしておくことがいかに大事であり、認知症の予防に効果があるかがお分かりいただけると思います。

このように、歩くことは認知症はじめさまざまな病気の予防・改善につながり、ひいては健康寿命をのばすことにつながるのです。

  • ご自身の健康状態や身体能力を考慮しながら無理のない運動を心がけ、状況によっては医師の指示を仰ぐなど十分注意して行なってください。

運動生理学 森谷 敏夫
(京都大学名誉教授、京都産業大学・中京大学客員教授)
提供元:NPO法人EBH推進協議会、株式会社ライフケアパートナーズ