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3分でわかる 大人のための長生き応援コラム

第14回 高齢期の楽しみ方2〜長生きすることは「未来」を生きること〜

2017年11月6日

「未来」を生きることが楽しみ、生きがいに

 人生100年時代、長生きすることは私たちに多くの恩恵をもたらします。第13回でご紹介したように、高齢期は多くの時間があり、たくさんの楽しみを経験することができます。そして、長く生きることで今までなら経験できなかった「未来」を経験できる、それ自体が大きな恩恵であり、楽しみや生きがいにつながるものと考えます。先立つ人がしばしば、「将来の子供や孫の成長した姿を見れないことが辛い」という言葉を残すように、長生きに伴い「未来」をより長く見ることができるという価値に私たちは改めて気づく必要があるのではないでしょうか。今回は、長生きに伴いどのような「未来」の姿を見ることができるのか、少し覗いてみたいと思います。

 時代とともに、社会の様相と生活環境は移ろい変わっていきます。昭和生まれの人であれば、今、これだけ携帯電話が普及して身近なものになるとは、かつては想像できなかったと思います。このように、今は想像もできないことが「未来」には起こる可能性があるわけですが、これから実際どのようなイベントが待っているのか、公表されている文献などから以下のような「未来年表」を作ってみました。

  • ※1:野村総合研究所「NRI未来年表」より
  • ※2:政府や大阪府が2025年の実現を目指している
  • ※3:総務省「平成27年版 情報通信白書」より
  • ※4:宇宙航空研究開発機構「JAXA長期ビジョン」(2005年)より
  • ※5:オランダの民間非営利団体「マーズワン」による計画で、2026年に人類の移住をスタートするとしている
  • ※6:「平成28年版 科学技術白書」で、2035年ごろの未来像として紹介。家族の健康データを踏まえてAI(人口知能)が献立を考え、料理ロボットが調理するなどとされている
  • ※7:国土交通省「財政制度等審議会 財政投融資分科会 説明資料」によると、早ければ2037年にも「品川〜大阪間」が開業の見込み
  • ※8:文部科学省科学技術・学術政策研究所 科学技術動向研究センター「第10回科学技術予測調査」の「分野別科学技術予測」で、2040年に「地上(海上)ステーションと静止軌道上ステーションをつなぐ宇宙エレベーター」の実現が予測されている
  • ※9:科学技術政策研究所(現科学技術・学術政策研究所)科学技術動向センター「将来社会を支える科学技術の予測調査 第9回デルファイ調査」(2010年)で、2041年以降に「現在の海外旅行並みの安全性で、100万円(現在価値)以下の宇宙旅行が実現する」との予測が紹介されている。

 『東京2020オリンピック・パラリンピック』は3年後ですので、「未来」と呼ぶには相応しくないかもしれませんが、その他、AI(人口知能)等の技術革新がもたらす「未来」、宇宙への移動が実現する「未来」など、様々な「未来」の姿が予想されます。実現するかどうかはわかりませんが、夢が膨らむイベントが多いのではないでしょうか。これ以外にも、「空飛ぶ車が登場する」「完全翻訳機が開発され外国人とのコミュニケーションに支障がなくなる」「匂いや味を伝えられるTVが開発され、料理番組をより楽しめるようになる」「がんや認知症も怖くなくなる」など、耳にすることがあります。

 技術の進歩に伴う話が中心とはなりましたが、変化を続ける「未来」を体感できることは、私たち一人ひとりの人生に楽しさや豊かさをもたらしてくれると思います。そうした「未来」を家族や友人とともに経験していきたいものです。ぜひ「未来」を生きることを一つの楽しみ、生きがいに、前向きに年を重ねていただきたいと思います。

(ニッセイ基礎研究所 前田 展弘)

筆者紹介

前田 展弘(まえだ のぶひろ)

株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員
研究・専門分野:ジェロントロジー(高齢社会総合研究)