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3分でわかる 大人のための長生き応援コラム

第1回 人生100年時代の意味

2016年10月3日

人生100年時代の到来

 「何歳まで生きられるのか」、その答えは生きている間はわかりません。最期の時を迎えてようやくわかることです。ただ、多くの人は漠然と、平均寿命くらいまでは生きられるのではないかと考えているのではないでしょうか。

 2015年現在の平均寿命は、男性80.79年、女性は87.05年です(厚生労働省「平成27年簡易生命表」より)。ただ当然ながら寿命には個人差があります。簡易生命表から何歳までどれくらいの人が生きられるか、「特定年齢までの生存者割合」を見ると、男性の場合、2人に1人は84歳まで、4人に1人は90歳まで生きられる、女性の場合、2人に1人は90歳、4人に1人は95歳まで生きられると推定されています。
現在は「人生90年時代」と言っても過言でないでしょう。

日本人の平均寿命の推移と推計

(資料) 1947年及び1960年から2010年までは厚生労働省「完全生命表」、1950年は厚生労働省「簡易生命表」、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果

 さらに将来に目を向ければ、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、平均寿命は今後も延び続けることが予測され、100歳以上の人口も増加し続けていく見通しです。100歳以上の人口は、2015年現在は約6万人ですが、2050年にはなんと70万人にまで増加することが予測されています。再生医療をはじめとする医療技術のさらなる進歩も期待されていますので、現代社会を生きる私たちの多くは、「人生100年時代」を歩んでいける可能性があると考えられます。

長寿化がもたらした「恩恵」

 これだけの長い人生を生きる可能性があるわけですが、そのことを皆さんはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

 特に高齢期は社会保障制度に対する不安、健康の問題や介護の問題など、様々な不安要素が多いことも事実であり、「先のことすぎてよくわからない」、「そんなに長生きはしたくない、不安ばかりだ」など、どちらかと言えば前向きな受けとめ方というより、長生きに対する不安を感じている方も少なくないのではと想像します。

 しかしながら、長生きできることは本来、喜ばしいことです。今となっては人生90-100年の可能性があることが信じられるかもしれませんが、1947年日本の平均寿命は、男性50.06年、女性53.96年でした。実に「人生50年時代」だったのです。

 それから僅か約半世紀の間に日本の平均寿命は約30年も延び、劇的に長寿化しました。このことは、医学の進歩、公衆衛生の発展、国民の健康意識、日本の食文化の変化など様々な要因がもたらした喜ばしい結果でもあります。

 「人生100年時代」を生きられるということは、「人生50年時代」に比べて、「倍」の人生を楽しむことができるということです。こうした長寿時代を“より良く生きる”ためには、長生きの変化を一人ひとりが“前向きに”受け止めることが大切なのではないでしょうか。

最後まで日々楽しさに溢れる人生にするために

 長生きを最期まで“より良く楽しく”生きていくためには、一人ひとりが若いときから取組んでいくことが大事です。そこで、本コラムでは、人生100年をどのように設計し、どのように充実させていけばよいか、そして最期まで日々楽しさに溢れる人生を実現するにはどうすればよいか、こうした“より良く生きる”ためのヒントとなる情報を継続して発信していきます。

(ニッセイ基礎研究所 前田 展弘)

筆者紹介

前田 展弘(まえだ のぶひろ)

株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員
研究・専門分野:ジェロントロジー(高齢社会総合研究)