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3分でわかる 新社会人のための経済学コラム

第57回 世界で一日に作られるデータ量は、250京バイト!?

2014年11月1日

250京バイトはDVD−Rで何本分?

 情報処理や情報通信の技術が発展するに連れて、取扱われるデータ量が、劇的に増加しています。世界では、毎日250京バイトものデータが、センサー、オンライン決済、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなどで作られています。(※1)ちなみに、京(けい)は数の単位で、1京は1兆の1万倍です。

 250京バイトは、標準画質のビデオ用DVD-Rで換算すると、2時間強の映画 約5億本分に相当します。つまり毎日、世界で映画 約5億本分のデータが作られていると言えます。この250京バイトという数字は、今から約3年前に公表されたものですが、情報分野の発展が急激に進んでいるため、現在(2014年11月)は、更に大きな値になっているものと考えられます。

 情報処理や情報通信では、半導体が重要な役割を担っています。これまで、半導体の集積化が進み、コンピュータ性能が飛躍的に向上してきました。コンピュータ性能の向上の速さを表す法則としては、「半導体の性能(集積度)は18〜24カ月で倍増する」という「ムーアの法則」が有名です。これは1965年に、半導体メーカー、インテル社の共同創業者ゴードン・ムーア氏によって提唱されました。

 コンピュータ性能の飛躍的な向上に併せて、データを格納する能力も増加しています。例えば、コンピュータなどのハードディスクの容量の推移を見ると、急激に増加している様子がわかります。

図表1 ハードディスク (1台あたり) の容量の推移

(資料) フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』:「ハードディスクドライブの歴史」より

ビッグデータの活用

 このように、大量に取扱われるデータはビッグデータと呼ばれ、現在、その活用について注目が集まっています。ビッグデータは大きく2種類に分けられます。世の中にパーソナル・コンピュータが浸透していった1980年代までは、企業の顧客データのように、データベースに格納して処理や管理ができる構造化データが中心でした。しかし、1990年代からインターネット上のブログや、ソーシャル・ネットワーキング・サービスに書き込まれるメッセージのように、データベースへの格納が困難な非構造化データが飛躍的に増加してきました。

図表2  構造化データと非構造化データの情報量の伸び (イメージ)

(資料) 総務省「平成25年版 情報通信白書」図表1-3-1-1より (筆者が表現形式を一部修正)

 ビッグデータの増大に伴って、その取扱方法を見直す動きが出てくるかもしれません。例として、データを分析して、何らかの推論を行う場合を考えてみましょう。従来は、ある仮説を立ててそれをデータを用いて実証する「仮説検定」が行われてきました。しかし、今後は、経験則的にビッグデータに潜む法則を見出す「法則の発掘」が有効ではないかと考えられており、その研究が進められています。

 また、コンピュータと、人間の役割も変わってくるかもしれません。コンピュータは従来、データを集計したり、蓄積したりすることが主な役割でしたが、今後は、データをもとにさまざまな判断や評価を行うようになると考えられます。これに応じて、人間の役割は、コンピュータが行う判断や評価の妥当性を検討し、それをもとにして確度の高い将来予測を行うなど、データ活用の効果を向上させることに移ると考えられます。このため、データを取扱う人間には、従来以上に高い見識が求められるようになります。

図表3  ビッグデータに伴う変化

※筆者作成

 ビッグデータは、上手に活用すれば、生活やビジネスにさまざまな形で役立てることができます。しかし、個人のプライバシー保護のあり方など、解決すべき課題もたくさん残っています。そのため、個人情報保護法などの法律改正や、各種ルールの整備が検討されています。今後、しっかりとルールを整備して、そのルールに則り、適切にビッグデータを取扱うことが、必要になるものと考えられます。

(※1) IBM社2011年10月発表資料(“IBM STUDY: Digital Era Transforming CMO’s Agenda, Revealing Gap In Readiness”(IBM社, 2011年10月11日プレス))より

(ニッセイ基礎研究所 篠原 拓也)

筆者紹介

篠原 拓也(しのはら たくや)

株式会社ニッセイ基礎研究所、保険研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任
研究・専門分野:保険商品、保険計理

保険商品の開発や価格戦略をベースとして、保険事業の経営・リスク管理全般を研究しています。特に、少子高齢化、晩婚・非婚化等によって変化しつつある保険市場のニーズに対応するために、公的保険と民間保険がどのように役割分担をしながら年金や保険等のサービスを提供すべきかといったテーマについて、海外事例を中心に調査をしています。また、保険制度の前提となる人口動態、経済動向等についても、平易な言葉でわかりやすくお伝えしていきたいと思います。