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数字で読み解く 23歳からの経済学

第13回 3大都市圏通勤ラッシュの平均混雑率は東京圏171%、名古屋圏139%、大阪圏130%!!

2011年3月1日

最混雑区間は「上野−御徒町」間の209%

 読者の皆さんは快適な通勤ライフを過ごすことができていますか?「快適に過ごしている」と思う方がいる一方で、大半の方は「毎朝の通勤ラッシュは苦痛」と感じているのではないでしょうか。

 では、どの路線を使用する方々が最も激しい通勤ラッシュに日々さらされているのでしょうか。国土交通省が発表している東京・名古屋・大阪の3大都市圏の主要区間の混雑率(実際の乗客者数/車両1編成あたり定員に運行本数をかけたもの)によると、日本一混雑率が高い区間は京浜東北線の『上野→御徒町』間で、混雑率はなんと209%となっています。

 でも、209%って言われても「なんとなく凄そうなのは分かるけど、あまりピンと来ない」と思われる方が大半でしょう。そこで同省から公表されている混雑度の目安をみると、混雑率200%は「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」、150%は「広げて楽に新聞を読める」程度であり、最混雑区間の『上野→御徒町』間でも週刊誌程度なら何とか読めることが分かります。ただし混雑率はあくまで最混雑時間帯1時間の平均ですので、「私が乗っている時間帯は200%程度じゃ済まない。」と感じておられる読者も多数いらっしゃると思われます。ちなみに筆者がかつて大阪圏に住んでいた時は、通勤に御堂筋線を利用していて『梅田→淀屋橋』間を通っていました。図表1を見ると、『梅田→淀屋橋』間の混雑率は149%となっていますが、広げて新聞を読むことなどとてもできる状況ではありませんでした。

<図表1>3大都市圏主要区間の混雑率上位5区間(2008年度)
 (資料)国土交通省
 (注)混雑率は最混雑時間帯1時間の平均

将来的に通勤ラッシュはなくなる?

 では通勤ラッシュは今後どうなっていくのでしょうか?誰もが興味を抱くところですが、将来を予測する上で大切な要素となるのは何事においても過去のトレンドですので、最初に通勤ラッシュの歴史を振り返ってみましょう。

 振り返ると、かつて通勤ラッシュは現在より深刻であったことが分かります。図表2は1975年から2008年までの混雑率の推移を3大都市圏別にみたものですが、1975年度の混雑率は東京圏、名古屋圏、大阪圏の3大都市圏いずれにおいても200%前後を記録しており、現在(東京圏171%、名古屋圏139%、大阪圏130%)と比べてはるかに高かったことが分かります。

<図表2>三大都市圏混雑率(平均)の推移
 (資料)国土交通省
 (注1)混雑率は最混雑時間帯1時間の平均
    (東京圏主要31区間 大阪圏主要20区間 名古屋圏主要8区間)
 (混雑度の目安)200%⇒体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。
            180%⇒折りたたむなど無理をすれば新聞を読める。
            150%⇒広げて楽に新聞を読める。
            100%⇒定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる。)

 では、何故、混雑率は低下傾向となっているのでしょうか?これには3大都市圏の通勤人口増減による影響も多少はありますが、車両の増結や列車増発、代替路線の開業など鉄道会社の涙ぐましい努力が功を奏していると言えます。そして鉄道会社の努力は現在進行形で続いています。加えて、今後は少子高齢化の進行により、日本全体として朝のラッシュの主役である高校生やビジネスマンの数がさらに減少することが確実となっています。ここまで来れば、将来を予測することもそんなに難しくはありませんね。そう、混雑率の緩和は続いていく可能性が高いものと思われます。皆さんが快適な通勤ライフを過ごすことができる日が訪れるのもそう遠くないかもしれません。

(ニッセイ基礎研究所 桑畠 滋)